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70年代の「福祉疲れ」(アメリカ)
初めまして! 今読んでる本にこんな記述がありました。昨日亡くなられたレーガン元米大統領が80年大統領選挙において当選を果たした理由について 「・・・70年代の『福祉疲れ』による白人中間層の保守化・・・」 これがどういったものかよくわかりません。84年生まれの自分には生まれる前の話ですし、検索してもそれらしいのがヒットしないのです。 ぜひ教えてくださいm(_)m
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私は「1980年代の」専門家ではないので、一般人として書きます。 #1さんの説明は、言説としてはその通りです。つまり、当時共和党候補のレーガン(と次の父ブッシュ)はそのような構図を押し立てて選挙戦で勝利を得たということです。レーガンは「政府が問題を解決するのではない。政府こそが問題なのだ」というフレーズを好んで用いました。 実際には、「行き過ぎた福祉」であったかどうかは疑問があります。実質的な都市のゲットー化・人種隔離状況など、ほとんど解決されていません。またアメリカの財政が危機に陥ったのは、福祉ではなくヴェトナム戦争のせいです。国家予算における軍事費の推移をみれば一目瞭然です。 ところが、共和党は「福祉の行き過ぎ」を人種差別的なレトリック(「黒人が福祉を食い物にしている」と暗に示唆する)によって煽りたてることで、マイノリティの権利運動の進展によって各種の特権を喪失することを恐れていた白人たちの支持を集め、民主党を叩くことに成功しました。 国防費がアメリカの経済・財政危機をもたらしたのに、レーガン政権はますます国防費を増大させていきました。これが「双子の赤字(財政赤字・貿易赤字)」を肥大させました。また、中間層が分解し、貧富の増大が拡大したことは、レーガノミックスにどちらかといえば好意的な研究者も認めるところです。 ちなみに、今日のアメリカの好景気が「レーガンの規制緩和のおかげ」とする言説が近年よく見られます。が、これは両者の因果関係をよく検討しないと言い切れる問題ではありませんし、また現在のアメリカ経済の実体を精査せずには簡単には議論できません。私は経済専門家ではないので詳しくは書けませんが、最近のアメリカで資産格差が恐るべき勢いで増大していること、アメリカの好景気を支える要因の一つに、(特にメキシコなどから来る)「不法移民」たちを超がつくほどの低賃金労働力で利用していることなどは指摘しておいてもよいのではないかと思います。
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正解かどうか自信はないので、私見ですみません。 文面から察するに、おそらく1967年に東京都知事になった美濃部亮吉氏の都政の状態に近かったのではないかな、と感じております。 当時の社会党と共産党に支持された美濃部都知事時代の12年間、東京の都政は極端な福祉バラマキを行なって都の財政は悪化の一路をたどりました。 学者による、きれいごとに終始した美濃部氏により、企業でいえば倒産にあたる財政再建団体に指定される寸前までいきました。 その後の鈴木俊一都知事のもとで、財政再建にむけ、想像を絶するような苦労があったようです。 70年代というと、共和党フォード大統領から民主党カーター大統領の時代だと思うのですが、おそらく美濃部都政と同じような過ちをしたのかもしれません。 つまり、貧困層やマイノリティーに対する、度を越した福祉を行なったため、最も層の厚い白人中間層への配慮に欠けて、結局、本来のアメリカに戻れ、というような保守化の動きがあったように思います。 米国民主党には、本来こういった傾向があります。 そのため、強いアメリカ、というスローガンを謳った共和党レーガン氏に白人中間層の期待が集まったように思います。 当時の記憶が定かでないため、間違いがあるかもしれませんが、私見を述べさせて頂きました。 御参考になれば、幸いです。
お礼
回答ありがとうございます! よくわかりました(^-^)
お礼
なるほど共和党の巧妙な選挙戦術だったわけですね。 回答ありがとうございます!