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美術に詳しい方に
近代以前(ゼウス、アポロンの時代)の“模倣としての芸術”から近代の“再現前化・表現としての芸術へという芸術のあり方の大きな変化―芸術の根拠(作り手、作者が描く根拠、われわれがそれを見ようとする根拠)が、どのようなものから、どのようにして、どう変わったのかの変遷―を踏まえ、さらに、そのような変化がもたらした限界、ゆきづまり、現代的問題点を組み込みながら、あなたが絵を見、絵を描く根拠を、原稿用紙4枚書けと言う課題が出されました。 誰かお詳しい方、お手伝いお願いいたします。
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質問者が選んだベストアンサー
近代以前(ゼウス、アポロンの時代)というのはちょっと違いますね。近代の前は中世で、その前が古代です。ゼウスさんたちは古代の人?です。 まず、西洋美術では、古代(ギリシア・ローマ)は健康的で、中世になると不健康な暗黒時代で、ルネサンスで人間が復興して、近代で神が死んで、現代は科学技術が発展して、みたいな切り口で時代を考えます。 古代は、神様と人間が一体でしたので、人間が物事を見る目も淀みなく、写実にあふれていました。ギリシア彫刻を見てみましょう。人間なのか神様なのかわかりませんがとにかく健康的です。エーゲ海の青い海を思い浮かべましょう。 http://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%82%A2%E5%BD%AB%E5%88%BB&hl=ja&lr=lang_ja&tbo=u&tbs=lr:lang_1ja&tbm=isch&source=univ&sa=X&ei=1iMJUceKOIfDlQXq-IGADw&ved=0CDEQsAQ&biw=1821&bih=995 中世は、教会と王様が人をいっぱい殺した酷い時代です。人間はちっちゃくなって神様がデカいです。人間は悪いことばかりしているので簡単に殺されたりします。なんか構図も不自然で、歪んでますね。みんな死んでから地獄に行くのが怖くて、神様の絵を書いて一生懸命祈ってます。この頃は、ヨーロッパは西の辺境で、イスラム世界が科学でも文化芸術でもトップでした。 http://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%82%A2%E5%BD%AB%E5%88%BB&hl=ja&lr=lang_ja&tbo=u&tbs=lr:lang_1ja&tbm=isch&source=univ&sa=X&ei=1iMJUceKOIfDlQXq-IGADw&ved=0CDEQsAQ&biw=1821&bih=995#hl=ja&lr=lang_ja&tbo=d&tbs=lr:lang_1ja&tbm=isch&sa=1&q=%E4%B8%AD%E4%B8%96%E3%80%80%E5%AE%97%E6%95%99%E7%94%BB&oq=%E4%B8%AD%E4%B8%96%E3%80%80%E5%AE%97%E6%95%99%E7%94%BB&gs_l=img.3..0.100046.106664.0.107365.27.24.3.0.0.1.164.1828.20j4.24.0...0.0...1c.1j4.Y8fttubhYH4&bav=on.2,or.r_gc.r_pw.r_qf.&bvm=bv.41642243,d.dGI&fp=be11f1ebd820e93b&biw=1821&bih=995 次はルネサンス、人間復興の時代です。絵が明るくなりました。神様も、再び人間みたいに書かれています。みんな楽しそうです。 http://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%82%A2%E5%BD%AB%E5%88%BB&hl=ja&lr=lang_ja&tbo=u&tbs=lr:lang_1ja&tbm=isch&source=univ&sa=X&ei=1iMJUceKOIfDlQXq-IGADw&ved=0CDEQsAQ&biw=1821&bih=995#hl=ja&lr=lang_ja&tbo=d&tbs=lr:lang_1ja&tbm=isch&sa=1&q=%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AA&oq=%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AA&gs_l=img.3..0l9j0i5.235988.239893.2.240641.16.16.0.0.0.0.92.1118.16.16.0...0.0...1c.1j4.eW9_Eh45ZCM&bav=on.2,or.r_gc.r_pw.r_qf.