- ベストアンサー
埋み火やまことしづかに雲うつる
加藤楸邨の句ですが、「雲移る」は「雲動く」、あるいは「雲流れる」といった解釈でよいでしょうか。 検索してみたのですがちょっとわからないので、お願いします。 「雲映る」ではありませんよね。 いや、可能性としてはあるか・・・、などと考えているところです。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
いかにも気になって寝付けない。 掛けていた褞袍(どてら)を羽織り直し、手炙(あぶ)りを寝床に引き寄せる。 既に灰で覆っていた燠火を火箸で起し、両手で蔽いながら口を近づけ静かに息を吹き込む。 燠炭は明(あか)みを増し、そのたび頬や口先に温もりがあたる心地よさに、ついついその上辺の白灰が静かに戦(そよ)ぎだす樣をじっと見つめているばかり。 まことに!そこには、静かに戦(そよ)ぐ一朶の白雲が写っているではないか。 「うつる [二]写る[移ると同源](2)元の形が、他の物の表面に、そのまま現われ出る。[よく写るカメラ](映るとも書く)」(「新明解 国語辞典」) 加藤楸邨における同興の句と思しきもの。 すゐとんや埋み火あかり頬にさす 火の中に入りゆく冬の雲一朶
その他の回答 (2)
- cxe28284
- ベストアンサー率21% (932/4336)
懐かしい情景ですね。大きい瀬戸物の火鉢に赤く燃えている切り炭がうずめてある。 そのそばで、毛糸を巻いたり、縫物をしている大人がいる。 日当たりのよい一枚ガラスの縁側の窓から庭の木にかかっている雲が見える。 女の子は毛糸の輪に両手を入れてじっと窓を見ている。大人(母か祖母)が毛糸を玉にしていく、 毛糸が玉になった時いつの間にか雲は木の枝から消えていた。 雲移るの言葉のまま受け止めたい感じがします。 テレビもパソコンもなかった時代、時の流れは穏やかで静かでした。 勝手な解釈ですみません。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >テレビもパソコンもなかった時代、時の流れは穏やかで静かでした。 : いや、確かにそうでしたねえ・・・。 ご回答の文章自体がひとつの随筆になっているように感じられました。^^ みなさん、非常に深い味わい方をなさっているので大変勉強になりました。
- bgm38489
- ベストアンサー率29% (633/2168)
埋み火とは、炉や火鉢の灰の中にうずめた炭火のことですね。勢いよく燃えるわけでもなく、かといって火が消えているわけでもない。静かに、火は生きている。それと、静かに動く雲のさまを同様のものだと比較しているのでしょうか。これはずぶの素人の意見。素人が批評するのはおこがましいか。 母親が俳句をやっていますが、僕の解釈通りだとしたら、内容がくっつき過ぎで駄目だといわれそうな。 漢字に直せば、雲移るでしょうが、平仮名の方が、味わいがありますね。 「雲動く」の解釈でいいでしょう。「まことしずかに」と言っているのですから、「流れる」はおかしいかな。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >静かに、火は生きている。それと、静かに動く雲のさまを同様のものだと比較しているのでしょうか。 : わたしも、当初、そのように解釈しました。^^
お礼
ご回答ありがとうございます。 わたしのより、この解釈のほうが遥かに興趣をそそりますね。 可能性として残しておいた甲斐があります。^^ そうですか、雲=白灰でしたか。 埋み火とはいえ、高熱の紅が白雲の下には隠されている(あるいは、かすかに透けていたりもするのか)わけですよね。 その上に「>静かに戦(そよ)ぐ」白き雲・・・ですか。 「同興の句」も興味深く拝見しました。 ありがとうございます。