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税務上の法人と個人の減価償却の違いについて
税務上の法人と個人の減価償却の違いについて 法人は減価償却が任意(任意償却)、 個人は減価償却が強制、と異なりますがなぜ違うのでしょうか。 法律で、そう決まっているから、と言われればそれまでですが、 理由や主旨など知りたいです。 とても不思議です。しっくりとなるほど、と理解したいので宜しくお願い致します。
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建物その他償却資産は、経年で、あるいは使用に伴って、必ず減価します。従って減価償却するのが原則です。 しかし、黒減価償却をすればその分利益が必ず減ります。赤字になるかもしれないし、少なくても黒字幅は減少します。 これは法人も自然人(個人)でも同じですが、自然人と異なって法人は、営利団体です。利益を得るために存在します。 なので、存在理由を達成できずに赤字にした場合、基本的に経営者はクビを切られる立場です。 他方、国などにとっては、黒字にしてもらえば(つまり自主的に減価償却をしないなら)税金額は増えます。明日の2羽より今日の1羽。 基本的にとった税金は返還しない(返還申請が来たらそこへ国税調査に入る)のが国策ですので、当年において減価償却せず、黒字にして納税してくれる法人経営者は歓迎すべき人たちなのです。 そういう国家にとって善良な人たちを解任させるのはマズい。 また、今年償却を強要して赤字(無税)にさせて、経営を諦めさせて来年法人そのものを解散(以後無税)に追い込んだりするのはもっとマズい。 なので、「赤字になりそう(納税しないで済みそう)なら、その年は減価償却しないで、黒字にしてもいいよ」と人参(公認利益操作法)をぶら下げる制度にしてあるわけです。 他方、自然人(個人)は、儲けるために存在するのではありません。したがって、減価償却を強制して赤字にさせても、赤字だから死ぬとかいう国家等にとっての不都合はない。 また自然人は、法人と違って、帳簿の完備はしていないケースがほとんどです。したがって、減価償却したか・しないかなどを記録していないケースも多いです。 法人のように「償却するか・しないかは納税者の自由だ」とすると、例えば築後30年経った木造アパートの申告に「減価償却費●●万円」という項目があっても、税務署は「ウソだろ。木造家屋の償却は済んでいるはずだ」とは言えないわけです。 税務署としては、その築後30年の木造アパートの減価償却が済んでいるか済んでいないか、調べないと分からないのに、調べるべき資料が納税者側にない、という困った事態に直面することになりました。 で、過去の(雑な)申告書を順番に調べて行くというような面倒がないように、減価償却を強制して、築後の年数さえ分かれば減価償却が済んでいるかどうか、判別できるようになっている。 のだと思います。
お礼
ご回答ありがとうございました。 大変参考になりました。
補足
ご回答ありがとうございます。 とても納得できたのですが、 『他方、自然人(個人)は、儲けるために存在するのではありません。』とありますが、個人事業主は営利目的ではないのでしょうか?