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欧米の教科書に解答が無い理由
最近、経済学を独学している者なのですが、 欧米の教科書(クルーグマン、スティグリッツなど)を読んでおりますと、 章末問題は豊富なのに、模範解答が付いておりません。 これらの教科書は大学の学部生の授業で使えることを念頭に置かれているとは聞きますが、 その内容は、独習者向けを目指しているかのように、執拗なまでにきちんとクドクド解説してくれており、 その事と解答が無い事とが不釣り合いに感じ、奇妙に思えてなりません。 日本では付いていないと大変な欠点であると評価されると思いますが、 欧米の教科書では、付いていないのが普通なのでしょうか?
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お礼
重ねての回答ありがとうございます。 各学者の理論、確かにおっしゃる通りで一つの堅固な概念と過程があるのなら、それは学問ではなくただの術です。 その半面、納得いきかねるところもまだあります。 まず圧倒的少数派ではありますが、知名度のある初学者向けの教科書(あえて教科書といわせていただきます)には解答つきのものもあります。自分の確認した限りでは、マンキューは出版社のWEBサイトで解答のpdfファイルを公開しています(当然のことながら東洋新聞社は翻訳していません)。またヴァリアンのミクロ経済学も英語版では解答がありました(邦訳版では訳者が章末問題ごと省略し、簡便さを優先したと嘯いています)。 それに章末問題の半分以上は、たとえば「この需要・供給均衡状態の下では、消費者と生産者と、どちらの租税負担の方が重くなるか」とか「与えられた方程式の下では金利は上がるか下がるか」といった、明らかに答えが一つに決まる問題だと思います。 初学者向けの解説で理解した基本概念を確認する目的で、著者の用意した問題を考える時に、いちいち著者の学問上の立ち位置なんて初学者には考慮できません。 何故ならその基本概念・システムの大枠を追ったり、それらと既習の話題との関係を整理したりする段階にあって、初学者のやるべき事はまず各学者間の立場を越えて共通の理解を確実に得ている内容をまず学ぶ事だと思います。 それ故、おっしゃる様な論者の立ち位置云々といった精緻でこむつかしい話(本来なら初学者が扱うには準備が必要な話題)をするのなら、なおの事責任をもって自分の想定する解答を添えるべきだと思います。 ……私の見た限り、そもそも章末問題はテキストの内容を踏まえた上でその内容に乗っかって答えを用意するものな筈ですが、著者の考えによると解答者の学問的スタンスによって同時には成立しない解答が複数存在するのにテキストに載る問題なんて初学者向けのテキストにはないと思いますけどね。 あくまで私が話題にしているのは初学者向けのテキストなのですから。 私は経済学に限った話をするつもりではありませんでしたが、カテゴリーに学問全般というのが無いのと、自分が文学部卒の人間なので哲学・言語学プラス最近かじっている(学んでいるとは到底言えません)経済学しか例にあげられないので隔靴掻痒の観は否めないのですが、 結局大学教育での使用を念頭においていて、独習者は顧客の中であまり重視されてないのかな、と理解します。