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古典文法

(1)春過ぎて夏来るらし白妙の衣干したり天の香具山    の「らし」の意味を選択する問題だったのですが、なんで答えが「推定」になるのかわかりません。   (2)笛をいとをかしく吹きすまして過ぎぬなり。  の「なり」の意味もなぜ答えが「婉曲」になるのかわからないです。 解説、よろしくお願いします。

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  • fumkum
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回答No.2

結論から言えば、(1)の「らし」は推定の助動詞。(2)の「なり」は婉曲でなく、推定の助動詞です。 (1)は「夏来るらし」の「来る」が少し難しく、普通は「くる」と間違えます。本当は「きたる」で、「やって来る」の意味の一語の四段活用動詞の終止形です。ですから、推定の助動詞「らし」の接続(終止形接続)と合致します。 推定の助動詞「らし」は、「目の前の客観的な事実を根拠とした推量・推定」を表し、「~らしい・~にちがいない」の意味になります。ここでは、「白妙の衣干したり天の香具山(天の香具山に真っ白な衣が干してある―天の香具山が最後にあるのは倒置法)」という目の前の事実・根拠から、「夏来る(夏がやって来る)」ということを推定しているのです。ですから、文法的にも意味的にも「らし」は推定の助動詞です。 (2)「なり」にはいくつも候補があって、助動詞であれば、断定の助動詞「なり」の終止形、伝聞・推定の助動詞「なり」の終止形。「~になる」の意味の四段動詞「なる」の連用形の「なり」。ナリ活用の形容動詞の終止形の活用語尾の「なり」です。「ぬ」の意味が打消でも完了でも、「~になる」の意味にはとれないので、動詞ではありません。また、形容動詞に「ぬなり」という語はありませんので形容動詞でもありません。(「なり」の後が句点(。)ですのでその前の単語は原則終止形ですので、連用形が「なり」である四段動詞は、候補から外れると考えた方がわかりやすいかもしれません) となると、残りは断定の助動詞「なり」の終止形(体言・連体形接続)、伝聞・推定の助動詞「なり」の終止形(終止形接続)のどちらかになりますが、ここで「なり」の上の「ぬ」が問題になります。「ぬ」には、打消の助動詞「ず」の連体形の「ぬ」(未然形接続)と、完了の助動詞「ぬ」の終止形の「ぬ」(連用形接続)の二つがあります。ここでは「過ぎ」が上二段動詞なので、未然形、連用形が同じ「過ぎ」なので、文法的に「なり」の識別はできないことになります。 つまり、文法的には、「過ぎ(上二段動詞の未然形)+ぬ(打消の助動詞の連体形)+なり(断定の助動詞の終止形)」でも、「過ぎ(上二段動詞の連用形)+ぬ(完了の助動詞の終止形)+なり(伝聞・推定の助動詞の終止形)」でも可能性はあることになります。 文法的に説明がつかないので意味的に識別します。「なり」を断定に訳すと「過ぎないのである(過ぎないのだ)」となり、「なり」を推定(伝聞)に訳すと「過ぎたようだ(過ぎたそうだ)」となります。「笛をいとをかしく吹きすまして」の部分は、「笛をたいそうすばらしく澄んだ音色に吹いて」の意味ですから、それから考えると、「なり」を推定と考えて「笛をたいそうすばらしく澄んだ音色に吹いて、(通り)過ぎたようだ」とした方が、「なり」を断定として「笛をいとをかしく吹きすまして、(通り)過ぎないのである(過ぎないのだ)」と訳すより、意味がつながります。ですから、「なり」は推定の助動詞ということになります。 以上のように文法的、意味的に識別する方法は基本的な方法ですので、他でも応用できます。 ところで、(2)の問題は答えと違っていますので、もう少し高度の説明をしておきます。「伝聞・推定」の助動詞「なり」は元々「音(ね)あり」で、それが縮約されて「なり」になっています。そのため、「音や声が聞こえる」が基本的な意味でした。それから派生して(1)「音や声から判断すると~のようだ」という推定の意味が、(2)「人に聞くところによると~ということだ」の伝聞の用法が生まれたとされています。ここでは、「笛をいとをかしく吹き」とあって、『「笛」の音から判断すると通り過ぎるようだ』の意味になるのです。 (1) の「らし」が「目の前の客観的な事実を根拠とした推量・推定」なのに対して、(2)「なり」は「聞こえている音を根拠とした推定」ということになります。 長々とした説明になりました。参考まで。

noname#174212
質問者

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質問内容がも違っていました。ごめんなさい。 「もとむ」といふことを「みとむ」なんどは、みな言ふめり。 文中の「めり」の意味が婉曲になる意味が分かりません。 本当にすみませんでした。

その他の回答 (1)

  • chmist
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回答No.1

 (1)高校レベルでは(というかおそらくそれ以上でも)助動詞「らし」の意味は推定しかありません。受験生なら暗記事項です。  (2)「なり」果たしかに迷います。連体形、または体言に接続する断定、存在の「なり」もありますが、この場合、過ぎぬの「ぬ」が、完了の助動詞「ぬ」の終止形ということから、終止形接続の「なり」となり、文脈からおそらく推定(そうでなければ伝聞)の「なり」です。どうして婉曲という答えになるかは知りません。「なり」に婉曲用法はないので、何かの間違いだと思いますが。

noname#174212
質問者

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質問内容がも違っていました。ごめんなさい。 「もとむ」といふことを「みとむ」なんどは、みな言ふめり。 文中の「めり」の意味が婉曲になる意味が分かりません。 本当にすみませんでした。