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遺言書による資産相続の方法と必要な手続き
- 長女に資産相続をするための遺言書を作成する場合、もう一人の子供も相続権がありますが、遺言書によって遺産の配分を設定することができます。
- 遺言書を実行するには、相続人全員の同意が必要な場合と、長女だけが遺言書通りに実行することができる場合があります。
- もしもう一人の子供が遺言書に反対する場合、遺言書の有効性を主張し、裁判所で争うことになる可能性もあります。
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> 資産などの相続を全てこの長女にあげたいと思っています。 > もう一人の子供も相続権がありますが、 > 遺言書通りにしてやれる方法はできますでしょうか? > 長女は遺言書があったから相手に何も知らせず > 実行することは可能でしょうか? → 最初に結論から言いますと、 いずれも、できません。 公正証書遺言であれば、自筆証書遺言とは異なり、 家庭裁判所による遺言書の検認を経なくても 遺言の執行が可能です。 しかしながら、 遺言書を隠匿することは相続人の欠格事由になる (民法第八百九十一条第五号)ことから、 公正証書遺言の場合であっても、 共同相続人のうちの一人が 当該遺言書がある旨を他の共同相続人に秘して相続することは できない仕組みになっています。 被相続人の兄弟姉妹を除く法定相続人は 遺留分を有します。 被相続人は遺贈(=遺言[いごん]による贈与)について、 遺留分に関する規定に違反することができません (民法第九百二条第一項ただし書)。 遺言が有効であって、これによる遺贈が遺留分を侵害する場合には、 当該遺留分権利者はその遺留分を保全するために 当該遺贈を減らすことを請求することができます。 あなたの長女ではない方の子に相続権がある以上、 当該子が相続を放棄する場合と、遺留分を放棄する場合と、 上記請求権を行使しない場合を除いては、 あなたのすべての財産について長女が相続することは できないわけです。 あなたの法定相続人が二人で双方があなたの子である場合、 あなたの財産の2分の1について双方が遺留分を有し (民法第千二十八条)、 またそれぞれの相続分が2分の1である(民法第九百条)ことから、 各子の遺留分は4分の1となります。 仮に、 あなたの子が死亡した後にあなたが死亡して、 その時点において 当該死亡した子にあなたの孫である子がいる場合 (その者が胎児であれば後に生きて出生した場合に限る)には、 その者は 当該死亡した子に代襲して法定相続人となります (民法第八百八十七条第二項)。 なお、 被相続人による存命中の贈与が 当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知りながらされた場合、 遺留分の算定にあたっては その贈与された財産は被相続人の財産に算入されます (民法第千二十九条第一項及び第千三十条ただし書)。 このため、 あなたが存命中に長女に財産を贈与することをもって、 もう一人の子の遺留分の財産を減らすことは、できません。 相続人が相続権を失うのは、 被相続人から廃除された場合と、相続人の欠格事由に該当する場合です。 被相続人が推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができるのは、 推定相続人が 被相続人に対して虐待をし若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、 又は推定相続人にその他の著しい非行があったときとされています。 被相続人は遺言で推定相続人を廃除する意思を表示することもできます。 ただ、私見ですが、 長女があなたの面倒を見ていた状況における もう一人の子のあなたを顧みなかったという不作為を唯一の理由として 当該子の廃除が認められる可能性は低いだろうと思います。 (その子にしてみれば、 あなたの面倒は長女が見ているから 安心して彼女に任せているのかも知れません。) > 長女に面倒をみてもらっていますので あなたの長女があなたを献身的に看病し又は介護することによって あなたの財産の維持又は増加について寄与をした場合には、 寄与分の制度が適用される可能性があります。 あなたの長女がこの制度の「寄与をした者」に該当する一方で もう一人の子があなたを顧みず世話をほとんどしなかった場合には、 あなたが遺贈をしなくても、 この制度によって 長女はあなたの死亡時の財産の大半について相続できるかも知れません。 ただ、 寄与分は原則として共同相続人の協議で定めることとされ、 この協議が調わない、又は協議をすることができない場合には、 寄与をした者の請求により家庭裁判所が定めることになります。 このほか、 仮にあなたの長女と比較してもう一人の子が その食費や学費といった生計の資本となる財産を あなたから格段に多く贈与されているならば、 特別受益者の制度が適用される可能性があります。 この二つの制度はいずれも複雑ですので、 ここではその詳細の説明は省きます。 ともあれ、 この相続について専門家に相談して 三人にとって最も良い方法を探ることを お勧めします。 ☆ 日本司法支援センター(愛称「法テラス」) : 相談をご希望の方へ http://www.houterasu.or.jp/madoguchi_info/index.html 民法より抜粋。 “(公正証書遺言) 第九百六十九条 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。 一 証人二人以上の立会いがあること。 二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。 三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。 四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。 五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。”
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- hekiyu
