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形式的形成訴訟の共有物分割訴訟について
民事訴訟法の形式的形成訴訟について、どなたか教えていただけないでしょうか? 私は、形式的形成訴訟の特徴として、処分権主義はないと思っているのですが、共有物分割訴訟は、訴訟上の和解が出来ると思っています。処分権主義がないというのが間違えているのでしょうか? それとも、共有物分割訴訟は、形式的形成訴訟ではないのでしょうか?
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共有物分割訴訟は形式的形成訴訟であるが、和解は可能。 >処分権主義がないというのが間違えているのでしょうか? そのとおりです。ある程度処分権主義が制限されているに過ぎません。 もし完全に処分権主義が存在しないとすれば、訴えの提起についても、当事者に委ねられることなく、検察官等が職権でのみ訴えを提起するということになりますが、それがおかしいことは、直感的にはわかるでしょう。 どの程度制限されるかについては、なかなか難しい問題で、ざっと書けば、そもそも形式的形成訴訟とは実体法上形成要件の規定を欠き、裁判所の合目的な裁量によって法律関係の形成をすることになるものです。 したがって、当該紛争を民事訴訟手続きにより解決するか否か、和解するか否か等の選択は当事者に委ねられているが、審判の範囲・限度については裁判所は当事者の申立て事項に拘束されずに裁判をすることが出来るから、その範囲で処分権主義が排除されているに留まります。
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- law_amateur
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民事訴訟法の教科書が手元にないので、正確には答えられないのですが・・・ 処分権主義というのは、民事訴訟において、請求に係る訴訟物と請求の範囲を自ら決定し、判決はその範囲でのみなされるという原則と考えられます。(用語法が必ずしも正確ではありません。) 例えば、原告が貸金を請求しているにもかかわらず、売買代金の支払を命じる判決をしてはならないとか、原告が300万円しか支払を請求していないのに、500万円の支払を命じる判決をしてはならないというのが、処分権主義の表れとされます。 他方、形式的形成訴訟において、処分権主義がとられていないといった場合、形式的形成訴訟においては、裁判所のする判決が、当事者の求める裁判の範囲に拘束されないということをいうものと考えられます。 そのことは、例えば、形式的形成訴訟の代表例である境界確定訴訟においては、当事者の境界の主張にかかわらず、裁判所は自由に境界を認めてよいとされ、場合によっては、協会を創設的に認めてもよいとされることに現れています。共有物分割訴訟においても、原告が競売分割を求めたとしても、裁判所は、代償分割を認めることができるという点に現れていると考えられます。 そうしたとき、形式的形成訴訟において訴訟上の和解ができないというのは、どう結びついてくるのでしょうか。「形式的形成訴訟だから訴訟上の和解はない」ということの理屈付けは、どのように構成しますか?。 確かに、形式的形成訴訟の代表例である境界確定訴訟では、訴訟上の和解はできないとされています。しかし、私の理解するところ、それは、訴訟が形式的形成訴訟であるからではなく、境界確定訴訟で形成的に確認される土地の境界は、公法上の境界であって私的処分を許さない性質のものだからというにあります。公法上の境界と所有権界が区別して論じられる意味がここにあります。 他方、共有物分割請求権は、民法の規定からしても、明らかに私権であり、訴訟によらなくても行使できる権利とされています。共有物分割訴訟は、共有物分割請求権を行使しても協議ができない場合に、裁判所が補充的・後見的に分割を行う制度とされています。この訴訟での訴訟物は、共有物分割請求権であり、その権利は、民法上明らかに協議の対象となる権利であり、これを共有物分割訴訟において和解の対象とすることに、何ら制約はないと思うのですが、どうでしょうか? 一般論として、訴訟の形式が私権の性格によって規定されることはありうることと思いますが、訴訟の形式によって私権が制約されることはない、実体法と訴訟法とは、そもそもそのような関係にあると思うのですが・・・
お礼
ご回答ありがとうございます。 「一般論として、訴訟の形式が私権の性格によって規定されることはありうることと思いますが、訴訟の形式によって私権が制約されることはない、実体法と訴訟法とは、そもそもそのような関係にあると思うのですが・・・] 確かに、普通の感覚だとそう思います。しかし、これが、処分権主義やら形式的形成訴訟やらと法律用語が出てくると、その言葉で、 形式がって、頭が混乱してしまいます。
- tk-kubota
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共有物分割訴訟は、形式的形成訴訟です。 共有物分割訴訟には、請求の趣旨として、3つだけです。 1つ目は、現物分割 2つ目は、対価を持分割合による分割 3つ目は、競売 です。 実務では、そのほとんどが、2つ目です。 しかし、その代償額で争えば、裁判所は3番目の判決しています。(その点が形式訴訟の所以です。) そのようなわけで代償額について協議し和解すれば、それはそれでいいです。 実務では、形式的形成訴訟であろうとなかろうと和解の勧告はあります。 処分権主義と言うのは、判決する才のことであって、その前段階では関係ないことです。
お礼
ご回答ありがとうございます。 処分権主義が判決の際のことであって、その前段階では関係がないとは、知りませんでした。
お礼
ご回答ありがとうございます。 よくわかりました。