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NIMHが新しい治験基準を提案
- NIMHは共通の治験を行う被験者を対象とするよりもむしろ様々な治験を見たいとしている。
- NIMHの方針転換により、批評家は脳の解明がさらに難問となったと指摘している。
- NIMHが開発中の研究領域基準プロジェクトは、症状と脳活性などのバイオマーカーを基に患者を分類することを目指している。
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>(1)The NIMH would rather see trials that aim to recruit people with a common trait — say, hallucinations — regardless of their specific psychiatric diagnosis, treat them with a drug that acts on a specific brain receptor, and measure changes in brain activity. >NIMHは共通の治験を行う被験者を対象とするよりもむしろ様々な治験を見たいのだろう。これはつまるところそれぞれの患者の特異的な精神疾患にかかわらず特異的な脳の受容体に作用する薬品を彼らに処置しろ、そして脳の活性の変化を測定すればいいんだということを掲げた妄言である。 「個々の精神医学的診断を無視して幻覚といった共通の症状を持つ人々を集めることを意図した臨床治験を、NIMHはむしろ脳の特定の受容器に作用する薬剤で被験者を治療することだと、さらに、脳の活動の変化を測定することだと見做している。」 see A do「Aが~するのを見る/見做す」の構文ですが、trials that(関係代名詞)がどこまでなのか、その関係代名詞節の中のaim toの不定詞がどこまでなのか、ちょっと分かりにくい感じです。上記はカンマやandから、see A doのdoをtreat them ~ and measure changes ~だと考えて訳しています(そう考えると、Aは"trials that aim to ~psychiatric diagnosis"になる)。 >The move will certainly ruffle feathers. Insel notes that more than halfof the trials that the NIMH currently supports would not receive funding under the new requirements, at least not without modifications. For example, a trial that focuses on changes in attention span as a means of testing a behavioural-intervention therapy in children with a broadly defined disorder such as attention-deficit hyperactivity disorder would not be funded unless researchers could present a controlled way to study how the therapy takes effect. 「この動向は、まさに鳥肌が立つようなものだ。Inselが注意喚起しているのは、NIMHが現在支援している臨床治験の半数以上が、新たな要求水準では資金提供を受けられなくなることであり、少なくとも(それらの臨床治験は)何らかの変更を余儀なくされるだろうということである。例えば、注意欠陥多動性障害(ADHD)といった定義範囲が広い不調を持つ子どもにおける行動療法の効果を測る方法として、注意持続時間の変化に焦点を当てる臨床治験では、研究者が治療効果がどうであるかを研究する、コントロールされた方法を提示しない限り、式年所は為されない。」 >(2)It is becoming increasingly apparent that the optimal placement of and frequency used by such devices to stimulate neurons may differ from person to person (see page 290). >Critics will argue that the NIMH has exchanged a difficult problem — treating mental illness — for an even more challenging one, understanding the brain. >このこと(DBSのうつ病患者に対する実験が先日失敗に終わったがその実験の内容がDBSの装置が不具合があったのかあるいは対象とした母集団がそもそもこの実験系にマッチングする患者ではなかったのかという謎を科学者たちの間で残したまま幕引きした実験)は、ニューロンを刺激するこれらDBSの装置によって得られる最適位置やその電気刺激頻度が個人の間で異なるのではないかという考えをあきらかに増加させるものとなった。 批評家はNIMHの方針が精神病の治療はただでさえ脳内の解明は難解なものなのにさらにややこしくしやがったと非難している。 