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ポストモダン詩翻訳:ヒアンニーナ・ブラスチ
Behind the word is silence, and behind that silence is forgetfulness. I didn't understand the silence or that letter which thought that line, because I couldn't remember the forgotten. (Giannina BraschiのASSAULT ON TIMEより) http://maxima-library.org/year/b/409093?format=read 拙訳: 言葉の影は静寂をのぞかせ、静寂の影は忘却をさそう。 私は静寂を探し迷い、形作る文字すら見つけられね もはや忘れた事を思い出せねば。 *似たようで違うforgetfulnessと the forgottenの使い分けに苦労しました。 **私の個人的な解釈ではこの詩のこの箇所は名文の創作の苦しみのようなものかと思いました。 ***タイトルの通りポストモダン文学の詩です。 なので、以下のようなものです。 ポストモダン文学は物語の矛盾を肯定的に含んだり(むしろ物語は常に矛盾を含むものである、といった姿勢)、時間軸の無秩序性、衒学性、蕩尽性、記号性、 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A2%E3%83%80%E3%83%B3%E6%96%87%E5%AD%A6 このように無秩序にして美しいポストモダンな詩の翻訳文を考え悩んでおります。 皆様の翻訳例を教えていただけたらと思います。 BAは選べませんが、宜しくお願い致します。
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- Nakay702
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「お礼コメント」ありがとうございます。 >>スペイン語バージョン >こちらですね。 ただこちらだと途中までしか載っていないのですよ。 ⇒確かに、途中の3までしかありませんね。(ただ、大写真つきがちょっと嬉しい!) >しかし、スペイン語バージョンも見つけました。 >Detrás de la palabra está el silencio, detrás de ese silencio está un olvido. Porque no recordé el olvido no comprendí el silencio ni comprendí aquella letra que meditó aquella línea. ⇒これはこれは、どうもありがとうございました! ちょっとした予感がありまして、forgetfulness、forgottenが原作ではどうなっているのか気になっていました。見つけてくださった上文では、どちらも《冠詞+olvidar「忘れる」の過去分詞名詞》となっていることが分かりました。 ただし、前者には不定冠詞、後者には定冠詞がついています:un olvido「(ある種の)忘却」/el olvido「忘却、忘れられたもの」。ということで、前者を「忘却の霊」と訳したのは、当たらずとも遠からずだったかなと思います。 前便の訳を少し改善しました。 私訳(一部訂正): 言葉は聞こえど心に響かず、ただ沈黙あるのみ、 かく口を結び、ただ背後に忘却の霊を見るのみ。 文字列はいたずらに踊り、沈黙のわけも語らず、 忘れしに思い馳すれど、記憶は片鱗も蘇えらず。 >letter which thought that lineの箇所の意思を持つ文字達の表現をどうしたものかという難関をこう切り抜けましたか! 私の脳内のイメージでも文字達は踊っていました。といいますか、文字達が無秩序に動いていました。 ⇒お互い、同じところで苦悩があったようですね。ポストモダン詩の本領発揮の部分かも知れませんね。 >毎回、比喩表現の大切さを教わっていますが、「どうして思いつかなかったのか?」と「片鱗さえ蘇えらず」という表現を読ませていただいた時に思わず自分に思ってしまいました。 ⇒メタファーのない詩なんて、ソーセージのない生ビールのような、いや、ポップコーンのないコーラのような、いやいや、わさびのないすしのようなものでしょうからね…。 オルテガは、「メタファーは真理の狩人が持つ鉄砲のようなものだ」と言っています。 この度も、大いに楽しませていただいてます。ありがとうございます。
- Nakay702
- ベストアンサー率79% (10005/12514)
前回(1月7日ごろ)、添付してくださったEmpire of Dreamsを開いたときはスペイン語バージョンがありましたが、今回のにはありませんね。残念! 私訳(「異訳」かも): 言葉は耳には聞こえど心に届かず、ただ黙すのみ、 かくて口を閉ざせば、背後に忘却の霊を見るのみ。 文字列はいたずらに踊りて、沈黙のわけも語らず、 忘れしに思いを馳せしも、記憶は片鱗さえ蘇えらず。 お粗末。(例によって、気まぐれの「脚韻狂版」でした。)
お礼
ご回答ありがとうございます。 普段は週一ペースで質問していますが、私は前回大間違いをやらかしたので、どうもスッキリできず、お忙しい中すいませんが追加質問です。 >前回(1月7日ごろ)、添付してくださったEmpire of Dreamsを開いたときはスペイン語バージョンがありましたが、今回のにはありませんね。残念! こちらですね。 ただこちらだと途中までしか載っていないのですよ。 https://okwave.jp/qa/q9692661.html しかし、スペイン語バージョンも見つけました。 Detrás de la palabra está el silencio, detrás de ese silencio está un olvido. Porque no recordé el olvido no comprendí el silencio ni comprendí aquella letra que meditó aquella línea. (詩のタイトル:Alsalto Al Tiempo、 著者:Giannina Braschi) >言葉は耳には聞こえど心に届かず、ただ黙すのみ、 >かくて口を閉ざせば、背後に忘却の霊を見るのみ。 