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毛沢東の大躍進が失敗に終わった原因について
「餓鬼」など、大躍進にかかる本を読む中で、集団化して効率的に農作業をすること自体は、失敗の直接の原因ではないのでは、と思いました。 大失敗に終わった理由は、集団化そのものよりも、そこで採られた農業のやり方そのものだったのでしょうか。 以下のような因果を考えましたが、間違えておりましたらご教示下さいませんでしょうか。 1.そもそもトラクターなど大規模農業に必要な設備もなく、灌漑技術や適切な化学肥料など、農業にかかる基本的な知識が足りなかった。 2.そこをとにかく根性論でやらせようとした。 3.結果、不作となったが決められた通りの税を徴収されたために飢餓が発生し、ますます労働力として機能しなくなった。
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- orkney
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8です。 ちょっと説明不足と当方の勘違いがあったので補足&訂正 ルイセンコが発見した「栄養接木」について、 正確には「栄養接木雑種」というそうで、丈夫な苗木を育てるというより、「接木により新たな種を作り出せる」という考えのようです。ただし、農学の歴史上、接木雑種に成功したと言えるのはピーマンと唐辛子の雑種「ピートン」のみ。(これだってピーマンが唐辛子の一品種に過ぎないから成功しただけであって、新種作成とは言えませんが) いずれにしても「努力して獲得した形質が遺伝する」という発想は、社会主義国家にとって都合の良い考えであったために、毛沢東はそれを真に受け、そして地方からの水増し生産報告を信じきって何らの対策も打たなかった。この惨状にいち早く気が付いた彭徳懐の諫言を無視して批判・粛清。その結果として1500万人(一説には3000万人)もの餓死者。 乱世には曹操に匹敵する戦巧者の英雄だった毛沢東も、実務の政治家としては、現状を直視しないまま、諂諛の徒に踊らされた秦の二世皇帝胡亥のような存在になってしまったというところでしょうか。
- orkney
- ベストアンサー率32% (25/76)
質問者様のお考えでだいたい間違いではありませんが、 当時の社会主義国家にありがちな、いくつかのムチャクチャの累積というのもあります。 その中で僕が注目しているのが以下の二つです。 1.ノルマ主義 土法製鉄のような原始的な製鉄炉をあちこちで作らせて、農地が激減。しかも鉄鉱石なり砂鉄なりがそんなにどこでもあるわけではなく、各家庭の不要な鉄製品を供出させて粗鋼の生産ノルマだけはとりあえずクリアさせる。 けれど、農地をつぶしてまで作ったにもかかわらず、結果として出来上がった粗鋼の品質は当然使い物にならず。高炉の燃料に農地周辺の森林が乱伐されて自然の保水力がなくなり、農地も荒廃…… 2.トンデモ学説 スターリン時代のソ連でも同じなのですが、当時の中国は「ルイセンコ学説」と呼ばれる、進化論を社会主義的に解釈した生物学が行われていました。 ルイセンコの学説の中には、 栄養接木(例:スイカの苗をカボチャの根に接ぎ木することで丈夫な苗を育てる)や 春化処理(例:冬小麦を冷蔵保存することで春小麦に変性させる) など、実用的な成果もあるのですが、これは「獲得形質が遺伝したものである」と考えるなど、メンデル遺伝学を根本的に否定したうえ、超高密度に播種・密植させると収穫量が爆発的に増大すると考えるなど、無茶苦茶にもホドがあるような農業指導をしました。 結果として、農地は極端にやせ衰え、中央の幹部が視察に来れば、よそから持ってきた稲束をぎゅうぎゅうに詰め込んで「ホラ稲穂の上を歩けるほど実りました」とヤラセをして幹部の歓心を買うだけで問題の核心はほったらかしにするような事態を招きます。 そしてその結果、人民の勤労意欲が極端に低下、あとは推して知るべしです。 ちなみに、皮肉をこめて、「よくもまあ組織も指導者もいないのに労働者があれだけサボタージュできたもんだ」と感心している歴史学者もいます。
- Yelm
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不作となった理由は既に皆様が述べておられますが、数千万人にも上る大量の餓死者を出す事態を招いたのは共産党独裁体制による人災です。 質問者様は「不作となったが決められた通りの税を徴収された」とされていますが、実際にはむしろ例年より多くの食料を徴発されています。 なぜならば地方の共産党幹部達は「大躍進政策による素晴らしい成果」を求められており、その成果を達成できなかった幹部はよくて失脚、下手をすれば「反革命分子」として粛正されてしまいます。 このため大凶作でありながら各地の幹部は競うように「素晴らしい成果」を報告し、その水増しされた数字に基づき食料の提供を求められた為、農村部の食料は根こそぎ奪われ、それが大量餓死に繋がりました。 このような出来事は程度の差こそあれど、共産党独裁政権では共通する事態であり「絶対に正しい共産党の指示」によって国家が動かされる事の弊害なのです。
- eroero1919
