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心理学グローバリゼーション
あるコメディアンのネタです。 沈み行く船で女性や子供を先にボートに乗せようとする船長が、各国の男性客に対してこう言ったそうです。 アメリカ人には『ヒーローになりたくないのか?』 イギリス人には『紳士ですよね?』 ドイツ人には『規則ですから』 日本人には『皆さんそうしてますから』 思わず苦笑でした。 数学や科学、芸術関係は比較的容易に国境を越えますが心理学ではどうですか?国際的に通用するものと、一部の国でしか通用しない、いわゆる『国民性』に関するものが存在するのですか? 国際心理学(?)、民族心理学(?)を学ばれた方の回答を特に期待します。
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実験心理学の祖であるW.ヴントが その後半生をかけた「民族心理学」という大著がありますが, これはいわゆる「安楽椅子の人類学」みたいなもので 心理学史家を除いてほとんど顧みられなくなっています。 また国粋主義と優生思想が支配的であった時代, 人種や民族による知的能力の差異を証明することに 血道をあげた研究者がいたことも事実です。 現代の心理学では さまざまな分野,テーマにおいて比較文化的研究がなされています。 とくに発達,社会,臨床といった分野では 文化的要因を考慮に入れることが 必須であるといってもいいでしょう。 また近年(といっても20年ほど前からですが), 文化的要因と認知・行動の関連性の解明を中心的課題とする 文化心理学という分野が立ち上がり注目を集めています。 もっとも 心理学のメインストリームは ヒトという種が共有する認知と行動のメカニズムの探求に 力を注いでいることに変わりはありません。 なお日本人の国民性については, 心理学にも造詣の深かった統計学者 故林知己夫氏による半世紀にわたる研究があります。 URLを参照ください。
お礼
なるほど、心理学はヒト全体の認知と行動の学問であるものの、やはり文化を加味して研究されている分野があるんですね。 科学も大戦時は破壊力のある兵器を求めた血塗られた時代がありました。やはりどの学問でも似たようなことが起こるんですね。 歴史を交え、詳しい回答、ありがとうございました。