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エラそうな二人称
使い分けを教えてください。 ・そなた 「そなたのもがり、いまどき古し」 ・そち 「そうし、そちは俗家なり」 ・その方(はう) 「ふん、そのはうは狩人か」 ・うぬ 「太兵衛より先、うぬを踏みたい」 ・なんじ、なむじ 「なむじらよくもてこずなりむ」 主に目下の者や同輩に用いるものだと思いますが、同輩には使えないもの、あるいは目上にも使えるものがあるのでしょうか? また男女別の使い分けがあるのでしょうか? よろしくご教授お願いします。
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日本語の構文では待遇表現を施すことによって、一般には代名詞は必要としていません。 年上・目上に対しては地位・役職名や敬称(様・殿など)を添えます。 家族同士では親族名称のみです。 あえて相手に対して代名詞を遣うことは、同輩や目下への尊大表現ともなります。 二人称「な」が基本ですが、指示代名詞系や敬称付加などでその待遇レベルはさまざまですし、しかも時代や事情によって、また表現の仕方によって大きくニュアンスが食い違います。 それは、男女の差でもしかりです。 「おまえ百までわしゃ九十九まで」の発話者「わしゃ」は妻で、「おまえ」は夫を指していますから、また「宅(たく)」の用法にしてもこの百年足らずで紆余転変しています。 1.二人称「な」系 1)対称…な(汝<自称「わ」由来) 2)反射指示…なれ 3)動詞由来敬意…いまし(<座ます) 4)形容詞由来敬意…なむち/なむぢ/なんじ(むち=武智=貴) 2.指示「そ」系 1)中称…そ(其) 2)反射指示…それ 3)方向付加…そち/そなた/そのはう(ち/なた/はう=方) 4)場所付加…そこ(こ=処・所)、そこもと(もと=許) 3.他称「あ」系 1)遠称…あ(彼) 2)反射指示…あれ 3)方向付加…あち(ら)/あなた(ち/なた=方) 4)場所付加…あそこ(あち+こ=処・所) 4.自称の転 一人称代名詞が自称名詞として再帰的に使われる用法の、再三転として他称の蔑視・軽視語の用法となったもの。 1)おの/うぬ…自称「おの(己)」の転 2)われ…自称「われ(吾/我)」の転 5.敬称(ほぼ同等で軽い敬意) 1)前…御前(おまへ/ごぜん) 2)主…ぬし、御主(おぬし/おのし/おんし) 3)許・宅…御元(おもと)、御宅(おたく) 4)貴…貴様、貴殿、貴公、貴方(貴男・貴女) 5)文字…そ文字(そもじ) 6)身…御身(おんみ) 7)下…貴下(きか)、足下(そっか)
お礼
kine-oreさん、こんにちは。 これ以上ない回答ありがとうございます。 よーく、理解できました。 若干、いや、けっこう心得違いしているものもあり、文章を書きなおしています。 ホント、助かりました。 ご回答ありがとうございました。