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酸化膜厚の増加と活性化エネルギーの関係
酸化膜厚を測って活性化エネルギーを求めようと思っています. 縦軸を膜厚の対数,横軸を温度の逆数にとって 傾きから求めることは理解しました. ここで,温度の上昇によって膜厚の増加が激しいものほど 活性化エネルギーが大きくなる,ということでよろしいのでしょうか? 活性化エネルギーとはその反応を起こすのに必要なエネルギーと,理解していますが 酸化に必要なエネルギーが大きいほど酸化が進む,というのは・・・? と,いまいち理解に苦しんでいます. どこか勘違いしている部分があれば,教えてください.
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>つまり,高温で酸化しにくいものは,全て低温で少なからず >酸化している,という理解でよろしいのでしょうか? 違います。 >酸化の活性化エネルギーが大きいから酸化しにくく,そのため >高温になると大きく変化する,というのがなんとなくしっくりきません. 一定温度での話と温度変化についての話とを混同しています。 酸化しにくく…一定温度での話で、活性化エネルギーが大きいほうが酸化しにくいということ 高温になると大きく変化する…というのは温度変化した場合の話 反応の平衡値は温度によって変化する。温度が高ければ大きな値で平衡になる。 活性化エネルギーの大きなもののほうが、温度変化に対してその平衡値が大きく変化する。 >酸化に必要なエネルギーが大きいほど酸化が進む 酸化に必要なエネルギーが大きいほど高温時と低温時の平衡値の差(あるいは比)が大きい アレニウスの式は熱活性化過程を表していますよね。それは理解できていますか。 アレニウスプロットをすれば、その傾きから活性化エネルギーが求まる、というのはアレニウスの式そのものから明らかですよね。
>酸化膜圧変化が大きい試料のほうが活性化エネルギーが大きい 正しいですね。 >酸化しやすい試料が、酸化の活性化エネルギーが大きい これが誤りです。 酸化の活性化エネルギーが大きいから、酸化しにくい。ですよね。 だから、高温になると大きく変化する。 酸化しやすいものは、常温(低温)でも酸化が進んでいます。これを加熱しても、さらに酸化する余地が少ない。だから変化が少ない。 酸化しにくいものは、熱という助けをかりて、高温になるほどどんどん酸化するようになるから、大きく変化する。 活性化エネルギーは変化率といえます。絶対値でみると、活性化エネルギーの大きなものは、小さなものに比べて、低温域での膜厚の測定値が小さいと思います。高温になるほど、その差が縮まってくると思います。 同じような組成の試料であれば、1/Tが0になるところで一点に収斂してくるのではないでしょうか。(そうなるとは限りませんけれど) つまりグラフは、活性化エネルギーの小さなものの線のかなり下方の低温域から活性化エネルギーの大きなものが急な立ち上がりをみせて、その両者が高温域で交差するような形になると思います。
温度以外の条件を一定にして各温度での膜厚を測るわけですね。 そうするとアレニウスプロットで作成されるグラフはひとつです。 それが直線であれば、その現象はひとつの活性化過程で支配されていて、その直線の傾きが活性化エネルギーになります。 途中で屈曲点が現れると、低温と高温とで支配的な活性化過程が異なることになる…、というのは脱線で。 グラフが直線になれば、定まる活性化エネルギーはひとつです。 ですから、エネルギーが大きいほど…という議論ではなく、高温になるほど、そのエネルギーバリアを超えて反応することができるようになる(反応が進む)と理解すべきではないでしょうか。 トタン板が熱いほど、猫は高く飛び上がる、というか…いや、忘れて。
補足
回答ありがとうございます。 ちょっと説明不足のところがありました。 試料をいくつか作成して、 それぞれの活性化エネルギーを計算しようと思っています。 そこで、傾きから活性化エネルギーを計算するとなると 酸化膜圧変化が大きい試料のほうが活性化エネルギーが大きいことになりますよね。 酸化しやすい試料が、酸化の活性化エネルギーが大きい、 というのが上記の私のイメージする活性化エネルギーと合わず 何を求めているのだろう?と混乱してしまっています。
お礼
ご回答ありがとうございます. つまり,高温で酸化しにくいものは,全て低温で少なからず 酸化している,という理解でよろしいのでしょうか? でも,やはりまだ 酸化の活性化エネルギーが大きいから酸化しにくく,そのため 高温になると大きく変化する,というのがなんとなくしっくりきません. よく,化学反応で触媒を使って活性化エネルギーを下げていますが 高温で反応させる,という条件であれば 触媒を使わないほうが活性化エネルギーが大きいために反応がよく進む, ということでしょうか?