いくつかポイントがあって、
#1さんのおっしゃっていることは、「三角関数の合成が考えられた背景」のひとつとして、その通りではあるのでしょうが、一般論すぎて、質問者さんの「具体的にどんなところが重要なのですか?」の答にはならなさそうですね。
「背景」としては、#3さんのおっしゃる「三角関数を重ねると三角関数になるのは明らかなんです」が、もっとも重要かと思います。
ただし、そのままでは、ちょいと嘘っぽいかも。「『同じ周期の』sin,cosをいくつ重ねても、振幅(y=a*sinθのa)や位相(始まりの位置・y=a*sin(θ+α)のα)がどうなっていても、『同じ周期の』sinかcos1つにまとめられる」とやれば、もっと、真相に近くなりますが、これが「合成」の正体です。
周期が違う奴を重ねる、例えば、sinx+sin(2x)のような場合だと、1周期(2π)の間に、x軸の上側で山が2つ、下側に山が1つ、のような、周期関数にはなりますが、さすがに、1つの三角関数では表せません。ついでにいうと、普通の楽器の音が、波形がほとんど単振動の音叉などに比べると、複雑なのは、波形が、こういう、周波数が整数倍(周期が整数分の1)の単振動をいくつも重ねたものになっているからです。
数学の先生が、重要というのには、教科としての数学や、入試数学のことも念頭にあるんじゃないかと思いますが、その面では…
1つのsin,cosにまとめてしまわないと、最大・最小なんかが、一目で解らない、
例えば、頻出問題に、a*(cosx)^2 + b*(sinx)(cosx) + c*(sinx)^2 の最大・最小を求めよ、って問題がありますが、解く手順は、
(1) (cosx)^2, (sinx)(cosx), (sinx)^2 を、半角公式を使って、cos(2x),sin(2x) を使う形に直す。
(2) すると、A*cos(2x) + B*sin(2x) + C みたいな形になるので、
(3) 合成して、√(A^2+B^2)*sin(2x + α) + C とすれば、
(4) 最大・最小は、C±√(A^2+B^2)
ということで、合成公式知らないと、(2)の後が、ちょっと、手に負えません。
(数IIIの三角関数の微分でもできますが、面倒くさ過ぎ^^)
仮に覚えていなくても、加法定理さえちゃんとしていれば、倍角公式・半角公式なら、
その場で、思いつけるかもしれませんが、さすがに、合成公式になるとは、
少なくとも、あ~、こんな形の公式があったよなぁ、くらいの記憶はないと、
その場で作るのは、難しそう、ということで、重要と言っておかないと、
その程度の記憶にも入れてもらえない。
(加法定理が重要なのは、一々言わなくても当然、倍角公式なんかも、同様で、
必要なら、簡単に出せるし、練習問題で出てくる率も高いから、
そこまで強調しなくても、大丈夫、なのに比べると…^^)
以下、余談気味ですが…
自分だけで思いつくのは至難の業っぽい合成公式ですが、
大まかな記憶さえあれば、再現法は、難しくはなく、
sin(x+α) = (sinx)(cosα) + (cosx)(sinα)、
これと、a*sinx + b*cosx が同じになるなら、a=cosα,b=sinαでいいのですが、
a^2+b^2 = 1 でない場合は、そういう訳にはいかない、けれど、
{a/√(a^2+b^2)}sinx + {b/√(a^2+b^2)}cosx ならば、
{a/√(a^2+b^2)}^2 + {b/√(a^2+b^2)}^2 = 1 だから、
a/√(a^2+b^2) = cosα, b/√(a^2+b^2) = sinα として、問題なくなる、
なので、{a/√(a^2+b^2)}sinx + {b/√(a^2+b^2)}cosx = sin(x+α)、
で、両辺に、√(a^2+b^2)をかけると、合成公式、という具合です。
実は、上の教科書パターンだけでなく、cos(x-β)の加法定理から、
a*sinx + b*cosx = {√(a^2+b^2)}cos(x-β)
ただし、sinβ = a/√(a^2+b^2), cosβ = b/√(a^2+b^2)
という合成公式もあり、ものによっては、こっちを使うと、楽になることも、
ゆとりがあったら、同じ要領で、証明・確認して、使えるようにしておくと、便利です。
お礼
回答ありがとうございました