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鼻のいろいろ
英語で「鼻」といへば、普通noseをおもひうかべますが、 muzzle - 犬 snout - 豚 trunk - 象 などと、いちいち区別するのはなぜですか。
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その節は、本来のご質問への回答からそれまして恐縮です。それは他の方々が立派なご回答をされているので、そちらにお任せ、という心境で、私は私で勝手な「回答」(怪盗)をさせていただいた次第です。それに懲りず、また今回も大同小異と思いますが、第2信を申しあげます。 「お礼コメント」をありがとうございました。 >出世魚としての「ブリ」の名前に「ハマチ」が記されてゐません。 >お住ひの地域では、使用されてゐないのですか。 ⇒あ、そうでした。「ハマチ」でした。特に関西でよく用いられ、関東でいう「イナダ」に当る言い方らしいですね。とはいえ、確かに、「ハマチ」の方がより一般的かも知れません。 ★「ハマチ」と言えば、こんな話聞いたことがあります。スシを食べたアメリカ人が会計を済まそうと思って「How much? 」と言ったら、「ヘイ、ハマチ、お待たせ!」とハマチが出てきて、あせったその人が、今度は「いくら?」日本語で聞き直したら、「ヘイ、イクラ、お待たせ!」と言ってイクラが出てきたんだ、とか。嘘みたいなホントみたいな、ホントみたいな嘘みたいな…。 >>言語は「文化と密着」している >鼻の捉へ方の問題には、人間と動物とを同一視する(…)もあるやうに感じてゐます。⇒「人間と動物の同一視」、大いにあり得ると思います。 ★我々人間、誰でもegocentric particular(ラッセル、「自己中心的特殊規定」)のようなものがありますよね。つまり、人間の身体の言語分節の仕方で動物のそれを考えるという、対動物の、人間共通の「自己中心的特殊規定」がごく自然にあり得ると思います。ですからこそ、多くの人が、例えばヘビは、我々と同じように分節できないから、それで気持悪いと感じるんでしょうね。「どこからが首で、どこからが胴体か分からない…」と。 >>文化が異なると「意味空間の切り方」も違う、 >境界線がないところに、あへて仕切りを入れるのが言語ですから、当然相違ができます。⇒例えば、翻訳者の苦悩の1つがここにありますね。仏文学を翻訳している知人が、ある時ぼやいていました。フランス語は、他人を罵倒する言葉・俗語・卑語がやたら豊富で、そんな表現が延々と続く場合、「まともな日本語に訳せるのは始めの数行ほどで、それ以降では、原語は違うのに、日本語訳ではその違いを反映する訳出がもうできなくなる。みんな同じような表現になってしまうんだ」と。 ★確かに日本語ではこの種の表現が貧弱だと思います。それで、日本人同士のけんかの場面では、しばしば言葉の応酬だけでは憤懣を発散できず、不満が高じて早々と手を挙げることになる。しかし、それでもなお満足せず、別れ際には「覚えてろ!」などとのたまう。ですから、日本人のけんかで手が早いのは、「けんか用語」の不足から来る、などといわれたりするんですね。 >>外国語を知るというのは、「別の発想の仕方を知る」(…)>>ということ >おつしやるとほりです。人間関係を考へるうへでも役立つと思つてゐます。 ⇒そうですね、同感です。知人や他人、さらには、他民族や他国をも含めた人間関係ですね。 ★この問題で日頃考えていることを少し敷衍させていただきますね。といいますのも、極度にグローバリゼーションが進み、特に境界線付近では睨み合いが日常化している今日、異分子と見た人や民族に対して、いかに親和的な姿勢が持てるかという問題に心を致し、腐心することが求められている、と言えるでしょうね。そしてそれについては、「こちらもあちらも、お互いにお互いの」異質性を排除せず、多様性を良とする、つまり文化相対主義的な姿勢で、異文化親和を高めるような心的態度が必要である、と言えるのではないでしょうか…。 おっと! やはり、またまた脱線してしまいましたね。 以上、再伸まで。