なるほど、このような解釈もありえますね。こちらの方がせつないですね。 >文字列はいたずらに踊りて、沈黙のわけも語らず、 letter which thought that lineの箇所の意思を持つ文字達の表現をどうしたものかという難関をこう切り抜けましたか! 私の脳内のイメージでも文字達は踊っていました。といいますか、文字達が無秩序に動いていました。 しかし、そこを私は全然表現できず、頭を悩ませる事数時間、、諦めてしまいました。 Nakayさんのお陰で、やっと表現方法が分かりました。ありがとうございます。 >忘れしに思いを馳せしも、記憶は片鱗さえ蘇えらず 毎回、比喩表現の大切さを教わっていますが、「どうして思いつかなかったのか?」と「片鱗さえ蘇えらず」という表現を読ませていただいた時に思わず自分に思ってしまいました。そして、またまた勉強になりました。ありがとうございます。 追記:結局Giannina Braschiの詩の本はこの本以外に見つからず、読み返して翻訳してみたい名文を探しています。 今回もありがとうございました。難しい表現もキチンと翻訳されるNakayさんの文章力に助けていただきました。 また、今後とも宜しくお願い致します。 (OKチップがまだ届きません。すいません。)
- SPS700
- ベストアンサー率46% (15297/33016)
言葉にど忘れはつきもの、口に出さないものは忘れる。 なぜ黙っていたのか分からないし、それをなぜ言おうとしたのかも忘れた。 忘れたことがなんだったか思い出せなくて。
お礼
ご回答ありがとうございます。 SPSさんのお作品は本当に米国に住んでいるとは思えないほど、和文ならではのやさしい響きがありますね。いつもは備前焼を思い浮かべるお作品をいただく事が多いのですが、今回は相田みつをの書道の作品をいただいたような印象を受けました。 質問文でも書きましたが、「名文の創作の苦しみのようなものかと思いました。」つまり私も同じような解釈です。どういう事かと言いますと、文章を書こうとして、 ・「アレだ、アレ!」と虚空の先にある記憶を探るのですが、忘れた記憶すら思い出せず、、、。 という状態だと想像しました。 >言葉にど忘れはつきもの、口に出さないものは忘れる。 >なぜ黙っていたのか分からないし、それをなぜ言おうとしたのかも忘れた。 >忘れたことがなんだったか思い出せなくて。 毎回思いますのは、「一体どうやってこの言葉の暖かみ表現されているのだろう?」と。 実は、SPSさん風のお作品を模倣してみようかと、格闘することしばしばなのですが、私には「この暖かみ」が全然表現できません。それで諦めて質問文のような「拙訳」に至りました。 今回も、素晴らしいお作品をありがとうございます。 また、今後とも宜しくお願い致します。(今週分のOKチップがまだ届いていませんので、すいません。)
補足
SPSさんの名訳をまた読みたく思っております。 毎回でなくてもよいので、お気が向かれた時はまた宜しくお願い致します。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >確かに、途中の3までしかありませんね。(ただ、大写真つきがちょっと嬉しい!) Giannina Braschiは10代の頃はファッションモデルだったらしいですね。画像検索しても若い頃の写真は見つけられないのですが、、、。 >forgetfulness、forgottenが原作ではどうなっているのか気になっていました。 なるほど! 流石にお目が高いですね! 私はそこまで頭が回りませんでした。(そもそもスペイン語が喋れませんが、、、。)質問文でも書きましたがforgetfulness、forgottenの微妙な違いをどう翻訳したものかとは思っていました。 >どちらも《冠詞+olvidar「忘れる」の過去分詞名詞》となっていることが分かりました。 ご解説のお陰でだいぶ理解が進みました! >前便の訳を少し改善しました。 >言葉は聞こえど心に響かず、ただ沈黙あるのみ、 あ、すいません、、こちらのバージョンを読ませていただきまして、前便のお訳を読み間違えていた事に気が付きました。 と同時に「こんなにも美しい比喩に気が付かなかったとは!」と自分にガッカリしました。 例えば私の場合は文章の創作となると難しいので、名文の翻訳を通して「この箇所をどう表現したものか!」と頭を捻らすとさすがに趣味が「詩を読むこと」なので、記憶のどこかにある最適な表現が「~~~~~~」と語りかけてくるような気がするのですが、まさに「言葉は聞こえど心に響かず、ただ沈黙あるのみ」という状態になります。 しかし、「こんなに的確な表現があったのですね!」と毎回の事ながらNakayさんの文章力には舌を巻きました。 >かく口を結び、ただ背後に忘却の霊を見るのみ 第一行に引き続きこちらも、前便で読み間違えていました。すいませんでした。 「霊」という言葉を使いこなせるのが、まずすごいですね。 「忘却の霊」とはまさに言い得て妙だと思いました。 しかし、私にはこんな風に「霊」という言葉を絶妙に使いこなすのは難しいですね。まさに「心象世界をそのままに再現」できる文章力に腰を抜かすほど感嘆としました。 そして、はじめの二行の変化により終わりの二行も本当に映えますね! 特に >忘れしに思い馳すれど、記憶は片鱗も蘇えらず。 の箇所が、二行目の箇所と重なり合う事によりより鮮明にうつり「なんと素晴らしい比喩だろう!」と「一体どんな風に書き換えたのだろう」と思いましたら、全く同じ文章でビックリしました! Nakayさんは本当に全体のバランスや相乗効果のプロですね! >メタファーのない詩なんて、ソーセージのない生ビール 肝にめいじておきます! ただし、ご存じの通り詩を読む趣味と翻訳文を考える趣味はあれど、才能はありませんので、決して期待はされませんように心からお願い申し上げます。 >オルテガは、「メタファーは真理の狩人が持つ鉄砲のようなものだ」 本当にお詳しいですね! 私も哲学書を読むのは好きなのですが、私の場合やはり哲学書というものは1,2行読んではしばらく考えという感じですから、何冊も哲学書を読んだとはとても言えず、まだまだ不勉強な感じです。 今回も、天才的なお作品をありがとうございます。 また今後とも宜しくお願い致します。 (まだOKチップが届きません。すいません。)