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エステルの加水分解とは?疑問に思っていることを解説
- エステルの加水分解について疑問を抱いています。通常、エステルはカルボン酸とアルコールに分解されるとされていますが、なぜ図1に示される構造のエステルは1種類の化合物のみを生成するのか疑問です。
- 通常、エステルは加水分解されると、2つのカルボン酸とアルコールに分解されると考えられています。しかし、図1に示される構造のエステルは異なる結果が得られることが示されています。
- 図2のグラフから読み取れるように、図1の構造のエステルの加水分解では、1種類の化合物のみが生成され、他の有機化合物は生成されないことがわかります。このような結果が得られる条件について疑問を抱いています。
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1: 必ずしも「エステルを加水分解すると必ず2つのカルボン酸とアルコールに分解される」ということはない. 1個の「エステル結合」を加水分解すると 1個のカルボキシ基と 1個のヒドロキシ基ができる, というだけ. 例えば「フマル酸ジメチル」は 2価カルボン酸であるフマル酸と 1価アルコールであるメタノールからなるエステルだが, 加水分解すれば 1個のフマル酸と 2個のメタノールになる. あるいは, ヒドロキシカルボン酸では自身のヒドロキシ基とカルボキシ基がエステルをなす結果, ラクトンになることがある. この場合, ラクトン部分のエステルを加水分解しても 1個の物質にしか戻らない. 2: 「どのような条件」といわれても困る.... 1個のヒドロキシ基を持つ 1価カルボン酸をモノマーにして重合すれば, 当然「加水分解して得られる物質は 1種類」となる.
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- gohtraw
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1.例えば酢酸エチル 1モルを完全に加水分解すると酢酸とエタノールが1モルずつ生成します。これは酢酸がカルボキシル基を一個、エタノールが水酸機を一個持っているからです。グリセリンは水酸基を3個持っているので3倍モルのカルボン酸とエステルを作ります。要はカルボキシル基と水酸基の数次第ということですね。この場合はHO-■-COOHという、水酸基とカルbキシル基を一個ずつ持つ化合物が単位とし、複数のHO-■-COOHが数珠つなぎになって一分子のエステルを作っているわけです。 2.問題のエステルを加水分解すると、-COO- のところに水が入り、-COOHとHO-という形になります。全ての-COO-が分解されると、生成するのはHO-■-COOHのみになりますよね。酸触媒では平衡になってしまうので、当量以上のアルカリを使うか、生成物を系外に留去するなどの操作が必要になるのではないでしょうか。
お礼
非常に分かりやすく説明して頂き、ありがとう御座います。 「エステル → アルコール + カルボン酸」といった誤った認識をしていたための誤解でした……。
例えば2-ヒドロキシ酢酸、■=CH2、HO-CH2-CO2Hが連なっていたときのことを考えて下さい。
お礼
ご回答ありがとう御座いました。
お礼
的確で簡潔に解答して頂きありがとう御座います。 > 必ずしも「エステルを加水分解すると必ず2つのカルボン酸とアルコールに分解される」ということはない. 1個の「エステル結合」を加水分解すると 1個のカルボキシ基と 1個のヒドロキシ基ができる, というだけ. この部分で納得致しました。唯単に、COO + H2O → COOH + OHになっただけなんですね。 今回は元のエステルが左にHO、右にCOOHとあったためにたまたま同一の生成物が連続した形になったと……