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- princelilac
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説明する時には the nose of a **** などとなり、nose の一種であるという前提は日本語と共有できる部分です。動物によって使い分けているようです。特に「鼻」に特徴のある動物は nose 以外の単語を、その特徴を強調するのでしょう。 muzzle 犬などの鼻で、「突き出た」「尖った」のイメージがあり、人間のような鼻の下がなく、口につながっている様子を表現しています。ピストルなどの「銃口」という意味もありますので、臭いを狙って嗅ぎ分けるようなイメージがあります。ちなみに「早撃ち」は fast muzzler と言います。 snout 豚のように突き出た鼻を言います。ただし犬のように尖ってはいません。この語の前後には、snort 「(馬などが)鼻を鳴らす」、snot「鼻水」、snore「いびき」などの類似語があり、その連想からやや不潔なイメージになります。 trunk 象に限定されます。他の動物では「胴体」「本体」に当たることです。もちろん象にも胴体 trunk はありますが、鼻という注目すべきにも特徴にも同じ単語を使っているのです。
お礼
丁寧な解説ありがたうございます。 >>説明する時には the nose of a **** などとなり、 >>nose の一種であるという前提は日本語と共有できる部分です。 いちおう「鼻」だといふ認識はあるのですね。 >>muzzle 犬などの鼻で、「突き出た」「尖った」のイメージがあり、 >>人間のような鼻の下がなく、口につながっている様子を表現しています。 「鼻の下」がないといふことは、若いお姉さんに反応しないのでせうか。 >>ちなみに「早撃ち」は fast muzzler と言います。 覚えておきます。ピストルの例を挙げていただくと、イメージがわきやすくなります。 >>snout 豚のように突き出た鼻を言います。ただし犬のように尖ってはいません。 こちらの特徴は尖つてゐないことなのですね。 >>snort 「(馬などが)鼻を鳴らす」、snot「鼻水」、snore「いびき」 >>などの類似語があり、その連想からやや不潔なイメージになります。 これはおもしろい御指摘です。音声や綴りの似たものは関連付けられやすくなります。snowは少し離れてゐるのでせうか。 >>trunk 象に限定されます。他の動物では「胴体」「本体」に当たることです。 さほど太くもないのですが、「胴体」とみなされるのですね。蛇の胴体を思ひ浮かべてゐるのでせうか。英語の感覚は不思議です。大相撲力士「逸ノ城」の太腿もtrunkと言へさうです。 とても勉強になりました。今後ともよろしくおねがひいたします。
- Nakay702
- ベストアンサー率79% (10005/12514)
以下のとおりお答えします。 >英語で「鼻」といへば、普通noseをおもひうかべますが、 >muzzle - 犬 >snout - 豚 >trunk - 象 >などと、いちいち区別するのはなぜですか。 ⇒欧米人の祖先(クロマニヨン人)が肉食系だったことの伝統のゆえ、かも知れませんね。逆に我々日本人は、魚の区分が細かいですよね。 ある時アメリカ人と一緒にスシを食べたことがありました。 その時、彼からあるスシのネタを尋ねられたので、“It's yellowtail.(ブリ)”と答えたものの、自信がなかったので店員に確認したところ、「イナダですよ」と言われたのです。「ああ、出世魚ですからね」というに応酬したものですから、今度はその「出世魚」とは何かを尋ねられて、少々困惑したものです。 “あなた方も同じ牛をcow, bull, ox, calf; cattleなどと言い分けるのと同じで、我々もブリを、それが成長(出世)するのに応じて「ワカシ、イナダ、ワラサ、ブリ」などと呼び名を変えるんですよ」などと、(店員さんに教えてもらいながら)何とか説明したのでした。 この時ほど、 (1)わしゃ日本語を知らんなあ! (2)言葉は、生活環境と密接に関わっているものだなあ! (3)もっと広く捕えれば、言語は「文化と密着」しているものなんだなあ! (4)角度を変えて見れば、文化が異なると「意味空間の切り方」も違う、ということなんだろうなあ! (5)外国語を知るというのは、「別の発想の仕方を知る」ということでもあると言われるが、実感だなあ! 実に実だなあ! …と肌で感じたことはありませんでした。 以上、ちょっと広げすぎて余計なことまで申してしまいましたが、ご回答まで。
