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複素数を指数関数に書き直す方法
- ある本の式の展開を追っていたら,複素数を指数関数に書き直す方法が分からなくなりました.
- 該当する式を書き直すと,別の式になるとある本には載っているのですが,理解できません.
- つまり,私の頭では別の式になりますが,本には別の式が載っているようです.皆さんのご意見をお聞きしたいです.
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γ^2 がわかっていて,γが知りたいという話ですね. (2)の exp のところは (2') exp [j {π - tan^{-1} (RgA/ω)}] の間違いでしょうか? それから,R,g,A,ω は全部正でしょうか? 以下,R,g,A,ω は全部正とします. (a) γ^2 = |γ|^2 exp(jθ) と書きたい. |γ| はOKとして,偏角のθが問題です. (1)からわかるように,γ^2 は実数部が負,虚数部が正ですから 第2象限にあります. で,角度のθですが (b) tanθ = sinθ/cosθ = - RgA/ω ですから, (c) θ=tan^(-1) [- RgA/ω] = - tan^(-1) [RgA/ω] で良さそうな気がしますが,tan^(-1) x は多価関数で,主値は (d) -π/2 < tan^(-1) x < π/2 すなわち,第1及び第4象限の角になるように,定義されています. つまり,tan^(-1) [-RgA/ω] は下図の●の偏角です. 虚 γ^2 │ ○ │ γ │ □ │ ────┼────実 │ │ │ ● │ ○も●も tan の値は同じであることに注意してください. したがって,γ^2 の偏角は (e) θ=π + tan^(-1) [-RgA/ω] = π - tan^(-1) [RgA/ω] です.あとは (f) γ = |γ| exp(jθ/2) = |γ| exp{ jπ/2 - (1/2) j tan^(-1) [RgA/ω]} = |γ| j exp{- (1/2) j tan^(-1) [RgA/ω]} = |γ| j cos{(1/2) tan^(-1) [RgA/ω]} + |γ| j (-j) sin{(1/2) tan^(-1) [RgA/ω]} で,(3)(4)式になります. θが第2象限にあるのですから,θ/2 は第1象限にあるわけです. したがって,α>0,β>0 ですね. (6)(7)ではそうなりません. なお,もう少し注意するべきところがあります. θは 2πの整数倍つけ加えてもOKですね. つまり,もう一周,二周,三周,...,してきてもよい. 一般的に書くなら (g) θ= π - tan^(-1) [RgA/ω] + 2nπ です. こうすると (h) θ/2 = [n+(1/2)]π - (1/2) tan^(-1) [RgA/ω] ですが,n が偶数か奇数かで, (f)のγがそのまま出てきたり,負号がついて出てきたりします. θが一周回っても,θ/2 は半周しか回らないわけです. したがって,最も正確に言うならば (i) α = ±(3)式 (j) β = ±(4)式 で,複合同順です. 平方根が2通りあるのは,普通の実数の場合も同じですね. 例えば √4 = 2 というように, √の記号は2つある平方根の内,どちらをとるかが決まっています. 複素数に対してはどのようにするかは決まっていないのですが, 実数部が正の方を取ることはしばしばあります. そのようにするなら,(3)(4)でOKですね.
お礼
siegmund先生,ありがとうございました.回答を読み終えたとき,一人で「すげぇ~」を連呼しました.非常に丁寧な解説で,大変わかりやすかったです. これからも,よろしくお願いします.