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なぜ日本人は「びっくりした」と返すのか?
- 日本語が母国語ではないアメリカ人の立場から、日本人が「びっくりした」という表現を使う意味・用法・語感について質問します。
- 日本人との会話で実際にあった状況を元に、日本語と英語の返し方の違いを示しました。
- 「びっくりした」という言葉がなぜよく使われるのかについて、理由がわからないため質問しています。
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#12です。 >また意味としても、感覚の落差をしめすていどのもの、という説明に納得しかけていましたので、このご回答で、またループしてしまいました。 : 日本語では「物事の様子を音の連続や変化で多様化させて感覚的に言い表す言葉」が実に多いものです。 これは一般に擬態語を指していますが、実は日常会話において最も多いのは「感動詞文」なのです。 例文: 「あっ(間投詞)、なあんだ(連語=代名詞「何(なん)+断定の助動詞「だ」)。イヤー、ビックリした(サ変動詞の完了形)。」 このように、女性の場合「アアー、ビックリした…。」とわざわざ言い回すことで、内心の動揺を表明しつつ、自身の感情の沈静化を図っているのです。しかも、そのような感情の流れをあえて露出させた表明の仕方を通じて、相手(聞き手)に対しての「内輪(うちわ)」としての親近性の表白ともなっているのです。 これが男性の場合なら「イヤー、よかった。一瞬あせったよ…」あたりになるでしょうか。 ソフィとジョーの会話のような実利的・合理的にして両者対等な応答形式に進むようなメンタリティーが思いつかず、もしくはそれではドライ過ぎると感じる側面もあってか、日本語においては感情的・感覚的な言葉の応答語を多用することで相手(聞き手)との距離感を調整する便利なやり方と言えるかもしれません。 参考: 「細君はたった一言ひとこと「まあ!」と云ったがそのまあの中(うち)には驚ろいたまあと、気を悪るくしたまあと、手数(てすう)が省けてありがたいと云うまあが合併している。」(夏目漱石「吾輩は猫である」) ですから、女性に多い「アー、びっくりした。」は一般的な構文でのそれではなく、この漱石の「まあ!」のように会話の中に挿入された「感動句」や「感動文」であり、それが通り一遍の応答「Oh I didn't know that. Good.」といった素っ気ない調子でトントンと進めないで、あえて感情表現を挿入することがより会話に意味の多様性と親近性が加味されるという意識があるものでしょう。 男性の場合はそれほど複雑でもなく、「イヤー、よかった。」に「一瞬あせったよ…」を追加させている程度の感情表白態度として、いわば「御愛想(おあいそ)」か「照れ隠し」程度に留まっているわけです。 そして、このように多様な、あるいは多義性を込めた感情表現の多い日本語の根底にはベネデクトの分析のように「恥の文化」が横たわっているのかも知れません。 とまれ、今回の日本の女性が口にした「びっくりした」には、漱石「猫」の奥さんの「まあ!」同様に、「驚き」と「機嫌損ね」と「手間が省けた有り難さ」が「合併(同居・混在)」していると見てはいかがでしょう。
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- fxq11011
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何にびっくりした?。 実は、てっきり忘れているとばかり思っていたため、安心した時に発します。 びっくり、するだけで済んだ、実害を未然に防いだ。 >あぁ、そりゃ知らなかった。ならいいや したがって、言い換えるなら、あー、そりゃよかった、やれやれ、(おー、ベリーグッド)。 やれやれ=一時は一大事と思ったが、事なきを得た、やれやれ、これを一言で代弁すれば、「びっくりした」です。
お礼
わかりやすいご説明でした。ご回答ありがとうございました。 やれやれ,という気持ちの表現という事は理解できましたが、語調が、やわらかく「あ、ならいいわね」ではなく、はっきりとした口調で「ビックリした」という表現になることが、まだ理解できません。ほかのご回答者の方への補足にもかきましたが、職場の日本人のおおくがおなじ「ビックリした」返しになるのもフシギです。
- gldfish
- ベストアンサー率41% (2895/6955)
その会話の流れで「ビックリした」を使うのは、日本語でも一般的ではないと思います。理由は、英語の観点からと全く同じで「驚くほどのことではないとおもえる」からです。 もしそれでも「決まりコトバのようによく使う」と感じるのであれば、もう少し別の例は無いですか? その例文だと日本人の自分もちょっとピンと来なかったもので。 ケイコと台詞としては、「あ、そう」(了解)、「ありがと!」(感謝)、「あら失礼」(余計な注文をしたことへの謝罪)、「気が利くぅ!」(褒める)・・・辺りが一般的なんじゃないですか。 勿論、その人のキャラクターや状況によって、かなり幅はあると思いますが。ソフィが助言をほぼ100%実行しないようなかなりの鈍くさキャラなら「ビックリ!」もあり得るかもしれませんね。
お礼
早速のご回答ありがとうございました。「少し別の例」については、補足欄にかきます。
補足
補足します。 別の状況の例としては、書類の内容とか、とある事柄ついて、一方がたずね,相手から返事や説明があり、最初にたずねたことが誤解や勘違い、とりこしくろうだったことがわかった際に、「な~んだ」というだろうとおもうところで、「な~んだ、ビックリした」というセリフになります。質問にかいた例文モ、状況としては似てるとおもえます。 この「ビックリした」で返してくるひとは、わたしのまわりの日本人でふだん仕事での会話がある9人(女性6名+男性3名)のうち7名(女性全員+男性1名)です。この7人については、女性の年齢は20代~50代、男性は20代です。出身は東京・近畿・中国・四国地方とバラバラです。そのうち女性のかた1人に、今回の質問とおなじ質問をしたところ、ふだんあたりまえのように「びっくりした」と返していたことにはじめて気づいたそうです。しかしながら、なぜそういうのかについては、理由がわからないそうです。 ちなみに、「あ、ありがと!」「あら失礼」という返しになったことはありません。「やるじゃん」ならありましたけど。 それから、これらの状況例はすべてアメリカの職場でのケースです。
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お礼
再度のご回答ありがとうございました。今回のご回答でうかがった日本女性の心理表現と言葉遣いの説明が、わたしが経験した「ああ、びっくりした」の表現にもっともマッチしているとおもいました。わたし自身がこうした境地にたてるかどうかは、疑問符ですが、日本人の方々の感情表現の奥深さを、日本語が母国語でないわたしの立場でも理解でき、たいへん勉強になりました。
補足
お時間をくださりていねいにご回答くださった皆様には、あらためて心よりお礼を申しあげます。いただいたすべてのご回答が、とても参考になり、ためになりました。予想以上にたくさんのご回答をいただき、いくつもごていねいに再投稿まで賜り、恐縮いたしました。また機会がございましたら、ご教示くださいますよう、よろしくお願い申しあげます。 たいへんありがとうございました♪