お礼
こんばんは。まづは、驚いたことから。回答を拝見して、出世魚としての「ブリ」の名前に「ハマチ」が記されてゐません。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AA#.E5.87.BA.E4.B8.96.E9.AD.9A もしや「ハマチ」の名称はNakay702さんがお住ひの地域では、使用されてゐないのですか。「ハマチ」は私の一番好きな(もちろん食べておいしいといふ意味)魚です。日本中どこでも通用する名前だとばかり思つてゐました。 >>牛をcow, bull, ox, calf; cattleなどと言い分けるのと同じで どこを見てそんな区別ができるのか、さつぱりわかりません。人間でも男か女か見分けがたい人がゐます。牛ならなほさらです。オスかメスか、去勢したかどうか、いちいちチェックしてから会話をしなければならないのですか。 >>(1)わしゃ日本語を知らんなあ! 知らないのは私です。 >>(3)もっと広く捕えれば、言語は「文化と密着」しているものなんだなあ! 回答番号2の「お礼」に書いたのですが、鼻の捉へ方の問題には、人間と動物とを同一視するかどうか、それもあるやうに感じてゐます。頓珍漢な意見かもしれません。 >>(4)角度を変えて見れば、文化が異なると「意味空間の切り方」も違う、 >>ということなんだろうなあ! これは回答番号1の「お礼」に書きましたが、境界線がないところに、あへて仕切りを入れるのが言語ですから、当然相違ができます。アナログではなく、デジタルの世界です。 >>(5)外国語を知るというのは、「別の発想の仕方を知る」 >>ということでもあると言われるが、実感だなあ! おつしやるとほりです。人間関係を考へるうへでも役立つと思つてゐます。 貴重なご意見をありがたうございました。
- Oubli
- ベストアンサー率31% (744/2384)
muzzle やsnoutを英英辞典で調べると、nose and mouth of an animal (eg a dog) とか...(eg a pig)と書いてありました。つまり、鼻と口の部分を合わせた部分の、形態による総称であり、解剖学的な鼻自体を区別しているわけではないようです。象の場合は特殊な形態の鼻としていい分けているのだとと思います。
お礼
こんばんは。語学カテゴリでしばしば名回答を拝見してをります。 >>muzzle やsnoutを英英辞典で調べると、 >>nose and mouth of an animal (eg a dog) とか >>...(eg a pig)と書いてありました。 時間を割いてお調べいただき、ありがたうございます。いはゆる鼻だけの部分ではないのですね。 人間と動物を同様に扱はないのは、英語圏の人の思想なのでせうか。日本人でしたら、当然のごとく、人の鼻と動物の鼻を関連付けてしまひます。進化論が浸透してきても、やはり別別の分類として扱はれつづけるのですね。 英語以外の言語で同じやうな例を調べたことがないのでわからないのですが、どちらの発想が普遍的なのですか。 それから「eg」なんて表記もわかりにくいものです。文脈からはすぐに見当がつきますが、同じローマ字の羅列では意味を喚起する力に欠けます。 >>象の場合は特殊な形態の鼻としていい分けているのだとと思います。 象の場合はさすがに別の言ひ方があつても不思議ではないやうな気がします。 御回答ありがたうございました。
- Him-hymn
