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財務と税務における償却年数の違い
税務と財務では償却年数の違いについて質問があります。 例えば営業権は税務上は5年償却と決められているが、財務上は合理的であれば一年間で一括償却しても良いと聞きました。 公表される財務諸表では、この税務と財務での減価償却年数の違いはどのように反映されているのでしょうか。 ご教授いただけると幸甚です。
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再度の登場です。補足質問にありました、法人税調整をした後の当期利益は税務上も財務上も同じか、ということですが、これは異なります。税務上の当期利益というのは課税所得といいます。実は前の回答で言い忘れたのですが、税効果より前に大切なことがありましたね。それは法人税の申告書における税務調整です。別表と呼ばれるものですが、詳しくは私もよく分からないのですが、別表十六で固定資産の償却限度を超過した場合の記載事項があります。それをもとに別表四で加算調整を行ないます。これにより、営業権償却で税法上超過する部分については当期利益にプラスされ、その分課税所得は膨らみます。前に示した例で別表四で税務調整した場合はこうなります。便宜上、財務上の当期利益は1500円とします。 当期利益 1,500 減価償却の償却超過額(加算・留保) +800 所得金額 2,300 以上のことから、財務上の当期利益と税務上の課税所得は異なることが分かります。 財務上すなわち企業会計(証券取引法会計)は適正な期間損益計算による投資家保護をその目的としているので、収益と費用を発生ごとにきちんと対応させる必要がある、と考えます。また、商法会計は債権者保護を目的とするので、収益については実現主義を要求したりします。一方、税務会計は課税の公平が目的であるため、税法独自の制約が設けられています。また、政策的配慮も加味されていきます。 このような異なる会計目的から、ズレが生じることになるのです。 参考になりましたでしょうか。
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- ghq7xy
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こんばんは。営業権は商法上、「5年以内で均等額以上の償却」を要しているので、5年で償却しなければならないわけではありません。ただ、税務上の限度額とはズレが生じるので、税効果会計を適用します。例を使って説明します。 例えば、営業権が1000円計上された場合で、税務上の限度額は200円だが、一括償却した場合を考えます。この場合は、800円のズレが税務上と財務上の間で生じるので、800円が税効果の対象となります。法定実効税率を40%とした場合、800×40%=320円となります。この320円をもって、下記の仕訳をします。 (繰延税金資産)320 (法人税等調整額)320 これは、税務上の法人税等の金額を財務上の法人税等の額に対応させるために行なう処理でして、この場合は財務上の法人税等の金額は税務上のそれより少ないのです。そのため、法人税等を前払いしたものと仮定して、繰延税金資産を計上します。税務上と財務上とでは会計目的が違うので、ズレが生じるのですね。 そして、財務諸表の表示ですが、繰延税金資産は流動性の高さで流動資産か投資等のいずれかに計上されますが、営業権に伴う場合は、投資等になります。また、法人税等調整額は法人税等の下に法人税等に加減する形で表示します。
補足
こんにちは ghq7xy様 とても丁寧なご説明有難うございました。会計にはあまり詳しくない上に税効果などという言葉を聞くと恐れおののいてしまいますが、例を挙げてご説明いただいたので、なんとなくわかったような気になりました。(笑) 税務上の法人税額を税務上の法人税額に対応させるというのは理解したのですが、この法人税調整をした後の当期利益は税務上も財務上も同じになるのでしょうか? たびたびの素人質問で申し訳ありませんが、また例を挙げてご説明していただけるとホントウに助かります。 よろしくお願いします。
お礼
有難うございました。 ご親切な説明のおかげで、会計音痴の私でも概念的にはなんとなく理解することが出来、大変参考になりました。 また頭がこんがらかった時には、よろしくお願い申し上げます。