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加溶媒分解
カルボン酸とアルコールのエステル化反応って、見かけ上アルコールによるアルコリシスのようにも見えますが、これってそういう言い方はしませんよね?一般的にハロアルカンの時に使う言い方ですよね?
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簡単な様でいて回答に困る中々面白い質問ですね。 Julius さんも書いてられる様に,「加溶媒分解」の定義が問題になると思いますので,そこから始めます。 「化学辞典」(東京化学同人)によると,「加溶媒分解」は『求核的な置換反応の際に溶媒それ自体が求核剤となって反応する場合』だそうです。ですので,ハロアルカンに限りませんね。 これで「加溶媒」についてはハッキリしたかと思いますが,ここで問題になると思うのが「分解」です。先に私の考えを言ってしまえば,『カルボン酸とアルコールのエステル化反応』では「分解」が起こっていないため「加溶媒分解」にならないのではないかと思います。 では,「分解」の定義というか,私がどう考えるかですが,「分解」を「ある官能基が壊れる(無くなる)事」と言っておきます。ハロアルカンの反応であれば「ハロゲン化物」の官能基が無くなります。エステルの加水分解であれば「エステル」が無くなります。他も同様です。 では問題の『カルボン酸とアルコールのエステル化反応』です。この場合も「カルボン酸」が無くなる様に見えますが,「エステル」は「カルボン酸」が壊れたのではなく見かけが変わっただけと考えるわけです。つまり,「-COOH」の「H」が「R(アルキル)」に変わったものとの見方です。実際,エステルの命名は「alkyl carboxylate」でありカルボン酸の塩「ex., sodium carboxylate」と同じ形です。 また,「エステル → カルボン酸」が「加水【分解】」である以上,その逆反応の「カルボン酸 → エステル」も同じ「分解」と言うのはおかしな事になります。「分解」の反対であれば「生成」や「合成」と呼ぶのが自然に思えます。実際,「エステル【生成】」とか「エステル【合成】」って言いますし。 以上,全くの推測ですが如何でしょうか。ご意見頂ければ幸いです。
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- Julius
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アルコリシス(alcoholysis)という言葉自体は、別にハロアルカンの 分解に限って使われているわけでは無くて、 例えば酸クロや他のエステルからのエステルの合成や、 ニトリルやアミドの分解に関しても普通に使われます。 ならば、質問の内容である、「カルボン酸とアルコールからのエステル合成」 をもアルコリシスと呼ぶかとなると...余り自信はありませんが、言わないと思います。 結局のところこれは、加水分解(Hydrolysis)、アンモノリシス(Ammonolysis)など をひっくるめた加溶媒分解(Solvolysis)自体の定義の問題ですね。 手元のいくつかの辞書を調べる限りは、ソルボリシス自体の定義からは、 「カルボン酸とアルコールからのエステル合成」も 加溶媒分解に含まれても良さそうですが、 私の感触としては、脱離するものが水である場合は、 加溶媒分解という言葉を使わないと思います。
お礼
簡単なようで難しい質問ですよね~。 エステルの合成という観点から見れば分解では ないんでしょうね~。 ありがとうございました。
お礼
なるほど~。 さすがrei00さん、いつもお世話になってます。 鋭い読みですね。 納得しました。 ありがとうございました。