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金銭債権キャッシュフロー見積法とは?
- 金銭債権キャッシュフロー見積法について説明します。
- 質問文章では、特定の条件下での貸倒見積額を求めるための計算過程が示されています。
- 具体的には、将来の適用利子率を当初の約定利子率のままに据え置いた場合における貸倒見積額が計算されています。
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こんにちは。 日商簿記1級レベルでは、お金の時間的価値の考慮が必要です。 例えば、今ある10,000円と一年後に入手予定の10,000円とでは、その今時点での価値は異なります。 もし、現在のインフレ率が5%としたら、今ある10,000円と等価値になる1年後の金額は10.000円に5%をプラスした金額、つまり10,500円です。計算式でいうと、 10,000x(1+0.05)=10,500 です。さらに1年後では10,500に5%を加えた金額、つまり 10,000x1.05x1.05=11,025 となります。 それでは逆に1年後の10.000円や2年後の10,000円は現在のいくらになるのかを計算すると、 1年後は10,000÷1.05=9,524 2年後は10,000÷1.05÷1.05=9,070 となります。 こういう計算を割引計算といい、制度会計であれば退職給付会計・減損会計・資産除去債務・リース会計・債権債務における利息法(満期保有目的債券や社債など)、管理会計であれば設備投資における意思決定会計などに登場します。 さて、本問ですが、これは10,000円を年率4%で3年間の投資をしたと考えてください。現在は投資から1年後ですから投資期間はあと2年です。 この年率4&で得られるキャッシュフローが1年後400円、2年後10,400円です。これらの金額を現在価値にするために割引計算をします、つまり 1年後入手の分:400÷1.04 2年後入手の分:10,400÷1.04÷1.04 と。これらの合計が10,000円と等しいのは当然のことで、その現在の10,000円のうち、1年後に入手する分が385円で、2年後に入手する分が9,615円と言うわけです。 金銭債権におけるキャッシュフロー見積法を用いた貸倒見積額の計算は、当初の約定金利や約定期間を変更した場合のキャッシュフローの現在価値が、当初の約定におけるキャッシュフローの現在価値とどう変わるかを計算します。 例えば、当初4%だった約定利率が2%に変更することになったら、1年後の入手金額は200円、2年後は10.200円。4%の利率で運用するはずだったので、これらの現在価値は、 1年後分:200÷1.04=192 2年後分:10.200÷1.04÷1.04=9,430 となるので、2%へと約定利率を下げた場合の投資額の現在価値は 192+9,430=9,622円 となり現在的には378(10,000-9,622)円だけ価値が減少してしまうのです。現在的に見れば10.000円の価値だった投資が9,622円に減少しているので、この差額を貸倒見積額と考えるのです。 ここから先は、次のご質問の範疇の様なので、これまでにしておきます。