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実数の定義について

昨日、大学の数学の授業で実数の定義を学びました それは、実数の集合は有理数のCauchy列全体のなす集合の同値類で、ここでのCauchy列の同値とは2つのCauchy列の差の極限が0になるというものでした ここで疑問に思ったのですが、この定義の仕方だと実数はCauchy列になってしまうのではないでしょうか それとも、ここでは数列と数を同一視しているのでしょうか

みんなの回答

回答No.5

No.4の方の回答はわかりやすいですね。 実数は、数直線上の点として直観的に認識されるものですね。 ただ、それをどう定義したり、構成するかは、いろいろあります。 実数の(公理的な)定義で、加法、乗法の諸法則や、順序や連続性、、、等の条件を満たす集合というのがよくあります。 有理数のCauchy列全体のなす集合の同値類が、その実数の(公理的な)定義のすべての条件をみたせば、実数の集合が構成できたということでOKなわけです。

noname#221368
noname#221368
回答No.4

 確かに自然数,整数,有理数だって、厳密には適切に定められた集合のラベルと言えますが、これらは常識的な(日常感覚での)理解も可能です。ところが実数の構成はいかにも人為的です。  なのであなたの違和感は、自然数,整数,有理数については、自然の中の自然な物理モデルが対応するのに、実数とCauchy列を同一視すると対応する物理モデルが見えない、といったところだと思います。じつは自分も最初は、ものすご~く不信感を持ちました。  でもCauchy列を用いた実数の構成は、対応する物理モデル(日常経験)をちゃんと反映したものなんですよ。自然数,整数が個数、有理数が等分割の物理モデルの反映であるように。例えば√2を考えてみます。  √2という実数は、明らかに現実世界に存在すると思えます。何故なら1本の線分をもとにして、定規とコンパスで直角2等辺三角形を、たやすく作図できるからです。ここで有理数までしか知らないとしましょう。√2を有理数で近似するとします。   √2=1.41421356・・・   (1) です。ところが「・・・」は、いつまでたっても終わらない事がわかります。また√2は有理数でないという証明まであります。そうすると√2に対して有理数で出来る事は、   a(n)=1×10^0+4×10^(-1)+1×10^(-2)+4×10^(-3)+・・・+β(n)×10^(-n)   (2) という数列をつくるくらいです。(2)のβ(n)は、√2の小数以下n桁目の数字を表しています(0~9のどれか)。問題は(2)以上の事が出来るのだろうか?、という点です。  (2)以上の事は出来ません。なぜなら(1)は循環しない無限小数で、終りまで見れる人は存在しないし、物理的な方法もないからです。にも関わらず(2)を数直線上に任意のnでプロットして行くと、定規とコンパスで作図した√2の位置へ収束して行く様子が得られます。また(2)は明らかに、Cauchy列です。  だから次のように考えたんです。   ・Cauchy列の収束先が実数を定義する.   (3)  ところが(3)には、2つ問題があります。まず√2に収束するCauchy列は(2)だけではない。(2)は10進展開ですが、例えば2進展開や8進展開もある。それに別にm進展開でなくてもいい。要するに、同じ値に収束するCauchy列の判定法を、数学は保証する必要がある、という事です。Cauchy列によってしか、実数を語れないのだから。  もう一つは、「Cauchy列の収束先が実数を定義する」と言ったって、実数をCauchy列によって定義した後でなければ、理論上は実数は存在しない事になり、一般的には収束先も存在しない。現段階では(3)は絵に描いた餅だ。 そうするとまず、収束値(極限値)の存在の有無に関わらず、2つのCauchy列が同じ極限値を持つかどうかの判定法が必要になります。どうしたか?というと、非常にわかりにくい事に・・・、   ・(2)がある値αに収束すると「仮定する」と、   ・「αがあったとして」、αに収束する全ての列はCauchy列である(当然).   ・同じαに収束する2つのCauchy列の、差の極限は0になる. を導けます。よって「差の極限が0になるCauchy列」=「同値なCauchy列」は、「同一の極限αを持つ」と言いたくなりますが、駄目です。何故なら、「極限αがあったとして」という制約が付きだからです。αはまだ定義してないんですよ。それで「同値なCauchy列」による、「同値類」を持ち出します。  やってみると「同値なCauchy列」は「同値関係」になり、「同値なCauchy列」という性質によって定められた「同値類」が、定義可能なのがわかります。同値類においては、それを定義する性質を、同値類の全てのメンバが共通に持っています。  従って「同値なCauchy列」による「同値類(Cauchy列の集合)」には、メンバ全ての共通性質があり、その共通性質が指示する同一対象が定義可能である事がわかります。しかし、その共通性質が指示する同一対象が、本当に存在するかどうかは、別の話です。しかしそれが可能なら、αの存在も(数学的には)保証されます。  だから造るんですよ・・・(^^;)。   ・「同値なCauchy列」による「同値類全体(これも集合)」が、実数全体Rという集合である.   (4)   ・個々の同値類のラベルは、例えばβとしよう。   ・同値類βの中の個々のCauchy列は、我々が実数βに対して行える、全ての計算結果を含む.   (同値類βから得られる情報は、現実にβから得られる情報と同じだ)   ・従って同値類βを、実数βと認めて良いはずだ.  ・・・こいつを、有理数集合の完備化と言います。ここで問題になるのは、(4)の定義によって、任意のCauchy列b(n)は本当に収束先βを持つのか?という事です。  じつはほとんど自家撞着的に自明です。b(n)はCauchy列なので、同値類βを定義します。そしてβ∈Rでした。βに属する任意のCauchy列c(n)とb(n)は、   lim(c(n)-b(n))=0 ⇔ lim c(n)=lim b(n))=β(そう定義したのだった) を満たします。  ・・・俺はそんな事を質問したんじゃない!、と思ったかもしれません。そうなんです。究極的な問題の本質は、じつは(3)にあります。  √2は確かに定規とコンパスで作図できますが、一般的に任意の無理数は作図できないし、代数的数ですらありません。それらに対して、(3)を認めて良いのだろうか?。  それは経験事実なんです。  数学は論理上の世界と思われがちですが基本的部分では、現実を反映したものでもあります。

