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独占資本主義
ある参考書に、独占資本主義について、次のように書いてありました。 独占資本主義は、二つの側面を持っている。 1 発達した独占資本は、金融機関中心の金融資本となる。 2 独占資本は、外国を植民地として支配するようになる。 何故、そうなるのでしょうか。よろしくお願いします。
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1 資本の集積・集中を遂げ、独占段階に入った産業資本と銀行資本は、それぞれが結びつくことによってその支配力を飛躍的に高めます。産業資本家の資本の多くは銀行資本に依存するようになり、銀行においても複数の産業部門の競争を制限させることで自らの利益を最大化し、産業の結合を促します。銀行資本も実態は産業資本に転化し、産業資本はその資本をもって銀行に参加することで、両者は融合します。この結合体を「金融資本」と呼びます。 金融資本は多数の部門の多数の企業からなる巨大な企業グループを支配し、中小の非独占資本を支配します。 詳しくはレーニンの『帝国主義論』に載っているようです。 2 独占資本は、より多くの生産力を持つ一方で、生産物の消費は資本家のみによって行なわれます。また、設備拡張投資や新生産技術の導入は既存の独占利益を損ねるものとして消極的になり、生産力の発展が停滞します。 これを打開する方法として、新産業形成と外国への資本輸出の2つがあります。しかし、新産業を形成すると、過剰投資と過少消費が極端に著しくなり(生産部門の極端な肥大化)、大恐慌をもって終わります。その後は停滞が続きます。 そのため、外国の原料資源や販路の独占を図り、慢性的過剰資本の投資先を確保するという独占資本の内的衝動が、世界を分割する植民地化、勢力圏化を促進します。しかし、このことは、つまるところ帝国主義世界再分割戦争を引き起こします(これが第一次世界大戦です)。このことが独占資本主義体制の危機を示しており、そして独占資本主義の最終段階である国家独占資本主義体制へと移行していくのです。 参考文献 常盤政治・井村喜代子・北原勇・飯田裕康『経済原論』有斐閣(北原執筆部分) 都留重人編『岩波経済学小辞典 第3版』岩波書店
お礼
詳しい回答、ありがとうございました。 じっくり考えてみます。