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DEAE交換基の仕組みを教えて下さい
タンパク精製の為に、下記(1)~(8)の手順でDEAEを使っています。 どなたかお教えいただければ幸いです。 質問1) 下記(1)~(8)の手順をそれぞれ実施した時に、 DEAE交換基はどうなっているのでしょうか。 質問2) (4)の平衡化では、 高濃度を流した後のカラム廃液のpHは10くらいです。 低濃度に切り替えてから、 カラム廃液のpHは、一旦8以下に下がってから8に戻るのですが、 これはなぜなんでしょうか。 ****手順**** (1) DEAE新品樹脂(20%エタノールスラリー)をカラムに充填 (2) 水で洗浄 (3) NaOH水溶液で洗浄 (4) りん酸カリウム緩衝液(pH8)(高濃度と低濃度の2段階)で平衡化 (5) サンプルチャージ、洗浄、溶出 (6) NaC水溶液で洗浄 (7) 水を通液 (8) (次に使う時は、(3)からはじめる) ************ 宜しくお願いいたします。
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- ryumu
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補足読みまして、再度考えてみました。 DEAEは弱陰イオン交換基なので、負電荷のリン酸と、互いのpKa値に依存した少し複雑な相互作用をするのでしょう。 以下、あくまで想像ですので間違っていたらご容赦を(汗) 補足の方の(1)ですが、新品の状態でDEAEの交換基にCl-が付いているのかどうか知らないのですが、もしCl-が付いているとしても、(NaOHで洗浄する前の)水洗浄の段階で、解離しているはずです。 むしろ、NaOH洗浄では、DEAEの官能基からH+を抜くことになるはずです。 NaOH洗浄: DEAE-H+ + OH- => DEAE + H2O その後、リン酸bufferに切り換えるとまず、官能基はまず抜けたH+を補給しようとするはずです。そして、その後、負電荷のリン酸分子(Pi)が結合すると考えられます。 DEAE-H+・・・Pi この後、リン酸の濃度が下がると、PiがDEAE官能基から解離し易くなり、 代わりに周囲にある水からOH-が結合し易くなり、 [DEAE-H+・・・Pi] + H2O => [DEAE-H+・・・OH-] + Pi + H+ となって、H+濃度が上昇し、その結果pHが下がる・・・というのは都合良すぎでしょうかね^^;
- ryumu
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あ、すみません。 質問の一部を見落としていました。 > カラム廃液のpHは、一旦8以下に下がってから8に戻るのですが これは、実pHが変わっているのですか? もしクロマト装置備え付けのpH電極で変化しているのなら、イオン強度変化が、電極に影響して見かけ上、変化しているだけだと思うのですが。 もし廃液自体のpHが(pH試験紙等で)変化しているのなら、すみません、ちょっと理由が分かりません(><)
補足
ありがとうございます。 若干詳細を補足させて頂きますので、気付きなど、なにかございましたら、 お教えください。 (4)の平衡化で、低濃度に切り替えてから、カラム容量の1、2、3、4、5、6倍量、…ごとに、 カラムから出てくる廃液をサンプリングして、 pHは卓上pHメーターで、電気伝導度は、ポータブル電気伝導率計で計りました。 電気伝導度は、3倍量くらいから、バッファーと同等になっていました。 一方pHはというと、通液量とともに下がり、一旦8以下に下がってから、8に戻りました。 電気伝導度は、イオン強度をみるつもりで計っています。 バッファーと廃液の値が同等であることを、平衡化終了の指標の一つとしています。 なので、電気伝導度は同等なのに、何でpHはなかなか一致しないのかが、どうしてもよくわからないので、困っています。 一つ気になるのが、りん酸緩衝液の特徴で、 りん酸イオンは、pHによって価数がマイナス1、2、3と変わることと、 おのおののイオンの解離には、平衡定数pKaがある、ということです。 このことを踏まえて、以下のように考えてみたのですが、 まだまだしっくりきていません。 なにか御指摘頂ければ、幸いです。 (1) アルカリ通液により、交換基からCl-イオンが離れて、OH-イオンが代わって結合する。 これは、Cl-イオンよりも、OH-イオンのほうが、交換基に結合しやすいから、と考えています。 (2) りん酸緩衝液通液により、交換基からOH-イオンが離れて、りん酸1-イオンが代わって結合する。 この過程では、りん酸1-イオンが減ることと、OH-イオンが遊離することで、廃液のpHは10くらいに なるのではないか、と考えています。 (3) また、低濃度緩衝液を通液後、一旦pHが下がるのは、カラム内のりん酸1-イオン(交換基結合、ある いは遊離)の量と、通液している緩衝液のイオンの量の平衡が動いているためではないか、とも考え てみてますが、どうにもしっくりきていません。 以上、若干のつもりが、長々となってしまいました。 どうか宜しく、お願い申し上げます。
- ryumu
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DEAEは、弱イオン交換基を持つ担体ですよね。 これは、bufferのpHによって、荷電状態が変化し易い交換基を持つということです。 逆に強イオン交換基をもつ担体は、bufferのpHによって交換基の荷電状態が変化し難い担体ということです。 つまり、手順(2)-(4)では、担体がさらされるpH環境が大きく変動しているので、そのpHに応じた荷電状態変化が起こっています。 もちろん、NaOHではタンパク質の変性も起こるので、もし前回の実験でタンパク質が残っていても、これで除去あるいは変性沈殿させています。 (4)で、高濃度を流しているのは、(3)で上昇したpHをはやく低下させるためでしょう。もし、pHが下がりきっていない状態で試料をアプライしたら・・・と考えると当たり前ですよね。 (6)は、NaClですよね? 単純に高イオン溶液で、交換基に付いたイオン物を洗浄しているだけです。
お礼
早速のアドバイス、ありがとうございます。 担体がさらされるpH環境に応じた荷電状態変化に着目すればよいことが判りました。 とても参考になりました。 またしばらく勉強つづけます。 ありがとうございました。
お礼
再度の御指摘、誠にありがとうございます。 NaOH洗浄: DEAE-H+ + OH- => DEAE + H2O について、なるほどですね。 そういえばどこかのHPに、DEAE反応基のpKaは11くらいだとありました。 その後の過程についても、なんだかすっきりしてきた感じです。 自分の頭で改めてよく噛み砕いて、消化吸収しようと思います。 それにしても、自分で判らないことについて、いろいろとお教え頂きまして、 とても感謝しております。また、こういう疑問についてあれこれと議論することができて、難しかったですが、楽しかったです。 これまで、インターネットに何か書くということは、したことが無かったのですが、これからは、少しずつなれて、有効に使えるようになろうと思います。 ありがとうございました。