  • funoe
  • ベストアンサー率46% (222/475)
回答No.3

個々の実数は、それぞれ有理数のCauchy列である。という理解はそれほど間違っていません。 実数「1.5」とラベルの張られた箱の中に「実数1.5の本質」が入っていて、 箱を覗くと、中に有理数からなるCauchy列がたくさん入っていて、それらはいずれも1.5に収束する数列である。 実数「√2」とラベルの張られた箱の中に「実数√2の本質」が入っていて、 箱を覗くと、中に有理数からなるCauchy列がたくさん入っていて、 それらの各項を2乗した数列はいずれも2に収束する。 (ヘンな書き方しているのは、雑に√2に収束するって書いちゃうと「√2って何?」と循環しちゃうから・・。 1.5の方は既に有理数として定義済みなので1.5に収束って書いても突っ込まれないと思う) 実数1.5の箱から適当に1本のCauchy列を選んで、 実数√2の箱からも適当に1本のCauchy列を選んで、 各項の和の数列を考えるとそれもCauchy列になっていて、 しかも、再度、それぞれの箱から適当に選びなおして和を考えたCauchy列と、 「差の極限がゼロ」になるから同値になる。 こうやって、1.5の箱と√2の箱から適当に1本ずつ選んで、各項の和をとったCauchy列を集めた箱には 「1.5+√2」というラベルを張る。 例えばこうやって、実数の和を定義するんです。 >ここでは数列と数を同一視しているのでしょうか  その通り!

  • rinkun
  • ベストアンサー率44% (706/1571)
回答No.2

> 実数はCauchy列になってしまう 普通の構成では、実数は「差の極限が0になるような有理数のCauchy列からなる集合」でしょう。 単なるCauchy列ではなく、Cauchy列の集合です。 > 数列と数を同一視 そもそも構成的にやると自然数からして集合になります。ここは同一視ではなく、数とはそういう形で定義されたものということですね。 # 集合論では、0={}, 1={{}}, 2={{},{{}}}, ...のような構成を行います

  • Tacosan
  • ベストアンサー率23% (3656/15482)
回答No.1

「数列の集合 (同値類)」に対する「ラベル」として実数を与える, と言ったらわかるかな? つまり, 「0 に収束する有理数列」というのはたくさんあるわけですが, それらを総称して「0」という名前で呼ぶわけです. もっと単純に言えば (数列ではありませんが) 「{ 1, 2, 3, 4, 5 } という集合に対して A という名前を付ける」ようなものです. 「実数はCauchy列になってしまう」とは, どういうことでしょうか?

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