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宮城賢治の「オツベル」の作品について

私は外国人です、今賢治の作品を読んでいます。分からないところがたくさんあります。知っている方教えてください。次は作品の初めの部分です。 オツベルときたらたいしたもんだ。稲扱(いねこき)器械の六台も据(す)えつけて、のんのんのんのんのんのんと、大そろしない音をたててやっている。  十六人の百姓(ひゃくしょう)どもが、顔をまるっきりまっ赤にして足で踏(ふ)んで器械をまわし、小山のように積まれた稲を片っぱしから扱(こ)いて行く。藁(わら)はどんどんうしろの方へ投げられて、また新らしい山になる。そこらは、籾(もみ)や藁から発(た)ったこまかな塵(ちり)で、変にぼうっと黄いろになり、まるで沙漠(さばく)のけむりのようだ。  そのうすくらい仕事場を、オツベルは、大きな琥珀(こはく)のパイプをくわえ、吹殻(ふきがら)を藁に落さないよう、眼(め)を細くして気をつけながら、両手を背中に組みあわせて、ぶらぶら往(い)ったり来たりする。 小屋はずいぶん頑丈(がんじょう)で、学校ぐらいもあるのだが、何せ新式稲扱器械が、六台もそろってまわってるから、のんのんのんのんふるうのだ。中にはいるとそのために、すっかり腹が空(す)くほどだ。そしてじっさいオツベルは、そいつで上手に腹をへらし、ひるめしどきには、六寸ぐらいのビフテキだの、雑巾(ぞうきん)ほどあるオムレツの、ほくほくしたのをたべるのだ。 質問1:「すっかり腹がすくほどだ。」というのはなぜですか。 質問2:「そいつで上手に腹を減らし、...」     「そいつ」は稲扱き機械を指すのですか。     またなぜ上手に腹をへらすのですか。上手はここでの意味はなんですか。 知っている方是非教えてください。お願いいたします。

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回答No.3

僕は次のように解釈しました。 質問1については、音とは空気の振動である。だから大きな音であれば空気も大きく振動する。振動した空気は、オッベルの身体も揺らす。身体が揺れることは言ってみれば運動しているようなもので、だから腹が空く。 質問2については、「そいつ」は「新式稲扱器械が立てる大きな音」ですが、「大きな音を立てる新式稲扱器械」も許容して良いと思います。 「上手に」はもちろん「じょうずに」です。この言葉は普通は、賞賛の言葉ですが、ここでは少し嫌みというか、当てこすりというか、賢治の資本階級に対する不愉快な気持ちが表れるような工夫になっています。この作品は、全体的に、そのようなしかけがされてますよね?たとえば冒頭の「オッベルときたらたいしたもんだ」も強烈な皮肉ですよね?本当に素晴らしい、と賞賛しているわけではありません。 この作品は、資本社会に対するアンチテーゼです。でもそれを声高に訴えるような下品なまねは賢治はしないんですね。 つまり、そこで働かざるをえない労働者(ここでは百姓)なら、嫌でも腹が減るでしょう。もちろんビフテキなんか食べられません。一方、オッベルは資本家であって労働者ではないので、別に無理してそこに来なくてもいいのです。じゃあ、何しにくるのかと言うと、もちろん見回りということもあるけれど、むしろ腹を空かせるためにです。「上手に」という言葉は、そういう資本家であるオッベルに、強烈に嫌みを言っているわけです。「いやあ、オッベルときたらたいした、すごい男だ。彼はね、上手におなかをすかせることだってできるんだよ!!」強烈な嫌みを感じませんか?普通の労働者だったら、普通に労働してて、いやでも腹が空くんだよ。

fenglianyang
質問者

お礼

回答を寄せていただいて、本当にありがとうございました。とっても勉強になりました。宮澤賢治さんが書いた文章は外人にとってもむずかしいです。でも頑張ります。またよろしくおねがいいたします。ほんとにほんとにありがとうございました!

その他の回答 (2)

noname#108373
noname#108373
回答No.2

ゼミで宮沢賢治を選考しています。そこは深く考えたことがなかったのですが、たぶん↓の意味だと思います。 質問1:六台も新式稲扱器械をもっているということは、小屋はかなりの大きさである。監視のために歩き回っているだけで、かなり歩くことになるから当然おなかが空く 質問2:そいつは単語で指すなら「小屋」かなぁ・・・。稲扱き機械ではありません。質問1の回答でしたように、歩き回るから上手に腹を減らすのです。上手にというのは、六寸ぐらいのビフテキだの、雑巾(ぞうきん)ほどあるオムレツなど、贅沢なものをよりおいしく食べるという意味ででしょう。

fenglianyang
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。とても役に立ちましたよ。ほんとうにありがとうございました。またよろしくおねがいいたします。

回答No.1

宮沢賢治の「セロ引きのゴーシュ」という作品をご存知でしょうか。 あの作品に、大きな音の近くにいると、血液の流れが良くなる、という記載があります(こねずみの話)。 1.大音量の機械が6台あるので血流がよくなり、おなかがすく、ということではないかと思います。 2.「そいつ」は、厳密には「稲扱き機械の振動・騒音」ということだと思います。 3.昼に巨大なビフテキ(ビーフステーキ)を食べるのにはおなかをすかさなければなりません。たぶん、おなかの空き具合にあわせて機械の近くにいる時間を変えているのだと思われます。 あまり自信はありませんが。 *サイト管理者の方へ:宮沢賢治は没後50年たっており、引用が長くても著作権侵害にはなりません。 削除を検討される場合はご参考までに。

fenglianyang
質問者

お礼

教えていただきましてどうもありがとうございました。 すごくやくにたちましたよ。宮沢賢治の作品は読みにくいですね。でも頑張ります。

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