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ガリレオが楕円運動を否定していたと言う根拠
次のことが確認ができないでいます。 ガリレオが「惑星が楕円運動をしているわけがない」ということを言っていたそうですが、公式な出版物のどこに載っているのですか? 非公式な、誰かとの対話ではなく彼の出版物での出所をお聞きしています。 知っている方が居りましたら回答のほどよろしくお願いします。
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どうも調べて行くと この本に行き当たるようです。 http://www.amazon.co.jp/ローマのガリレオ―天才の栄光と破滅-ウィリアム・R-シーア/dp/4272440322 末続です。
お礼
本来はここにはお礼を各部分なのですが、驚きののほうが勝ってしまいましたので、その心境を書き込みます。 ウィキペディア「ガリレオ・ガリレイ」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%AA%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%AA%E3%83%AC%E3%82%A4 ケプラーの法則が発表されても「すべての天体は完全な円を描いて運動する」と主張し続け、「楕円運動などをするわけがない」というようなケプラーを暗に批判する文も書いている。その意味では、ガリレオはアリストテレス的な考えにまだ縛られていた時代の人物であった。ケプラーのルドルフ星表が発表され、楕円軌道に基づいて惑星の位置予報がされる時代になっても撤回しなかった[16]。 16.^ シーア、アルティガス (2005) p74 ーーーーーー 上記のp74が、「手紙の日付・・・ガリレオはこの考えを一度も・・彼が心底思い込んでいたことであった」 そのものでした。 p36 にはこうまで述べています。 「ガリレオは人生の終わりに近付くと、すべての惑星が完全な円に沿って運動していると言う、単純化されたコペルニクス体系に固執するようになった。 彼は偏見の無い心の広さを持つよう説きながら、自分は楕円形の軌道に関するけぷらの主張には耳を貸そうとしなかった。」 この本の目的は、数百年前のガリレオ裁判のカトリック側の正当性です。 したがって、当然「天動説、地動説」そんなことはどうでもよく、何度も何度も、「傲慢なガリレオ」を繰り返しています。 あきれてしまいました。 こういう書物がいまだに出回るということがどういうことを意味するのか、私にはまったく理解できません。 何かと言うとケプラーケプラーと、ケプラーを持ち上げるのは、ガリレオ「憎し」からなのでしょう。 ケプラーはただ、ティコの天文データを整理しただけです。 ティコのデータなしには何の存在感ももありませんし、そこには力学のりの字もありません。 惑星の運動は、データを並べるだけでは天動説でも、地動説でも良いのです。 しかし、力学はそうは行きません。 地動説で無ければ成り立ちません。 ティコの宇宙観からは力学は成立しません!! そのことを何にも理解できない連中がいまだに、ゴマンと居る現実に私は驚いているのです。
補足
ありがとうございます。 「ローマのガリレオ」-天才の栄光と破滅 意外と近くの図書館に置いてあり、借りてきました。 タイトルからして反ガリレオ主義的な雰囲気を感じましたが、その通りでした。 ざっと斜め読みしただけで熟読をしていませんが、この部分に該当する箇所はおそらくここでしかないと思われるので、それを転記します。 ・ ーーーー 手紙の日付は1612年7月、発信地はローマ、そこで筆を取ったフェデリコが、惑星の軌道は楕円形であると言うケプラーの発見についてガリレオに知らせている。 「私もケプラーと同じ意見で、惑星が完全な円に沿って動くものと決め付けてしまうと実際にはその限られた軌道から外れてしまうことが多々ある。私は貴兄と同様に、多くの惑星の軌道が必ずしも太陽か地球のいずれかを唯一の中心としているのではなく、地球を中心としているものもあれば、太陽を中心とするものもあると言うことに気づいているが、その上ケプラーが言うようにそれらの軌道が楕円形であるとすれば、すべては太陽を中心としていると言うことになるんだろう」 重要なのは最後の一文、つまり惑星の軌道が楕円でなければそれらが太陽を中心とすることはありえないと言うことである。 残念ながら、ガリレオはこの考えを真剣に受け止めたことは一度も無かったようである。 (略)いつまでも続く運動は、完全な円形でしかありえないと、彼が心底思い込んでいたことであった。 ーーーーー 驚きました。 自分勝手な推測から、ガリレオが「完全な円形でしかありえないと、彼が心底思い込んでいたことであった。」にしてしまうのですから!! よくこんな本が出回っているかと感心させられるほどです。 この本の全体的な印象は、まるで現代版の天動説のようです。 次の文からもこの著者の悪意のすごさが読み取れます。 「ニュートン以来、惑星の軌道は完全な円形ではないことが知られているが、ガリレオの物理学では、惑星が円以外の何らかの運動をすると言う考えを受け入れることはできなかった。」 この人はガリレオの何を理解したと言うのでしょう? ガリレオはその主著「新科学対話」の中で、アッポロニウスの円錐曲線について語っているし、放物線落下についても向心力で落下を検討すれば「放物線にはならない」つまり別な曲線、今日的に言えば楕円落下になるようなことまで言っています。