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サン=ナゼール強襲
スカパーで先日やっていたサン=ナゼール強襲という番組を見ました。 駆逐艦をドックに突撃座礁まではまあありえることですが、その後魚雷艇で突堤のひとつを強奪してコマンド部隊がそこに乗り込み脱出というのはいかにも作戦立案段階で不可能に見えます。 この作戦ははじめから脱出ができると思って計画したのでしょうか? それともドックおよび港湾施設の破壊までが作戦で、その後の脱出計画は形だけ作ったのでしょうか?
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- eroero4649
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おそらくなんですが、たぶん無理だろうということは作戦を命じたクラスの人たちは分かっていたと思いますが、だからといって「片道切符で死んでこい」だと現場の兵士としたら、たまったもんじゃありません。 沖縄戦のとき、日本軍が米軍が占領した飛行場に強行着陸して襲撃するという作戦が実際に行われました。義号作戦です。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%A9%E7%83%88%E7%A9%BA%E6%8C%BA%E9%9A%8A このとき、突入した隊員は全員戦死しています。じゃあ最初から全員戦死が前提だったのか。さすがの日本軍でもそれはできないんですね。 空挺隊員は、突入して暴れた後に、米軍を背後からすり抜けて味方に合流する計画になっていました。もちろんそんなことは当の隊員たちだって「まず無理だろう」ということくらいは分かっています。でも、米軍に混乱を起こせるし、背後からすり抜けることになるのでひょっとしたら、という希望は持てます。 問題は突入機を操縦する爆撃機の隊員たちで、最初は彼らは「どうせ俺たちは(地上戦の訓練は受けていないから)生きて帰れない」とひどく士気が低下して訓練にまったく身が入らなかったそうです。「どうせ俺たちは死ぬんだからさ」とね。で、あまりに彼らの士気低下が深刻なので、「米軍機を奪って帰還する」って命令になったそうです。そのために米軍機の資料を取り寄せて操縦マニュアルを作り、米軍機操縦の訓練もしたそうです。 そうしたら、「もしかしたら生きて帰れるかもしれない」と俄然爆撃機の隊員たちもやる気になったそうですよ。 やっぱり、人間心理というのはそういうものなんですね。ある小説によってやたらと美化された神風特別攻撃も、元特攻隊員によると「嫌われ者から命令が出た」「上官に気に入られているやつは出撃命令は出なかった」ということですからね。 1993年、ソマリア内戦に介入した米軍はその作戦中に一部隊が的中に孤立して包囲されます。後に映画「ブラックホークダウン」になった話です。このとき敵中に孤立したのは少人数の部隊で、大軍のソマリアゲリラに包囲されていますから、その救出に向かったらさらに損害が出る可能性があります。だからゲーム的な感覚なら「見捨てたほうが損害は少ない」となります。でも、実際の戦争では「かえって損害が増えようと味方を見捨てるのは許されない」となるのです。捨て石にされて味方は助けに来てくれないと分かると、兵士の士気はものすごく落ちるんですね。「どんなに絶望的な状況でも必ず味方が助けにきてくれる」と信じられるから戦えるわけです。 だから、どんなに困難な作戦でも「こうやって帰還する」というのは考えておかなければならないのが作戦立案者の義務だといっていいでしょうね。
- ithi
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jkpawapuroさん、こんにちは。 まさか、脱出計画は形だけというのはないと思います。敵地に乗り込んで強襲するんですから、このくらいの犠牲は覚悟の上でしょう。ただ、かなり困難な作戦であったと思います。それは戦死した兵士にビクトリア十字章を授与していることからもうかがえます。 サン=ナゼール強襲 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%EF%BC%9D%E3%83%8A%E3%82%BC%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%BC%B7%E8%A5%B2 ビクトリア十字章 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E5%8D%81%E5%AD%97%E7%AB%A0
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ご回答ありがとうございました。
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補足
なるほどどこの国でも似たような事情はあるものなんですね。 ただ日本やドイツがこの手の作戦をやるのはわかりますが、バトルオブブリテンを乗り切り優勢が見えてきたイギリス側が行うのはやはり驚きです。 猛烈な砲火の中たどり着けるわけない堤防をめざし、僚艦がどんどん炎上し撤退を決める魚雷艇の艇長とか、すごく難しい決断ですよね。