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代数的数の高さとは何ですか?
- 大学の課程で学ぶ数学の一つに代数的数の高さがあります。
- 代数的数とは方程式の根を指す言葉であり、その高さを求めるための公式が存在します。
- しかし、方程式の係数をそのまま利用するのではなく、特定の条件を満たすように調整する必要があります。
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先ず、今「高さ」を導入したのが、何を証明する為にそうしたのか、その背景を理解してないといけない。その背景を理解していないと、今のような疑問が出てくる。逆にその背景を理解しておくと、『a0,a1,a2,a3,・・・anのまま方程式に使う』とか「n=1,a0=2」とかを考えるとダメな事がわかる。 で、以下かなり長文になりますが... で、今考えているのは、結局『代数的数全体が可算集合であることを証明したい』、ですね?可算集合とは、要は自然数全体と一対一対応がある集合の事。つまりは、「代数的数全体に対し、0, 1, 2, ..... と自然数のラベルを順に貼っていって、全部の代数的数に自然数のラベルを貼れることを証明したい」、という訳です。 そこで、どう貼るかを考えるわけですが、代数的数そのものを考えるとちょっと分かり難いので、今代数的数の代わりに、その代数的数が根となるような整数係数の方程式を考える事(に対応させる)にする。そうすると「整数」というのはわれわれは慣れているので、より扱いやすい訳です。ところが、ここで代数的数の一つ√2を考えると、√2を根にもつ方程式はx^2 - 2 でも 2x^2 - 4 でも x^3 - 2x でも x^4 - 2x^2 でも 2x^5 - 4x^3 でも... 無限にある訳ですが、そういうことを考えるとキリがない。そこで、√2を根にもつ方程式の中から『どれか一つに限定する』ために、今(√2を根にもつ方程式の中で)「最高次の係数が正の原始多項式の中で、更に既約なもの」(原始多項式というのは、各係数の最大公約数が1の多項式の事)(既約、というのは、今の話では整数の範囲でこれ以上因数分解できない、という意味)という風に限定するわけです。そうすると、√2に対しては x^2 - 2を対応させる、という風に限定される。 そうすると、この段階で > N=2のときn=1,a0=2 2*x=0や、n=2 ,a0=1 1*x^2=0がでてこないのはなぜでしょう 2xとか x^2 とかは考えない(出てこない)のはいいですか?実際2xもx^2も、その根は0だけですが、0に対しては今の理屈では「x」を対応させるので、2xとかx^2とかには対応させない。つまり2xとかx^2とかに対応させられた代数的数はないわけです。 で注意として、√2に対してはx^2 - 2を対応させるのですが、-√2もこの理屈だとやっぱりx^2 - 2に対応させることになります。一般に今の方法だと、ある一つの『最高次の係数が正の原始多項式の中で、更に既約なn次多項式』に対応させられている代数的数は、最大でn個存在することになります。 で、一旦ある代数的数に対して、ある(整数係数の)多項式を対応させる方法はできた。そこで、今『整数係数の多項式全体が可算集合である』ことが示されれば、つまり『整数係数の多項式全体に自然数のラベルをつける』ことができれば、『代数的数全体が可算集合であること』も証明できる。なぜなら、ある代数的数全体に対する自然数のラベル付けとしては、「対応している多項式のラベルが小さい順にラベルをつける。同じ多項式に対応させられている代数的数同士に関しては、実部が小さい順に、それでも区別がつかないものは、虚部からiを除いたものが小さい順にラベルをつける」という規則を作っておけばよい。そうすると、(今ラベルは0 startとします)ある代数的数αがn次多項式 f に対応されられていて、そのfが「M番目」というラベルが付けられているとする。そこで、0番目からM番目までの多項式の中で次数が最大のものの次数をnとすると、代数的数αは最大でも「n*(M+1) - 1」番目以内にラベルが必ず付きますね? なので、今『整数係数の多項式全体に自然数のラベルを付け』たい。でどうするかですが、そこで整数係数の多項式に対して『高さ』を導入して、『高さが小さいものから先にラベルをつける』という方針で行う。そうして、整数係数の多項式全体にきちんとラベルをつけたい。そうなるようにうまい『高さ』を導入したいという訳です。 で、 > 例えばのところです。a0,a1,a2,a3,・・・anのまま方程式に使わない つまり、a0x^n+a1x^(n-1)+a2x^(n-2)+a3x^(n-3)+an-1x+anの『高さ』を単純に N' = |a0|+|a1|+|a2|+|a3|+・・・+|an|として、この『高さ』が小さい順に整数係数の多項式全体にきちんとラベルをつけることを考えると.... これではダメなのです。なぜなら、この高さだと 例えば 一番小さい高さ1を持つ多項式は、x, x^2, x^3, x^4, ......, というのが全部高さが 1の多項式になってしまうので、『高さ』が1の多項式だけでもラベル付けが終わらない。 つまり、『高さ』を導入したとき、『高さがNのものは、確実に (Nで決まる)ある有限の回数以内にラベル付けが全部終わる』、つまり『高さがNの整数係数の多項式は、有限個である』ようなものであって、かつ「任意の整数係数の多項式に対し、高さが計算できる」ようなものでないとダメな訳です。で、例えば高さを N = n-1+|a0|+|a1|+|a2|+|a3|+・・・+|an| とすると、「任意の整数係数の多項式に対し、高さが計算でき」、かつ高さがNの多項式は、高々(2N+1)^(N+1)個しかないので、うまくいく訳です。 で、結局この文章全体が、『代数的数全体が可算集合であることの証明』になっています。
お礼
詳細な解説ありがとうございます。書き忘れた既約多項式の条件も書かれてあり、しっかりと読んで、理解したいと思います。