- ベストアンサー
教育内容の決定権
教育内容の決定権の帰属をめぐる法理論ってどのようなことなんですか? 説明してもらえませんか?
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
教育内容を誰が決定するか、つまりは誰が子供に教育を施すかという問題です。 まずは、国家が教育を施すのだという考えがあります。 それゆえ、教育内容は国家が決定するということになります。(A説) 第二に、親を中心とする国民全体が教育を施すのだという考えがあります。 この考え方によれば、教育内容は国民が決めることであり、国は教育に関してはあまり口をだすなということになります。(B説) 教科書検定に関する裁判で、国がA説を、執筆者がB説を採って争い、それぞれの説を採る判例も出ています。 (A説を採るものに、いわゆる高津判決 B説を採るものに、いわゆる杉本判決がある。 ちなみに両判決とも東京地裁判決です。) つまり、A説を採れば、教育内容を決定するのは国であるから、教科書検定をすることも許されると考えられます。 逆にB説を採れば、国は教育内容に関してはあまり口を出すべきでないから、教科書検定は許されないという結論を導くことが容易になります。 最高裁は、どちらも極端であるとして、両者の中間の説を採用しました(旭川学力テスト事件)。 教育権は国家にもあるし、国民にもあるということですね。 質問者の趣旨に合致していればよいのですが 違ったらすいません。 なお、この問題に関しては憲法の法律書には必ず出ているので 見る機会がありましたら、見ておくとよろしいかと思います。
お礼
ありがとうございました。私は学テ判決を見て2つの説があるということは知っていましたが、法理論という根本的意味がわかっていませんでした。 私のために貴重な時間を割いていただきましてありがとうございました。