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当たりくじの問題について
「当たりくじがa枚入っているn枚のくじから一枚引く。くじは一回引いたら元に戻す。n回くじを引いたとき、k回当たりくじである確率をPn(k)とし、n→∞のときのP(k)について、kの平均値E(k),及び分散V(k)を求める。」という問題が分かりません。どなたか教えてください。
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これは、二項分布からポアソン分布を導入して、その平均値と分散を求めさせようという問題です。 まず、二項分布: 確率は何度でも(a/n)です。外れる確率は1-(a/n)です。n回試して、k回当たり、n-k回外れるんだから、(a/n)^k*(1-(a/n))^(n-k)が何回あるかということを考えます。すると、同じk回の当たりでも、 当当当、、、外外外外、、、とか、当外外当、、、とか色々な場合があります。これはnからkだけ取り出す「組み合わせ」の数だけ。それを(n/k)とかnCkとか書くことは知ってると思う。で、それは {n(n-1)....(n-k+1)}/k! であることも知ってると思う。で、答えは Pn(k)=nCk(a/n)^k*(1-(a/n))^(n-k) となる。で、nを非常に大きな数にしていく。 まず、(a/n)^nの分母のnがk個あるので、それでnCkの分子を割ってやる。すると(n/n)((n-1)/n)((n-2)/n)....((n-k+1)/n)はnが無限になると全て1になり、それを掛けたものも1なのでこれは1である。で、nCkの分母のk!とa^kはnに関係ないので、これはそのまま残り、(a^k)/k!となる。 で、(1-(a/n))^(n-k)=(1-(a/n))^n・(1-(a/n))^(-k)であり、後者の(1-(a/n))^(-k)は当然1になる。1は何乗しても1なので。で、(1+{1/(-(n/a))^{(-n/a)(-a)}と変形される前者はe^(-a)となる(自然対数の底であるeの定義そのもの)。で、結局n→∞になると、 P(k)={a^k*e^(-a)}/k! というポアソン分布になる。 ポアソン分布は、確率は非常に小いが非常に大きな数の試行で何回その事象が起こるかという分布を与えてる。街角での交通事故の分布、兵隊が馬でけられて死ぬ数(何人かということ。ポアソン分布研究の発端になった話)、一定長さにある圧延鋼鉄中の傷の分布、一つの葉に蝶が卵を何個産むかという分布など。で、その平均と分散はともにaとなるのだが、その計算:(平均は1次のモーメント、分散は2次のモーメント) E(k) =e^(-a)Σ[k=0,∞]k(a^k)/k! =ae^(-a)Σ[k=0,∞](a^(k-1))/(k-1)! =ae^(-a)・e^a =a 次に技巧的だけれど、 E(k(k-1)) =e^(-a)Σ[k=0,∞]k(k-1)((a^k)/k!) =e^(-a)・a^2・Σ[k=2,∞](a^(k-2))/(k-2)! =a^(-a)・a^2・e^(a)=a^2 E(k(k-1))=E(k^2-k)=E(k^2)-E(k)=a^2 E(k^2)=a^2+E(k)=a^2+a V(k) =E(k^2)-{E(k)}^2=a^2+a-a^2 =a 計算は技巧的だけれど、本質ではありません。ポアソン分布では平均も分散もa(一つ一つの確率と同じ)になるというのが本質です。なお、上記で、k(k-1)の計算のところで分母のk!の最初の二つを分母分子割って1にし、a^kの二つをΣの外に出してます。k-2から始まろうと(なんならk-2を新たなKとでも置いて、次々と各項を記せばそれがe^aになってるのが分かると思います。 ある交差点で年間に自動車事故が何件おきるかを考える時、何台の車がとおったかなど分かりません。ここがこのポアソン分布のすごいところで、何台か分からなくても、年間に何回事故があるかで平均を出し、それで例えば3回事故がおきる確率などを上記で計算できるのです。
お礼
丁寧な回答ありがとうございました。