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科学者コミュニティ内に意見の相違がある場合の合意法
技術士第一次試験での問題です。 「『科学者の行動規範』に関する以下の記述について、正しいものは○、誤っているものは×として適切な組み合わせはどれか」という問題があり、それらの選択肢の一つが以下です: (イ) 科学者は、社会と科学者コミュニティとのより良い相互理解のために、市民との対話と交流に積極的に参加する。また、社会の様々な課題の解決と福祉の実現を図るために、政策立案・決定者に対して政策形成に有効な科学的助言の提供に努める。その際、科学者の合意に基づく助言を目指し、意見の相違が存在するときは「科学者コミュニティ内での多数決により統一見解を決めてから助言を行う」。 …私は「多数決ってどうなんだ?正しい見解よりも声の大きい人の見解が採択されるのでは?」ともちろん危惧しました。しかし、そこは科学者、多数決とは言え、きっと根拠を基に議論されるだろうし、妥当な合意に至るはずだ。 そもそも「私には」他に良い方法が思い付かない。 そう思い、○にしました。 しかし、正解は×でした。 ×の根拠は、原文が以下だから、というものでした: https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-s168-1.pdf 7ページ目 Ⅲ.社会の中の科学 (社会との対話) 11 科学者は、社会と科学者コミュニティとのより良い相互理解のために、市民との対話と交流に積極的に参加する。また、社会の様々な課題の解決と福祉の実現を図るために、政策立案・決定者に対して政策形成に有効な科学的助言の提供に努める。その際、科学者の合意に基づく助言を目指し、意見の相違が存在するときは「これを解り易く説明する」。 …さぁて、久し振りにブチ切れましたよ…。意見の相違が存在するときは「これを解り易く説明する」んですか、へぇー、なるほど、なるほど…「意見の相違があってですね、私らにも分からんのです」とでも「解り易く説明する」んでしょうか?お前らが目指してる「科学者の合意に基づく助言」になってねぇぢゃねーか! いやいや、まぁまぁ、落ち着いて。そうじゃなくて、意見の相違があっても個人の見解を「解り易く説明する」んですよ。 …ってなってもおかしいでしょ? 私が指摘してるのは、この技術士の試験問題がおかしいって言ってるんじゃないんですよ。この『科学者の行動規範』がおかしいって言ってるんです。意見が割れた時はどうすんの?普通の企業でもやってますよ?それを書くのは行動規範じゃないの? 「これを解り易く説明する」くらいなら、「科学者コミュニティ内での多数決により統一見解を決めてから助言を行う」方がよっぽど有益な行動規範だ。 ということで、科学者コミュニティ内に意見の相違がある場合の合意法を教えて下さい。
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- f272
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科学者コミュニティ内に意見の相違がある場合には、もちろん合意を目指しますが、合意できるまでの社会に対しての行動規範としては、意見の相違があることをわかりやすく説明すべきでしょう。 科学者コミュニティでの合意法は多数決ではなく、科学的な方法によって合理的な判断を行わねばなりません。科学的な実験、観察が不足していて集約できないときは、意見が分かれていることをそのまま説明すべきです。
- jack-a3
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ここで書かれている「意見の相違が存在するときはこれを解り易く説明する」とは 科学者コミュニティの中でもいくつかの学説があって意見が統一されていないよ、とか、その中でも代表的な説はA、B,Cの三つくらいあって、それぞれの根拠はこうです。とか、それぞれの説を唱える人の代表者は誰で、また科学者コミュニティの中で各説に賛同する人の割合はこれくらいです。 …みたいな感じの情報を提供することを指してます。これらをもとに、社会としてどの説に乗っかってどのような対策をするのかの判断をしてもらうための情報を提供する。 科学者のほぼ全員が一つの説でまとまってるならいいですが、そういった定説がない場合、社会としてはいくつかの説の中で一番賛同者が多い説を採用するのか、それとも社会的影響が大きい説を採用するのか、説が間違っていた時に対策コストが一番無駄にならない説を採用するのか、とか、そういった視点で課題解決に向けた動きを考える必要があります。どの方針を取るかは社会や政治の責任であり仕事です。 なので科学者コミュニティの役割としては、多数決なんかで意見をまとめるのではなく、諸説あることを正直に、分かりやすく提示することです。 たとえば地球温暖化現象や、二酸化炭素がその主要因になっているって説にはいまだに懐疑的立場をとる人もいます。 ですが、二酸化炭素の排出量削減を目指すことは世界にとって現状をこれ以上悪くさせることはないとの判断の元、社会的合意が出来て、政治や経済界を巻き込んで世界中で取り組んでいるのです。こういう政治的判断を促すための情報提供をするにあたり、科学者たちだけの多数決で情報を絞っちゃダメ、ということを示してます。
お礼
ご回答ありがとうございます。 実は、あなたの仰る「科学者コミュニティの中で各説に賛同する人の割合はこれくらいです」が(語弊はありますが)私の言うところの「多数決」でした。少なくとも「A説、B説、C説があることを伝え、各説に賛同する割合を集計し、最も賛同する人の多かった説を伝える」義務があると思っています。もしかしたら、その説は間違っているかもしれません。しかし、科学者という専門家たちが多く賛同したのですから、参考にはなるでしょうし、むしろ、社会、政治家、一般人が知りたいのはそこです。 ちなみに、どの方針を取るかは社会や政治の責任、というのは私も同意見です。 「多数決ではない」かつ「これを解り易く説明する」という条件からすると、「A説、B説、C説があります、以上です」という程度の説明になると考えていました。これで留めた場合、聞いた側は科学には素人ですから「で、結局、どの説が有力なんですか?」と聞き返しますよね?そうなると結局、「最も有力な説(≒多数決)」の結果を伝えないといけない、というのが私の考えでした。 とにかく、「多数決で統一見解を決める」は極論過ぎて×なのは理解しました。また、私の本題の質問「科学者コミュニティ内に意見の相違がある場合の合意法」に対しては「そんな便利な方法は無い、そもそも合意なんかしなくてもいい」が回答ですね。原文にある「科学者の合意に基づく助言」は「目指してはいるが」、意見の相違がある場合は合意なんかしなくていい、というスタンスですね。 最後に、原文の「これを解り易く説明する」の「これ」が曖昧さを含み「解り易く説明」できていないな、と感じました。 以上です。 ご回答及びお付き合い下さり、ありがとうございました!