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子供には遺留分というのがありますので、法定相続分の 1/2については相続する権利があります。 遺産が100万だったとしますと、法定相続分はそれぞれ 50万ずつ、ということになります。 これを遺言で、長女だけに100万とした場合 息子は25万については、俺によこせ、という 請求ができます。 これを遺留分減殺請求権といいます。 だから、長女が全部もらい、知らん顔していれば 事実上そのままになる可能性があります。 遺留分がある、と主張しても、遺産など無かった、 あるというなら証明しろ、ということも可能な場合 が出て来ます。 ”遺言書通りにしてやれる方法はできますでしょうか?” ↑ 亡くなる前に贈与してしまう、という方法が ありますが、金額によっては贈与税が掛かります。 贈与税は高額になる場合があります。 贈与税が掛からない範囲で、少しずつ贈与する という方法もありますが、時間が掛かるので 遺産の額によっては間に合わない場合が出て来ます。 ”この遺言書を実行するにあたってもう一人の子供の認証のようなものは 必要でしょうか?つまり長女は遺言書があったから相手に何も知らせず 実行することは可能でしょうか?” ↑ 遺言書は家裁において、かつ相続人全員の立ち合いのもと 開封しなければなりません。 但し、通知したのに、正当な理由無く出頭しない場合には その相続人の立ち合いは不要とされています。 尚、勝手に開封した場合は過料に処せられますが、 遺言の効力には影響無い、とされています。 つまり、法律上は難しい、ということです。
お礼
早々とご回答いただいていましたがお返事大変遅くなりました。 沢山お教えいただきましたので色々と勉強をしながらお礼となってしまいました。 やはり遺留分というのがありますよね。 妹の方が憎くてしているわけではないのですが、あまりにも長女家族が良くしてくれて 長女の人生が私のせいでと思うと残してやりたいと思っていました。 そうですよね、法律は平等に出来ていますよね。 とても分かりやすくご指導いただき、理解できました。 本当に有難うございました。お世話になりました。 お礼まで。
- masaokyoko
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「rokutaro36」さんの回答への補足 遺言書を勝手に開封しても、遺言書そのものの効力に影響はなく無効にはなりません。 民法1005条違反で5万円の過料には課せられます。
お礼
早々とご回答いただいてまして本当に有難うございました。 色々と見ていて下さったのですね。 心から感謝しています。 そうだったのですか。 とてもよくわかりました。 お世話になりました。 お礼まで。
- rokutaro36
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(Q)全てこの長女にあげたいと思っています。 遺言書通りにしてやれる方法はできますでしょうか? (A)妹が相続放棄をしない限り、不可能です。 遺言書で、姉にすべてを渡すと書いても、 裁判になれば、妹の遺留分(子供二人ならば、四分の一)が 認められます。 (Q)長女は遺言書があったから相手に何も知らせず実行することは可能でしょうか? (A)できません。 遺言書は、勝手に開封すれば、その瞬間、無効になります。 家庭裁判所などしかるべき状況で開封しなければなりません。 なので、相手に内緒にするということは不可能。
お礼
早々とご回答下さり本当にありがとうございました。 色々と勉強させていただいてからお礼をと思い 遅くなりました。 やっぱり遺留分がネックですよね。 子供としては平等に見えるのですが 親から離れたがってきた妹より何でも一生懸命尽くしてくれて 今も何度も食費代など入れたいと話し合いをしてきたにも関わらず 要らない、長女だから当たり前と言って頑張って賑やかに 穏やかに暮らさせてもらっている長女の後ろ姿に頭が下がり 何かいい方法って思っていましたが、やはりとても理解できました。 有難うございました。 お礼まで。
お礼
早々とご回答いただいていましたが、一つ一つ 勉強をしながら読ませて頂いていましてお返事大変遅くなりました。 とても詳しく、親身になってご指導いただき本当に心から 感謝しています。 何を実行するにしても、妹抜きではどうしても無理なようで。 税金のかからないくらいで贈与を繰り返していたらよかったと今頃思っていますが もうそんなに時間もなく資産も多く無理なようです。 やはり遺留分がどうしても関わってくるんですよね。 親として自分の子供ですから妹の方を憎くてそうするわけではなく あまりにも長女がよくしてくれて、老後を看てくれています。 何度も生活費や色々なお金を渡しても受け取ってくれず、長女だから当たり前って 言ってくれてとにかくこのままだとあなたの人生がって何度も話しあいましたが 明るく、穏やかに私の事を看てくれて、又孫にも祖母の在り方をきちんと教えてくれて 家族中みんなが大切にしてくれてその後ろ姿を見ていると頭が下がるのです。 ありがとう!っていう言葉の他に感謝の気持ちがないのかと思うほどで 日々暮らしていくうちに考える事となりました。 妹は干渉されたくない性格に自分が育ててしまったんだと随分悩んだ時期もありましたが 親からも姉からも離れたく思う子供で分かった時点で家族で引っ越しを繰り返す そんな人生を送っています。主人が生きている頃は、旦那の実家と縁を切っているので 自分の方だけ行き来するわけにはいかないと遠慮しているのではないかといい方に 考えてくれていましたが、全くもう今どんな生活をし、もう孫もどんな学校にいき どんな暮らしをしているかも分からない状態です。 ただ、そんなに悩んでいる私をみて何度も姉の方は自分が嫌いなら悪いところを 直すからお母さんに会いに来てあげてっと何度もメールや電話や、色々と駆使している 事を孫から聞いて、本当に申し訳なく、もういいから世話になったぶん何かお返しをしたいと 思い続けていました。長女の家族にもお返しがしたいと思い続けてきました。 しかし、法律はどうすることもできないのですね。それはそうですよね。 平等にしてあるのですよね。沢山、お教え下さって僅かな残りの人生を 考えさせていただきました。色々と何度も何度も読ませて頂いているうちに 長女は、こんな遺言書を残してもきっと半分妹にあげるような性格だと今頃 気がついてきました。一度色々な相談をさせていただく「法テラス」を教えて頂きましたので 考えてみたいとは思っていますが。法律は本当にいい勉強になりました。 とても丁寧で、的確なご回答いただき、心から感謝しています。 何度読ませていただいたことでしょう。お世話になりました。お礼まで。