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対数と三角関数との関係
歴史的に対数表が広く使われる前には三角関数表が代わりに使われていたそうですが、数学的にはどのような関係があるのでしょうか。足し算と掛け算の関係ですから初歩的なことなのでしょうが・・・
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手計算の場合、桁数が多くなればなるほど乗除算の方が加減算より面倒になるので、天文学など桁数の多い掛け算を多く行う必要がある学者が、乗除算を加減算に置き換えられないかと考えたことがそもそもの発想の起点でしょう。 もともと天文学の計算では球面三角法など三角関数を山ほど使いますから、学者は三角関数の計算(公式の知識など)には慣れていたはずですし、詳しい三角関数表がこの時代(ネーピアが対数表による数値計算の方法を発表する前)にはできていたそうですから、「加法定理を使えば乗算を減算にできる」ことに気づいたのも当然かもしれません。 一例として、2sinαsinβ=sin(90°-α+β)-sin(90°-α-β) (単位は度)を使い、実際に手持ちの古い数表(「集成 万能数表」)(森北出版)にある三角関数表で3.2144と7.5088の積を計算してみました。 α=arcsin(0.32144)≒18°45’ β=arcsin(0.75088)≒48°40’ だから 2sinαsinβ=sin(90-α+β)-sin(90-α-β)≒sin(119°55')-sin(22°35') ≒0.4827249 したがって 求める積≒10^2×0.4827249/2=24.136245 約24.1362 一方これを7桁の常用対数表(国会図書館の近代デジタルライブラリーにある古いものを参照)で計算してみます。 log3.2144=0.5070999 、 log7.5088=0.8755705 だから log(求める積)≒0.507099+0.8755705=1.3826704 対数表より求める積は約24.1363 実際に計算するとこの積は、24.13628672 です。 sin(x)=f(x)とおくと 2f(x)f(y)=f(90°-x+y)-f(90°-x-y) …(1) log(x)=g(x)とおくと g(xy)=g(x)+g(y) …(2) 数表を参照する回数などを考えると、(2)の対数の式の方が手軽で便利ですが、(1)式のような計算が対数表による計算法を考案するヒントになったと考えれば興味深いものがあります。
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- 178-tall
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参考 URL ↓ 「オイラーの公式」解説の一例。
お礼
大変興味深いサイトを教えていただきました。学校で行列を習わなかったので難しいかもしれませんが繰り返し読んでみます。貴重な情報をありがとうございました。
- 178-tall
- ベストアンサー率43% (762/1732)
>加法定理は三角関数と対数の間に何か共通性があるということを示してはいないのでしょうか。 「オイラーの公式」の、 e^(ia) = cos(a) + i*sin(a) を活用してみれば? e^{i(a+b) } = cos(a+b) + i*sin(a+b) … (1) e^{i(a+b) } = e^{ia) * e^{ib) = {cos(a) + i*sin(a) } * {cos(b) + i*sin(b) } = {cos(a)cos(b) - sin(a)sin(b) } + i*{sin(a)cos(b) + cos(a)sin(b) } … (2) の (1), (2) の実部 & 虚部を等置すれば、cos と sin の「加法定理」ですネ。 (e^{ia), e^{ib) の積が (a+b) の sin, cos に対応)
お礼
ご教示ありがとうございます。オイラーの公式自体が理解したい対象の一つです。私の理解力が足りないのが残念です。何とか勉強してみたいと思います。
- 178-tall
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> … 三角関数と対数が数学的に関係がなければこのようなことはできないのではと思いました。 「参考 URL」でいえば、 4.3 指数関数と対数関数 - オイラー - あたりから … 。 「オイラーの公式」がその簡潔な一例、みたいですネ。
お礼
ご指摘をいただくまで結びつきませんでした。勉強してみます。どうもありがとうございました。
- bran111
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三角関数の加法定理を用いて、掛け算を足し算引き算に還元できる、つまり対数のような扱いができるということは高等学校の数学の本に書いてあり、誰でも知っていることですが、実際にやったという話は聞いたことがありませんでした。いま、具体的には三角関数の積を和差に直す公式を用いて、電卓を用いてやってみて、次の公式を導きました。 xy=10^(n+m)[cos{arcsin(x/10^m)-arcsin(y/10^n)}-cos{arcsin(x/10^m)+arcsin(y/10^n)}/2 (1) 元の式は sininαsinβ =-1/ 2{cos(α+β)-cos(α-β)} です。 α=arcsinx, β=arcsiny とするとx>1,y>1でたちまちトラブります。 したがってx,yを1以下にしてやるように10^m,10^nで割ってやります。 x=2,y=3, m=n=1でやると問題なく計算できます。
お礼
なるほど、だれでも知っていることなのですね!きちんと教えていただいてありがとうございます。数学的には何か対数との共通性はないのでしょうか。三角関数の構造の中に指数のようなものが潜んでいるとか。
- 178-tall
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歴史的な登場順は、おっしゃるとおりらしい。 参照URL など、ご一読ください。
お礼
参考URL拝見いたしました。三角関数と対数が数学的に関係がなければこのようなことはできないのではと思いました。
- teppou
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No.1の info222_さんの回答に同感です。 対数は、17世紀初めごろイギリス人のネイピア(ネーピア)により自然対数が発見され、その後すぐ同じくイギリス人のブリッグスにより常用対数が提案されて、常用対数表が公刊されたとされています。 対数表の公刊により、技術計算や天文学の計算の労が大幅に軽減されたそうです。 それに対して、三角関数表は、建築や測量の必要性から精度的にはともかく古代から使われていたようです。 そういういきさつの話ではないでしょうか。
お礼
倍角の公式か何かで計算された表を使って対数と同じ使い方がされていたというはなしだったと思います。
- catpow
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>>歴史的に対数表が広く使われる前には三角関数表が代わりに使われていたそうですが、 対数表は、掛け算・割り算を足し算・引き算に変換することが可能なので、広く使われたという話を読んだことあります。 でも、三角関数表が対数表の代わりに使われたという話は目にしたことありません。 ソースはどこですか?
お礼
すみません。忘れてしまいました。確か倍角の公式か何かで二つの数の掛け算が足し算でできるということだったと思います。
- info222_
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>歴史的に対数表が広く使われる前には三角関数表が代わりに使われていたそうですが、 そんなこと聞いたこともないです。 私の中高時代では、電卓のない時代(そろばん全盛の時代)でしたので三角関数表や常用対数表のある数表を使っていました。大学では計算尺で対数・指数関数や三角関数(逆関数を含む)を含む計算をしていました。大学や大学院では機械式の手回し計算器(歯車式)や高価な電動式計算機や真空管式表示の大型卓上計算機(四則演算、当時最新式のものでも√開平だけ、対数や三角関数は不可)を使ってました。 >数学的にはどのような関係があるのでしょうか。 関係ないと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。
お礼
数学に対するあこがれがますます増してきました。数学でも実用からの欲求というのは新しいことを始める大きな要因であることを実感いたしました。ご丁寧にご教示ありがとうございました。
補足
加法定理は三角関数と対数の間に何か共通性があるということを示してはいないのでしょうか。