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中止犯の成立について

中止犯の成立について判例の見解をまとめるとどのようになりますか。理由と一緒にご教授願えれば幸いです。 (1)真摯な努力の要否 (2)懺悔の念 (3)中止行為と結果不発生との因果関係 (4)他人の助けがあった場合 (5)結果が発生した場合

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回答No.1

(1)真摯な努力の要否  大審院判例や最高裁判例において,「真摯な努力」という用語は用いられていない。ただし,結果不発生の為の一定以上の努力は必要としており,大審院昭和12年6月25日判決は,「犯人自身が結果発生の防止に自ら当たらないときは,犯人自身が防止に当たったのと同視するに足るべき程度の努力を払うことを要し,放火犯が,放火したからよろしく頼むと叫びながら逃げ去った場合,中止犯は成立しない」としている。  なお,下級審裁判例では,東京地裁昭和37年3月17日判決が「殺意を持って睡眠薬を人に飲ませたが,大変なことをしたと悟って警察官に通報し,被害者は病院に収容されて一命を取り留めた場合,警察官に対して率直に自己の犯行を告げるなど,救護措置に必死に協力し,その前後の態度も極めて真摯であったときは,中止犯が成立する」とし,大阪高裁昭和44年10月17日判決が「腹部を刺した被害者を自ら病院に連れて行ったとしても,犯跡を隠蔽しようとし,自分が犯人であることを打ち明け凶器の種類等を示すとか経済的負担を約するとかの救助のための万全の行動をとっていないので,中止犯は成立しない」としている。 (2)懺悔の念  「悔悟の念」の要否について,大審院判例・最高裁判例は言及していない。上記東京地判が,「大変なことをしたと悟って警察官に通報し」たことを中止犯成立の一要素として認定しているが,そのような念が無ければ中止犯にならないとは述べていない。 (3)中止行為と結果不発生との因果関係  判例は必要説を採っている。  大審院昭和4年9月17日判決は,「放火犯が,麻縄についた火を消そうとしたがなかなかうまくいかず,やって来た第三者の行為によってやっと消火に成功したときは,中止犯は成立しない」としている。 (4)他人の助けがあった場合  (1)(3)の大審院判例参照。 (5)結果が発生した場合  結果が発生したにもかかわらず43条ただし書を適用ないし類推適用した判例は見当たらない。

manoppai
質問者

お礼

詳細な説明をしていただきありがとうございます。とてもうれしいです。

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