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正閏論について
後漢魏晋南北朝の理解を深める意味で、正閏論について読んでみたく、論考している著書にどのようなものが存在してますでしょうか? 論語、孟子、朱子学は漢学の権威者の多くが筆をとっているので、それらにあたっていけば理解も深まると思いますが・・・より適切な道筋を示してくれる方がいましたら著書を教えて下さい。 国内書のみでお願いします、、、
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私は朱子学は専門ではないので、的確な回答は差し上げられないのですが、少しだけ。 まず前提として、正閏論を重要視し、それに一つの思想体系を与えたのは、あくまで朱子学です(金の侵入が契機)。 魏晋南北朝期における正統論は、そもそもが思想学の立場からの論考がほとんどで(それだって数は少ないはず)、歴史畑の学者が朱子学その他を利用してその正当性などについて考察することはあまりないと思います。なぜなら、その時代に朱子学はなかったのですから、魏晋南北朝の諸王朝に対する評価をそこから行うことに、それほどの意味がないからです。 もちろん思想の立場からは、それは必ずしも真ではありません。朱子学はあくまで儒学の一派であり(と認識することは可能であり)、儒学には王朝の正当性に関する解釈は常に存在します。よって正閏論からの視点ではなく、体系的正閏論成立以前の儒学から見た視点の論考は、いくらか存在するはずです。 よって、朱子学関連の大家の書物を読むことが最も近道だと思われます。直接的な回答でなくてすいません。
お礼
本質を突いた解答と感じました。 以前、魏晋南北朝時代について話す機会があり、国家の正統性を重視し、当時の士大夫の倫理観、特に儒教について熱く語ってくれたのですが、正閏論を重視し国家の価値(特に孫呉)による決め付け方が、どうにも理解できず、疑問に思っていました、後代から見る史観も重要ですね・・・ありがとうございました。