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活性化エネルギー

液体が流れるときに、構成分子は周囲の分子間力を断ち切って流動します。 このときの分子間力を断ち切るための活性化エネルギーは温度に依存するでしょうか。 宜しくお願いします。

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  • psa29
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回答No.3

macedo-litovitz hybrid equationについては、十分な知見がありませんので、式自体に対するコメントはできません。 粘性現象については基本的に密度は関係すると思います。 自由体積分率は密度と密接な関係があることは容易に理解出来ます。 アレニウス型でも本来は、密度が関係すると思いますが、Tgよりもかなり高温状態で、比較的粘度の低い材料を取り扱うので、密度変化を無視している(密度変化がないと仮定している)と理解すれば良いのではないでしょうか? 高分子材料では、主に粘性項が温度依存性を示すために、温度時間換算則が成立します。 熱レオロジー的単純性です。 温度変化の実験データーから、マスターカーブ(合成曲線)を作成し、シフトファクターを求めるときには、密度変化を考慮して縦方向に補正をします。 しかし、粘度の低いもの、十分に自由体積が存在し、アレニウス型のものは、密度変化による補正項が小さくなって、無視できる状況も多々あると感じています。 WLF型は、Tg付近からTg+100℃くらいが適応限界です。 アレニウス型は、Tg付近では成立しません。 これらの適応範囲の限界を超越し、より広い温度範囲での成立を目指しているのでしょうから、密度変化を無視できないWLF型の領域、つまりTg付近での温度変化による粘度変化を記述するためには密度を表現する項がないことが欠点であるとの質問者様の指摘は、当たっているように感じます。 しかし基本的に、この式に対する知見がないものが勝手に想像していると思って下さい。 レオロジーの本は、どんどん絶版になってしまっています。 フェリー高分子の粘弾性;東京科学同人 祖父江 寛  村上謙吉  高橋政夫 訳 ニールセン高分子の力学的性質 化学同人 小野木重治 訳 レオロジー基礎論  村上謙吉 著 化学者のためのレオロジー 小野木 重治 著 どれも名著だと思いますが、手に入りにくいと思います。

OMTOMC2311
質問者

お礼

丁寧な回答有難うございます。 とても勉強になりました。 知識のある方に回答して頂いてとてもうれしいです。 私は粘性とは関係ない研究をやっているのですが、この分野に興味を持ち、いつか論文を書いてみたいと思っていました。 回答者様に感謝します。 本は大学図書館を探してみます。 ありがとうがざいました。 また宜しくお願いします。 失礼します。

その他の回答 (2)

  • psa29
  • ベストアンサー率64% (150/231)
回答No.2

液体の流動に関して、流動の活性化エネルギーが温度変化に対し一定値を示す流動形態と温度変化に伴い活性化エネルギー自体も変化してしまう流動形態が存在します。 前者はアレニウス型で、後者はWLF型です。 アレニウス型の流動はアンドレードやアイリングの粘度式に従いますし、WLF型はドウーリットルの粘度式に従います。 詳しい話は、レオロジーの本を読んで下さい。 比較的、低粘度のものはアレニウス型、ガラス転移温度近傍での粘度挙動(粘度が高く、温度上昇で極端に粘度が低下する領域)がWLF型だと考えておけばよいと思います。 どちらにしても、温度上昇に従い、粘度は低下していきます。 アイリングの粘度式に於いて、液体分子が周りの分子を少し押しのけて、次の空隙に移動するためのエネルギーを流動の活性化エネルギーと説明していますので、分子間力を断ち切って、次の空隙に移動するエネルギーと考えてもまんざら外れているとは思いません。 その意味においても、活性化エネルギーは(アレニウス型では)温度に依存せず、温度が変化しても一定値を示します。

OMTOMC2311
質問者

補足

とても納得がいきました。ありがとうございます。 最後にもう一つだけ、質問させてください。 アイリングの活性化エネルギーを用いた理論、そして自由体積理論、この二つを組み合わせて粘度を表現するmacedo-litovitz hybrid equationというものを最近見かけました。 このhybrid equationの欠点は式中に密度を表現する項かないというものです。 質問は粘度式に密度を表現する必要はあるのでしょうか? 宜しくお願いします もしダメだったら回答に何らかのメッセージをお願いします あとなにかオススメのレオロジー、もしくは粘度についてかかれた本があれば教えてください。 メッセージがありしだいベストアンサーとさせてください。

  • Saturn5
  • ベストアンサー率45% (2270/4952)
回答No.1

まず、分子間力を切るエネルギーは活性化エネルギーとはいいません。 基本的には結合を切るためのエネルギーは温度に依存しません。 ただし、この場合は分子のエントロピーが増大しますので、 そういう意味では温度が高い方がわずかにエネルギー差が増えると思います。

OMTOMC2311
質問者

補足

回答有難うございます。 質問させていただいた分子間力を断ち切るエネルギーとは、『流動の活性エネルギー』でした。ご指摘ありがとうございます。 例えば流動の活性化エネルギーを調べる際にアレニウス型のアンドラーデの式を用いますが、この式では粘度と温度の関係を満足に記述できません。 これはつまり、流動の活性化エネルギーが温度によって変動するためだと私は考えました。 あと回答にあるエントロピー増大によるエネルギー差の増大ですが、確かにエネルギー差は増えると思うのですが、その増え方は線形的増加のため、活性化エネルギーは増えないと思うのですが、どうでしょうか。

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