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清少納言の枕草子からの質問
- 清少納言の枕草子からの一節について質問です。具体的には、文章中の動作の主語や読み方について知りたいです。
- この質問では、清少納言の枕草子から引用された一節についての疑問があります。具体的には、文章中の動作の主語や読み方について教えてください。
- 枕草子からの一節について質問があります。文章中の特定のフレーズの主語や読み方について詳細を教えていただけますか?
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こんにちは、昨晩に続き『枕草子』第299段のご質問ですね? この段落は清少納言が宮仕えしていた時のエピソードの一つです。ざっと訳して見ますと次の様になります。 【原文】 雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子参りて、炭櫃に火おこして、物語などして集まり候ふに、「少納言よ、香炉峰の雪、いかならむ」と、仰せらるれば、御格子上げさせて、御簾を高く上げたれば、笑はせ給ふ。 人々も、「さることは知り、歌などにさへ歌へど、思ひこそよらざりつれ。なほ、この宮の人には、さべきなめり」と言ふ。 【訳文-TANUHACHIバージョン】 雪がたいそう降り積もっている日のことだった。いつになく御格子(=雨戸)を下ろしたまま火鉢に火を起こして、同僚の女房達が「ねえ、あの話題の本、読んだ?」と茶飲み話などをして就業の準備をしていたその時、中宮定子様が、「少納言や。香炉峰の雪は光景かしら?」と仰るので、雨戸を上げて簾(すだれ)を上げたところ、中宮様はにっこりとなさった。 他の同僚達も、「そんな漢詩(白楽天の作品「遺愛寺の鐘は枕を欹てて“=そばだてて”聴き、香炉峰の雪は簾を掲げて看る」)は誰でも知っているし、歌ったりもするけれど、あんたが実際にやるとは想像もつかなかったわ。やはりこの中宮様のサロンに勤めるなら、こうじゃなくちゃね」と口々に私を囃し立てた。 との自慢話の一節です。 従ってご質問にある (1)「高く上げたれば」 (2)「笑わせたまふ」 (3)「言ふ」 のそれぞれの主体は順番に (1)清少納言 (2)中宮定子 (3)同僚達 となります。(1)に関しては、読み方によって「清少納言の同僚の一人」との解釈も成り立たないではありませんが、敬語が用いられていないことから、清少納言と理解することが妥当でしょう。 (2)は四段活用動詞の「笑ふ」に「尊敬の接尾語である『す』」が付き、そこに「尊敬の補助動詞『給ふ』」が付いた形です。 また『枕草子』には独特の敬語法がありまして、それはしばしば「二重敬語」と呼ばれます。対象とされるのは天皇(帝)・中宮定子・藤原道長の三人だけですので、二重敬語である可能性が感じられる場合は注意が必要です。 そして古文の「敬語」を理解するには、「そこに登場する人物」を全て抜き出して、作者との関係・地の文との関係を図で書いてみると分かり易くなります。誰から見ての尊敬表現や謙譲表現であるかは図でみれば一発で理解することも可能ですので一度試してみて下さい。 最後に「香炉峰」これは「こうろほう」と読みます。古典ではこうした漢文の知識も必要ですので、時々漢文(または「中国の古典」の単元)を読み返してみて下さい。
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- bluestorm666
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(1)、清少納言 (2)、宮(中宮定子) (3)人々(後宮にお仕えしている女房その他) 香炉峰=こうろほう この段は、中宮にお仕えしている清少納言が、漢文学の知識と機転のきくところを発揮して、中宮をはじめ、周囲の人たちから賞賛されたエピソードです。 中宮は、雪で寒いために部屋が閉め切ってあって、でも、ちょっと外の景色がみたいわ、雪がどれほど積もっているか見たいわ、と思ったのでしょう。そこで、漢文学に詳しい清少納言をちょっと試すようなつもりだったのか、『香炉峰の雪」という、漢詩の一部を口に出したのです。『香炉峰の雪は簾をかかげて見る』、つまり、『簾を上げて、私に外の雪を見せてくださいな』という謎かけです。清少納言はそれを聞いてピンときて、中宮の期待通りにしたため、中宮が喜んで笑った、ということです。 古文では主語が省略されていることが多いのですが、枕草子では、特に敬語の使われ方に着目しましょう。この段では、天皇や中宮の父、兄、弟など、また、他の殿上人なども出てきませんから、(2)のように二重敬語が使われている動作の主体は中宮以外にはいないと分かります。(1)は、話の展開上、これを書いた人がその行為をしたと判断できます。(3)は、「 」を挟んで、前に主語、後ろに述語、という構文である、と気がつけば分かるはずです。
お礼
2回連続ありがとうございます 教科書からは読み取れない資料です ぜひ活用させていただきます