こんばんは。
ご質問の趣旨は、4つの例文の意味をお答えすればよい、という事ですね。
それでは、さっそくお答えさせていただきます。
1.申請は12月にかかります。
この文章は、
「何かを申請した事に対する答えをもらうのに、12月まで待たなければならない」
という意味です。
例えば、イベント会場の使用申請をした時に、
「使えるかどうか、答えは12月まで待ってください」
というような意味で
「使用可否の回答は、12月にかかります」
という文章を使う事があります。
2.申請は12月に至ります。
この使い方は、日本語として正しくありません。
「至る」という言葉は、時間ではなく場所に対して使う言葉ではないかと思います。
例えば、
「東京から横浜へ至る道」
というような使い方です。
「東京から横浜まで30分で至る」
という表現は、使いません。
3.申請は12月までです。
この文章は、
「申請を12月の間も受け付けてくれる」
という意味です。
受け付けてくれる期間が、12月を含んでいる場合の表現です。
「~まで」という表現は、「~」を含んでいる、と思っていただけるといいでしょう。
4.申請は12月までにです。
この文章は、3.とは逆に
「12月になる前に、受付を閉め切ります」
という意味です。
つまり申請の受付が、11月で終わってしまうことを意味します。
たった一文字「に」が入るだけで、全く正反対の意味になるので、大変ややこしいのですが、「~までに」と言われた(書かれていた)場合は、「~」は含まれない、と覚えておいていただけると、間違いが無いと思います。
ここからは、語学の勉強というよりは、実践的なアドバイスです。
日本人の悪い癖で、自分たち自身が3.の「~まで」と4.の「~までに」の意味を取り違えて使っている場合があるのです。
期間(期限)について「~まで」や「~までに」が書かれていた場合は、「~」を含むか含まないか、確認するほうが、間違いを防ぐことができます。
日本語は元々、言葉、というよりは文字の持つ意味だけではなく、その裏にある雰囲気のような物も汲み取って、総合的に判断しなければならない、とても曖昧な言語です。
良く言えば「察してあげる」心配りの言語ですが、外国の人々から「日本人は曖昧ではっきりしない。自分の意思を持っていない」という誤解を受ける、大きな原因でもあります。
その分、日本人と互角に使いこなせるまで習得できれば、より良く日本を理解することができるようになると思います。
お礼
ご丁寧に教えていただきありがとうございます。大変参考になりました。