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回答No.1

本件は、「現金屋」(現金で取引する店の意)という商号で電気器具販売業を営んでいた被告が、その経営を廃止した後、その使用人が、同一店舗で従前の「現金屋」の看板を掲げたまま食料品販売業を営み、「現金屋」の商号等を使用して原告から食料品を継続して買い受けた事案について、原告が被告に対し名板貸人としての責任があることを理由に右代金の支払を求めたものである。  一審は、商号許諾の事実が認められないとの理由で原告の請求を棄却したが、原審は、黙示の許諾が認められるとして、一審判決を取り消し、原告の請求を認容した。 名板借人と第三者との営業上の取引によつて生じた債務をいい、営業上の取引自体から生じた債務のほか、その不履行による損害賠償債務、契約解除による原状回復義務など本来の債務が変じたものも含むが、特段の事情がない限り、その取引の業種については、名義使用を許諾された営業に関してなした取引行為にかぎられることを判断の前提とする。 しかし、本件は、その特段の事情として、「上告人は、その営んでいた電気器具商をやめるに際し、従前店舖に掲げていた「現金屋」という看板をそのままにするとともに、上告人名義のゴム印、印鑑、小切手帳等を店舖においたままにしておき、訴外Aが「現金屋」の商号で食料品店を経営することおよびその後経営していたことを了知していたこと、同訴外人は、本件売買取引の当時、右ゴム印および印鑑を用いて上告人名義で被上告会社の前身である合資会社鵜ノ木商店にあてて約束手形を振り出していたこと、上告人は、自己の営業当時、売上金を「現金屋」および上告人名義で銀行に普通預金にし、その預金の出し入れについて上告人名義の前記印鑑を使用していたが、訴外Aが食料品店を始めるに当たつて、同訴外人に対して自己の右預金口座を利用することを承諾し、同訴外人もこれを利用して預金の出し入れをしていたこと、同訴外人は上告人の営業当時の使用人であり、かつ上告人の営業当時の店舖を使用した関係にあつたというのである。このような事実関係のもとにおいては、訴外Aが、上告人の廃業後に、上告人の商号および氏名を使用して上告人の従前の営業とは別種の営業を始めたとしても、同訴外人と取引をした被上告人の前身鵜ノ木商店がその取引をもつて上告人との取引と誤認するおそれが十分あつたものというべきであり」として、被告の名板貸責任を肯定した。

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