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たいして詳しいわけではないので、話半分でお読みいただければと思いますが。 石田三成がいなかったからではないかなァ、と思っています。毛沢東は中国史に名を残す大政治家で優秀な革命家ではありましたが、おそらく経済に対してはひどく疎かったのではないかと思います。そして、彼の側近というのも、革命戦士としては優れていたかもしれませんが、学がある人はおらず(ソ連の大学に行ったってのは、ねえ)、いわゆる理系の人はあまりいなかったんじゃないかと思います。 豊臣秀吉の家臣団もそういう学のない人たちの集まりだったんですが、秀吉自身が学はないけど本質的に理系の人だったということ(田中角栄と同じですね)があり、後に石田三成を見出しました。大きな政権になると、それを下支えする理系の官僚的人物が必要であることを秀吉は分かっていたと思います。 理系抜きで、文系の人たちが結果だけを追い求めてしまったのでああいうことになってしまったんじゃないかしら。でも、ことが非常に重大なことですから、単純にああしてこうなったということではなくて、様々な政治的思惑やらなにやらが絡まってああいうことになったのでしょうね。
- hekiyu
- ベストアンサー率32% (7193/21843)
1.そもそもトラクターなど大規模農業に必要な設備もなく、灌漑技術や適切な化学肥料など 、農業にかかる基本的な知識が足りなかった。 ↑ 農業の知識も技術もない共産党幹部が指導した ことが誤りでした。 鉄などは鍋釜鍬を溶かせばいくらでも出来るだろう。 単位面積当たりに沢山の稲を植えれば、収穫も増えるだろう。 この程度の知識で農民を指導したのですから、失敗するのは 当然です。 その親玉が毛沢東でした。 人民は一人一人では無力だが、密集すれば強い力を 発揮する。 だから、農作物も密集してやれば、豊作になるに違いない。 これを密集農業と言いました。 2.そこをとにかく根性論でやらせようとした。 ↑ 何しろ、共産党の指導ですから誤りはありません。 間違っている、といえば、お前は革命精神が足りないとか 反動分子だ、ということになります。 3.結果、不作となったが決められた通りの税を徴収されたために飢餓が発生し、 ますます労働力として機能しなくなった。 ↑ それはその通りです。 尚、集団農業は、簡単に言えば農民のサラリーマン化です。 朝9:00から夕方5:00まで働けばそれで終わり、とはならない のが自然を相手にする農業です。 又、働いても、働かなくても給料が同じ、という社会主義も 農民のやる気を失わせました。 人民公社の幹部だけが潤う労働なんて、誰が真面目にやる ものですか。 自由農業を認め、農業を活性化したのは鄧小平の時代になってからでした。
- 441moe
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一言で言えば、指導者が農業に無知、に尽きると思います。 細かい傍証が証明しています。 擁護派からは違う見方もあると思いますが、多くの餓死者が出たのは事実のようです。
- tanuki4u
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故小室直樹さんなんかの分析だと 資本主義のエトスの上で共産主義が成功する と、マルクスは考えていたのに、 資本主義が萌芽状態でしかないロシアで共産主義をしようとしたので 失敗した。 とのこと。 中国はロシアよりさらに資本主義の成熟度合いでは低い。 資本主義のエトスって何よ?ウェーバーだなんだかんとなるんですが、小室さんは「複式簿記が分かるかどうかじゃ」と断言していたように記憶している。 単式簿記だと 生産しました はい終了になってしまうんだそうだ。 大規模農業というか、組合式農業っていうとアメリカの農業も大規模農業だし、サンキストは販売面だけど非営利団体だったりするものなぁ。
- PENPENMAKKY
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大躍進政策の失敗は農業単体のものではありません 製鉄事業 土法炉を中心とした原始的な製鉄で粗鋼の生産を試みた 結果 原材料も足りず、コークスその他の作り方も知らない素人が行ったために石炭を無駄に消費し燃料に木まで使用した。鉄鉱石や砂鉄も足りなかったのでまともな鍬や鋤など大事な農機具から食器まで村のありとあらゆる鉄が土法炉に放り込まれてしまい、まともな鉄製品が屑鉄となった。 結果として農業が手作業という原始時代に戻ってしまい、森を失ったため水も不足する事となった。 四害駆除 ハエ、カ、ネズミ、スズメを四害として徹底駆除を命じた。特にスズメは農作物を食い荒らす害鳥として徹底駆除された。 結果 スズメの駆除により農産物は食われる事が無くなったが、スズメはウンカやイナゴも食べていたためこれらが大発生する原因となった。ウンカ・イナゴの大発生により農地は壊滅した。 製鉄事業で農機具を失い、スズメの駆除により農業の天敵であるウンカとイナゴの大発生を招いた。 1.そもそもトラクターなど大規模農業に必要な設備もなく、灌漑技術や適切な化学肥料など、農業にかかる基本的な知識が足りなかった。 トラクターどころか鍬も鋤も無い原始人的農業に逆戻りしたんです 2.そこをとにかく根性論でやらせようとした。 根性論は関係ないかと 3.結果、不作となったが決められた通りの税を徴収されたために飢餓が発生し、ますます労働力として機能しなくなった。 先にも述べましたが、手作業による非効率な農業に加えて、スズメ駆除の弊害で発生したウンカ・イナゴによってペンペン草まで食い荒らされてしまったため飢饉となった これらは映像が残っているので観た方が良いですよ
大躍進の失敗の原因は集団化して効率的に農作業したことにありました。今年もっとも効率的だった農業は来年は凶作になるかもしれず、それを予測することは不可能です。文明が求めるのは最も良い一つのものではなく多様性です。人材に求められるものもある型の優秀な人材ではなく多様性こそが求められます。大躍進は仮にもっとも優秀な技術者を指導者としても、一時は良くてもすぐに負ける運命でした。それはウォークマン時代のSONYを完璧と信じ日本のすべての電機メーカーをSONYに統合していたらどうなっていたかという問題と同じです。もっともすぐれたシステムとは競争と淘汰であって、そのために求められるのは多様性です。