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訴訟上の和解の性質ないし効力をいかに解するかについて見解の対立のあることは周知のとおりであるが、その点につきいかなる見解をとるにせよ、訴訟上の和解が一たん有効に成立した以上、その後、その和解の内容たる私法上の契約がその契約上の債務の不履行を理由に解除されるに至つたとしても、右和解による訴訟終了の効果には何らの影響をも及ぼさないとするのが、現在の多数説である。そして、その理由としては、主として、確定判決後に、その判決によつて確定された法律関係に変動が生じるに至つた場合でも、右判決による訴訟終了の効果には何らの影響をも及ぼさないのと同様であるとしている。 本決定も「訴訟が訴訟上の和解によつて終了した場合においては、その後その和解の内容たる私法上の契約が債務不履行のため解除されるに至つたとしても、そのことによつては、単にその契約に基づく私法上の権利関係が消滅するのみであつて、和解によつて一旦終了した訴訟が復活するものではないと解するのが相当である。」として通説の立場をとることを明らかにした点で重要である(調査官解説)