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香炉峰の雪

中宮定子が清少納言に「香炉峰の雪ってどんな感じでしょうね?」と問いかけたところ 清少納言は御簾(すだれ)を揚げて見せた とあります 白居易の「香炉峰の雪は御簾を上げて見る」という故事に倣ったとの事ですが この定子と少納言のやり取りは実話(少なくとも信憑性のある資料などに残っている)でしょうか?

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noname#202067
noname#202067
回答No.1

枕草子はその成り立ち自体がなかなか珍しい随筆です。 というのも、「権力争いの敗者」の側から書かれた、「政争に敗れはしたが、こんなに素晴らしい人たちだったのですよ」という随筆ですので、 この枕草子の記述をすべて「歴史的な事実である」とは言い切れないところではあります。 枕草子は単なる「働く女性の日常をつづった随筆」ではなく、政治的な意図が込められたものであるので、 中宮定子のことを美化し、藤原道長を貶す内容になっている事は否定できません。 ですから、「香炉峰の雪」のエピソードも、存在しなかった可能性は大いにあります。 枕草子と同時代の資料がなかなかないので、 (紫式部日記における清少納言への言及も、二人は面識がなくさらに対立側から書かれたものなので、全面的には信用できません) 「実話である」とも「実話でない」とも断言はできません。 ただ、中宮定子について書かれ、また当時の生活の様子や価値観を詳細に描き出し、また文学的価値も非常に高いことから、 「実話ではないかもしれないが、おそらくそういった雰囲気だったのだろう」というのが一致した評価です。 権力者側(藤原道長サイド)からの視点と、敗北者側からの視点(枕草子)を合わせて見ると実情に近づけるわけですね。 歴史と言うのはあくまで帰納的に導き出される物ですから。 ですから、「絶対に事実だ」とは言えないけれど、「そういった話があっても不思議ではない雰囲気のサロンだった」という認識で良いと思います。

azuki-7
質問者

お礼

ありがとうございました

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