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背理法を使うとき
今、代数で背理法を習いました。 背理法がどういう物なのかは理解できたのですが、どういう場面で使えばいいか分かりません。 例えばAという問題は、背理法を使わないと解けないとします。 その場合、「背理法で証明できる」という事実は分かるのですが、なぜ背理法を使うのかが分かりません。 問題をぱっと見ただけで、「これは背理法でないと解けない」ということは分かりませんよね。 これは、経験がものを言うところなのでしょうか…… それだったら仕方ないのですが、そうでなければ背理法がどういう場面で使えるか教えてください。 出来れば、私立中学生が分かる範囲でお願いします。
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(1)「部屋Aの中のどこかにダイヤモンドが隠されていることを証明せよ。」 (2)「部屋Bの中にはどこにもダイヤモンドが隠されていないことを証明せよ。」 さて、直感的にどちらの証明の方が簡単だと思いますか? もちろん(1)ですよね。 (1)は、実際に部屋Aの中からダイヤモンドを探し出せば、証明終わりです。 (2)は大変ですね。普通の方法では、部屋の中を隅から隅までくまなく探して、どこにも無いことを確認しなくてはなりません。 でもあなたが「ダイヤ探知機」を持っていた場合はどうでしょうか。 この部屋にダイヤがあると仮定する。 ダイヤがあるなら、ダイヤ探知機が反応するはずだ。 しかし、実際にはダイヤ探知機は反応しない。→矛盾! あっという間に、背理法で証明できてしまいました。 一般的に、背理法は「正攻法」ではうまくいかない証明に使えることが多いです。 上の(2)の場合、隅から隅までのしらみつぶし戦法という正攻法では、かなり証明は困難です。 こういう時は、背理法を試してみる価値があります。(もちろん必ずうまくいくとは限りませんが) 実際の数学の問題に照らし合わせて見ましょう。 「√2は有理数でないことを証明せよ」 正攻法=しらみつぶし戦法で行くならば、 1/2は√2とは異なる。 1/3は√2とは異なる。 1/4は√2とは異なる。 2/3は√2とは異なる。 ・・・・・・ などと、一つ一つの有理数に対して、√2とは異なることをそれぞれ調べてゆくことになります。しかし、実際には有理数は無限に存在するので、それでは終わりませんね。 そういう時こそ背理法なのです。 いくらでもある有理数と√2を《すべて》比較するよりも、(複数あるかもしれない)矛盾を《一つ》探し出すだけの方が、明らかに簡単ということなのです。 さて、もちろん、有理数・無理数の証明以外にも背理法が有効な場合はたくさんあります。 背理法が使えるかどうかの目安としては、(あくまでも目安です) 命題に「ない」が含まれているかどうかがポイントです。例えば、 「有理数で《ない》ことを証明せよ」 「……となる可能性は《ない》ことを証明せよ」 「どの場合も……が成り立た《ない》ことを証明せよ」 という感じです。 最後になりますが、やはりある程度は慣れがものをいいます。証明問題を解くたびに、背理法が使えるかどうか意識して考えるようにすると、段々と使える使えないの区別が付くようになってきます。 慣れないうちは、手当たり次第に背理法を試してみるというのでもかまいません。自然と区別は付くようになりますから。 それでもやはり、上に書いた「しらみつぶし」と「ない」の二点は区別をするヒントになることが多いので、心にとどめて置いてください。
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- i536
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背理法は、無限を扱う証明に関して強力無比です。 逆に有限を扱う証明ではほとんど使いません。 中学、高校では無限を扱いませんので、 背理法の有難味はわかりません。 しかし、大学以上の数学ではいやというほど背理法を使用しますので、 これなしでは数学が成り立たないだろうと思えるはずです。
お礼
そうなんですか。 だから√2……の証明のとき使ったりするのかもしれないんですね。 数学が成り立たないほどだとは。すごいです。 よくわかりました。 分かりやすい説明ありがとうございました。
- gramin
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そのまま説明したのでは、当り前すぎるような場面で、背理法を使うと、すっきりと説明できるように思います。 ところで、「私立中学生が分かる範囲」と「公立中学生が分かる範囲」って何か違うのでしょうか?
お礼
そうなんですか…… 「当たり前すぎる」ですね。考えてみます。 範囲についてのことです。 私の学校は先取りで高1ぐらいのことをしてるので書きました。 失礼があったらすみません。訂正します。
お礼
「しらみつぶし」と「ない」ですか。 そう言われてみればそうですね。 おもわずちょっぴり「へぇ~」です。 ありがとうございました。