&bvm=bv.41642243,d.dGI&fp=c5efd208c7f8db8f&biw=1821&bih=995 代表的なミケランジェロの彫刻を見てみましょう。 http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E3%83%9F%E3%82%B1%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%AD&lr=lang_ja&um=1&ie=UTF-8&tbm=isch&source=og&sa=N&tab=wi&ei=cyYJUenuEomNkwXdgYGwBw&biw=1821&bih=995&sei=dyYJUd75CIvQkgXAg4HoBg ギリシア彫刻に似てませんか?そう、ダビデ王が裸なんです。しかも、ちんちんが包茎です。割礼されていない姿、ありのままの姿、つまり人間が人間らしく生きることを否定した教会に挑戦しているというわけです。 実はこの頃、人々を苦しめていた教会(本当は人を救うはずだった)ってなんかおかしくね?ってことになって、プロテスタントという一派が生まれて来ました。彼らは、古代は人間が活き活きとしていて良い時代だったのに、キリスト教が権力化して世界が暗くなった!と異議を唱えました。 その背景は、貿易とかで儲けたお金持ちたちがどんどん増えてきたことです。彼らは、お金を儲けることがキリスト教の教義に反していることをもちろん知っていました。イエスのところにやってきた信心深いお金持ちにイエスは言いました。「金持ちは地獄行きだ!(大意)」彼はすっかり落胆し、すべての財産を捨て、ただ最後に残った一頭のらくだをつれて再びイエスを訪れます。「お前が天国に入るには、そのラクダが針の穴を通るよりも難しいだろう!(怒)」 お金持ちは、自分たちが神様から否定されるような行いをやってきたので地獄行きになるのがイヤなので、儲けても地獄に行かないよ派をつくりました。それがプロテスタントです(大意)。ついでに、人に金を貸しても利息を取っていいとか牧師が肉食妻帯OKとかにしてしまいました。そして、自分たちの思想を表現する芸術家にお金を与えてパトロンになったのです。 なんか自分勝手ですね。そう!自分勝手なんです。神様の下で小さくなって震えていた人間が、いつの間にか大きくなって好き勝手にやりだしました。芸術家も、名前なんて無かったのにだんだん個人の名前で活動したりとやりたい放題です。儲けてもよいよ、ということになると、みんな熱心に商売を研究しはじめます。1000年間もウジウジしていたのが嘘のようですね。 我思う故に我ありと喝破したデカルトは17世紀の人です。彼は教会の教義、そして神の存在照明をより補強するものであると長々と前置きして方法序説を書いていますが、明らかに疑ってますよねw人間が、神様の存在を証明するなんて、中世の人が聞いたらたまげてしまうでしょう。 人間が、人間を救うために作った神様に縛られて苦しんでいた中世から解き放たれ、自然というものを観察してそこから法則を導き出す、自然科学の始まりです。スコラ哲学という神様の教義を強化することを目的にしていた学問は、すっかり時代遅れになりました。なぜなら、人間が神様という桎梏から離れ、客観的に自然を観察したら、電気も、細菌も、微分積分も、重力も、実に色々なことが発見できたからです。 フランスでは、人権宣言なんてものが18世紀につくられ、人権は天賦のものであると人間が決めてしまいました。ちなみに、この時、一応神様を祀って人権宣言祭りをしたそうですが、そこに祀られていたのは至高存在という新しい神様です。すごいですね。 儲けてお金持ちになるという欲望が肯定され、神様とかどうでもよくて自然をありのままに見つめることができるようになったヨーロッパ人は、そのよどみない目を武器に、次々と発見と発明を成し遂げ、近代を乗り越えて現代にまで至る繁栄の礎を築きました。めでたしめでたし、というのが大きな西洋美術史の流れです(^_^;) 途中で疲れました。
お礼
長々と説明ありがとうございました。 助かりました。 課題頑張ります。