「このような神経細胞を刺激する(深部脳刺激の)機器が、どのよう配置が最適なのか、どのような周波数が効果的なのかが、個々の患者で異なっているということが、次第に明らかになってきている。批判者は、NIMHが精神疾患を治療することを、脳を理解するというもっと困難なことにすり替えてしまったと非難するだろう。」 >Critics will argue that the NIMH has exchanged a difficult problem — treating mental illness — for an even more challenging one, understanding the brain. >のちゃんとした訳がわかりません。 exchange A for B「AをBに置き換える」という構文ですが、A、Bが言い換えの挿入などを用いて長くなっており、読みにくい感じになっています。 >(3)A project called the Research Domain Criteria, which the NIMH is developing, places patients on a matrix on the basis of both their symptoms and biomarkers such as brain activity. >研究領域基準と呼ばれるプロジェクトはNIMHが開発中の計画だが、これは脳内活性のような症状や生体標識の両方の手法に基づく基盤を患者に与えるものとなる。 「研究領域基準(RDoC)と呼ばれるプロジェクトをNIMHが策定中であるが、それは患者の症状と、脳活動などのバイオマーカの双方に基づく基礎の上に、患者を位置付けるというものである。」 研究領域基準(RDoC)はウィキペディアでも簡単な解説があります。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%94%E7%A9%B6%E9%A0%98%E5%9F%9F%E5%9F%BA%E6%BA%96 自覚、他覚とも主観的な面が強い症状という視点と、バイオマーカといった客観的なデータの視点、双方から判断するようにしていく計画があるということでしょう。米国の精神科診断基準(DSM)は症状をリスト化して診断していくという、いわば機械的な方法になっていますが、まだバイオマーカの併用などは盛り込まれていないようです。予算配分などで、データに基づく客観性を強化していく、といったことのように思えます。
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このご質問の一つ前のものから。 >(1)One can quibble about statistics and diagnostic standards, but the bottom line is that neuropsychiatric disorders account for one of the greatest burdens of disease in the developed world, yet patients are not receiving the help they need. >この二つの状況に対する一つの答えとして、統計学的もしくは診断基準においてという屁理屈を述べることは出来るが、それは先進国における莫大な数の疾患のうちのたった一つである神経的精神疾患をその定義で説明するということは、患者には手助けになるものはまだなにもないというということだ。 「統計データや診断基準(=米国の話なのでDSMか?)にあれこれ難癖をつけることはできるだろう。しかし、神経精神的な不調が先進国では疾病の中でも最も重荷であるにも関わらず、患者は必要な支援を受けていないことが結論されるのだ。」 >but the bottom line 以降の訳が分かりません。 その部分は、yet patients ~をどう扱うかが悩ましいところです。the bottom line is that ~のthat節の中にyetがあるとすれば、上記の訳例のようになります(結論の要点は支援を受けていないということ)。that節の外だとすれば、「結論としては精神疾患が最も重荷ということだが、それでも患者は支援を受けていない」旨になります。 どちらとも取れますし、どちらで解しても問題点として「支援を受けていない」は同じですが、個人的にはthat節の中にyet patients ~としたい感じがしたので、上記のように訳してみました。 >(2)Our understanding of mental-health disorders, the firms realized, is insufficient to inform drug development. >精神衛生にかかわる疾患の我々の理解とそのために実現化された製薬会社の存在がないという原状は新薬開発の情報が不十分であるということを示している。 「製薬会社は承知していることだが、精神衛生上の不調に関する我々の理解(・知見)は、治療薬開発に寄与するには(未だに)不充分であるのだ。」 >the firms realized の訳がどう扱えばいいかわかりませんでした。 understandingにかかる非制限用法の関係詞節で、関係代名詞が省略されていると考えればいいかと思います。挿入句でit=understandingが省略されたと考えても可でしょう。 >手前で、1990年代初期に今日汎用される精神疾患用の薬品の分類がごく一部だが扱われるようになった。ほとんどが運のようなものだが。しかしそのパイプラインは現在は枯渇している。なぜなら精神疾患の薬品の効果における精密検査では、利用価値(精神疾患に効く)薬品がいかに作用しているかが分からないままであった。(つまり認められた薬品は精査してみたら特にこれが精神疾患に作用する!!というエビデンスは得られなかった。) という文章のあとに(2)が続いています。 正確に把握されておられると思います。文の順序が前後しますが、その結果として、受けられる治療が機能していないという、見た目は単純な問題が起こっているということでしょう。 >(3)Thomas Insel announced that the agency will no longer fund clinical trials that do not attempt to determine a drug or psychotherapy’s mechanism of action (see page 288). >Tomas Insel は当局は当該疾患の精神治療の機序やそれを標的とする薬品だと確かめないで行われている治験に対してこれ以上投資することができない。と述べた。 「Thomas Inselは、当局としては治療薬の機序や(脳)活動の精神治療の機序を明らかにしようとしない臨床治験には、これ以上は資金提供できなくなるだろうと述べた。」 1>適当な薬を投与してみたり、こんな実験もあるみたいだからやってみたら実際患者がよくなったよ。というような、エビデンスに基づいたり作用機序が同定されてるから治験してみたというようなものではない手当たり次第の実験には金はださんよ。 2>もうお金はない。だからエビデンスに基づいていない研究だからという理由だけで実験が妨げられてしまう。。。と悲観しているのか考え出したら不安になりました。 >前者の立場の解釈でいいんでしょうか。 この英文の続く一文を読んでみて、さらにリンクされた記事をざっと見てみた感じでは、そのようです。1のほうですね。 否定語による逆接が二つあるので、各々の否定語がどこまでを否定しているかといった、二つの否定語の関係がちょっと読みこなしにくいのですが、思い切って動詞だけを否定すると考えて意味を解するのも一つの手です。 Thomas Insel announced that the agency will [no longer fund] clinical trials that do [not attempt] to determine a drug or psychotherapy’s mechanism of action (see page 288). 書き言葉ではnotを省略形にしないということはあるんですが(さらに、他の否定語だと省略形がない)、do not attemptは普通は[do not] attemptと代動詞(助動詞)を否定すると考えますが、本動詞を否定するdo [not attempt]のこともある、とされています。 代動詞・助動詞か、本動詞かで、若干ニュアンスが異なってしまうんですが、大枠的な意味は変わりません。ちょっと判断しづらいときに、援用的に否定語が本動詞のみを否定していると考えてみて、代動詞・助動詞を否定していると解したときの意味と比較してみてもいいのではないかと思います。 P.S. 以前にプラセボ効果に関する記事をご質問になったことがあったかと思います。偽薬でも高い効果をもたらすことがある、ということが含まれていました。それをこの記事に重ね合わせてみると、いい加減な治療薬開発が罷り通りがちである状況(≒これを飲んで症状が改善されたんだから、これが効くってことじゃん)を推察する一助になるような気がします。
お礼
いつもご指導ありがとうございます。また御盆にも関わらずこうしてご指導を賜れること幸いです。 私は相も変わらず図書館で淡々と勉強をしているのですが今日は図書館が閉まっているのでスタバでオンラインにしてご指導を賜りました内容を拝読しております。 以前に「精神病」という定義が一番複雑であるにもかかわらずもっとも簡単に医師が患者に対して出してしまう言葉だということを補足の文章を拝見して想い返しました。 現代病でもある事実と共に神経性の精神病はわかっていないことだらけだからこそ逆に定義がなされていないが最大の治し方の一つにプラセボだとかの擬似的療法があるしそれに寄付金が全く出されないのはそれはそれで問題である。ということを言いたい一方で、脳内の神経回路の定義を行おうと運動が進んでいる中でこういうエビデンスに基づく研究が大きな恩恵を生む結果にもなるということをいいたいのではないかなと推察するまでに至りました。 本当にいつもご指導ありがとうございます。
お礼
いつも丁寧極まりない補足説明ならび間違いのご指摘本当にありがとうございます。 exchange A for b のご説明もご指導の内容を拝読しているときにそうだった。。。と時すでに遅いひらめきを受けました。 本当に落ち着いて読めばいいものをパズル化して読みにくくしてしまっている文章をこうしてどうやれば読みやすいかという手法をご指導くださりながら訳のご教授を賜れること嬉しく存じます。 やはりNIMHの核心的で革新的である政策はきっと分子生物学的にはかなりの恩恵をもたらすのでしょうが現状の精神疾患者のためにオンゴーイングで研究をしている人たちはかなり手厳しい現状を強いられそうですね。 お陰様で内容を理解できました!!