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5月の恋の和歌が知りたいです!
今の時期にぴったりな恋の和歌が知りたいです
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gjpmpさん、こんにちは。 では、 『君が目を 見まくすべなみ 五月野の 光の中に 立ちなげくかも』 小泉千樫(ちかし) 『物をこそ いはねの松の 岩つつじ いはねばこそあれ 恋しきものを』 平 定文 (たいらのさだふみ 通称平中) 『風凪ぎぬ つかれて樹々の 凪ぎしずむ 夜を見よ少女 さびしからずや』 若山牧水
- Nakay702
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>今の時期にぴったりな恋の和歌が知りたいです ⇒楽しい、興味あるご質問をありがとうございます。以下のとおり、万葉集などから数首を引用して、9首の和歌をお答えします。(○は「お勧め」の意。) ①「ほととぎす鳴くや五月のあやめ草 あやめも知らぬ恋もするかな」○ 作者:読人知らず・万葉集。「あやめ」は植物としての菖蒲を指すほか、「物の筋、条理」という意味があります。 意味:ホトトギスが鳴く五月に咲く菖蒲草のように、条理・理屈では割り切れないような恋をしています。 ②「さつきまつ花橘の香をかげば 昔の人の袖の香ぞする」 作者・注:読人知らず・万葉集。 意味:五月の橘の花の香りを嗅ぐと、昔の恋人の衣の香を思い出します。 ③「夏の野の茂みに咲ける姫百合の 知らえぬ恋は苦しきものぞ」 作者・注:大伴坂上郎女・万葉集。 意味:夏の野の繁みにひっそりと咲いている姫百合のように、人に知られず恋をするのは苦しいものです。 ④「あかねさす紫草野(むらさきの)行き標野(しめの)行き 野守は見ずや君が袖振る」○ 作者・注:額田王・万葉集。「標野」は、皇室の所有する原野で、一般人の立ち入りは禁じられていた。「野守」は、野を管理する人。 意味:紫草の咲く野を行き、標野を行きながら、あなたが私に袖を振る。野守に見られているのではないかと気になります。 ⑤「色見えでうつろふものは世の中の 人の心の花にぞありける」 作者:小野小町。 意味:目に見えず色あせて忘れ去られていくものは、世の中の人(あるいは、恋する人)の心という花なのです。 ⑥「わが恋にくらぶの山の桜花 まなく散るとも数はまさらじ」○ 作者・注:坂上是則・古今集。「くらぶの山」=暗部山(鞍馬山の呼古名)、「比べる」に掛けている。「まなく」=くまなく。 意味:鞍馬山に散る桜の花は多いですが、私の恋(の深さ)に比べればものの数ではありません。 ⑦「小百合さく小草(おぐさ)がなかに君まてば 野末にほひて虹あらはれぬ」 作者・注:与謝野晶子。「小草」は、草の美称。 意味:小百合の花が咲いている草原であなたを待っていたら、野のはてが美しく輝いて、虹が出てきました。 ➇「それとなく紅き花みな友にゆづり そむきて泣きて忘れ草つむ」○ 作者・注:山川登美子(与謝野晶子の恋敵。鉄幹をめぐって三角関係の恋をした。その恋に破れたことを「友にゆづり」と表現している。) 意味:気づかれないように華やかな恋を友に譲って、こらえきれずにひとり泣いています。忘れ草を摘みながら。 ⑨「ヒヤシンス薄紫に咲にけり はじめて心ふるひそめし日」 作者:北原白秋。 意味:ヒヤシンスの花が、薄紫に咲きましたので、心ときめきます。はじめて誰かに心がときめいた日のようです。