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象の場合、逆に、唇が発達した部分を日本語ではなぜ「鼻」(本当の鼻はちゃんとあるのに)と言うのですか?ーーとなりますね。これは言語文化の違いです。 muzzleやsnoutは、口も鼻も含む、尖って突き出た部分です。 そういう意味ではこの2語だけは似ていてなぜ?と私も思います。 でも、noseとはみな大分違います。 以上、ご参考になればと思います。
お礼
こんばんは。まいどアホ質問におつきあひくださり、ありがたうございます。 >>象の場合、逆に、唇が発達した部分を日本語ではなぜ「鼻」 >>(本当の鼻はちゃんとあるのに)と言うのですか?ーーとなりますね。 象の鼻は、上唇と鼻の両方に相当する器官だつたのですね。さきほど調べました。 きちんと、顔が「鼻」部品、「口」部品、「唇」部品、「耳」部品などと分解できるやうに作成されてゐれば問題がないのですが、境界が曖昧なのが困ります。 >>これは言語文化の違いです。 私には、日本語が正しいとしか思へません。英語を話す人たちの感覚はいろいろと変なことだらけです。 >>muzzleやsnoutは、口も鼻も含む、尖って突き出た部分です。 回答番号2の方もおつしやつてゐますので、調べました。口と鼻の両方を示すのですね。 >>そういう意味ではこの2語だけは似ていてなぜ?と私も思います。 まつたく不可解です。 >>以上、ご参考になればと思います。 いつも大いに参考にしてをります。今後も御指導たまはりたく存じます。
お礼
再度の御回答、感謝してをります。 >>その節は、本来のご質問への回答からそれまして恐縮です。 むしろ、広範な視野に立つた投稿を望んでをりますので、大歓迎です。私の質問ページは、質問文を題材にした世間話程度にお考へください。 >>他の方々が立派なご回答をされているので、そちらにお任せ 私は英語カテゴリは質問専門ですが、いつも豊富な用例と的確な解説で、こちらの回答レベルの高さに驚いてゐます。 >>関東でいう「イナダ」に当る言い方らしいですね。 「イナダ」といふ呼び方は、この歳になつて初めて知りました。 >>スシを食べたアメリカ人が会計を済まそうと思って「How much? 」と言ったら 商売上手ですね。アメリカ人なら笑つてすませることでせう。 >>誰でもegocentric particular(ラッセル、「自己中心的特殊規定」) >>のようなものがありますよね。 はい、私は特に自己中心的です。蛇の実例には納得がいきました。 >>フランス語は、他人を罵倒する言葉・俗語・卑語がやたら豊富で フランス語は、そんなにすさまじいのですか。私はフランス語でののしられても意味がわかりませんので、たぶん気になりません。日本語の少数語彙で馬鹿だ、阿呆だ、などと言はれても、そのとほりなので、さらに気になりません。 >>「こちらもあちらも、お互いにお互いの」異質性を排除せず、多様性を良とする、 >>つまり文化相対主義的な姿勢で、異文化親和を高めるような心的態度が必要である 私もさう思ひます。文化、見解、思想などを前面に出しながらも、相手のものも認める、できるかぎりさうしてゆきたいと考へます。 貴重なご意見をありがたうございました。
補足
ベストアンサーは、楽しいお話をしてくださつたNakay702さんとします。ご存じのとほり、私はベストアンサーのシステムの存在そのものに反対の立場です。学問の世界に「正解」があるとは思つてゐませんし、このたびの回答すべてが、期待を越えるすばらしい内容です。 自分に合つてゐる 自分にないものを指摘してくれた 簡単に説明してくれた なにやらむづかしさうなことが書いてある 親身になつてくれた 甘い自分を突き放してくれた 計算問題で、最終的な答は誤りだが、解法がすばらしい 解法はまはりくどいが、答が合つてゐるから助かつた 論理展開が見事だ 結論が見事だ 定説を教へてくれた 新説を披露してくれた 人それぞれ、ベストアンサーの基準は違つてゐて当然です。私の場合は、その場のノリで決めます。Him-hymnさん、Oubliさん、princelilacさんも貴重なご意見をありがたうございました。