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冠の色の判断の根拠
冠位十二階の冠の色に「東洋医学の五臓色体表の順序(青・赤・黄・白・黒)」が当て嵌められている事情は妥当だと思われますが、その上の階級の為に「紫」が採用されている判断に関する根拠は何らかの文献に紹介されていますでしょうか。 心包経に桃色が対応している、という研究結果が鍼灸の臨床現場から報告されていますので、食い違いが気になりましたから、畏れ入りますが教えて頂けますでしょうか。
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中国では北極星を皇帝の象徴と見倣わし「紫微星」と呼んでいます。聖なる存在との意味です。 これに対応する法規範が「律令」と呼ばれるシステムで、律は現在の刑法、令は行政法に該当する性質と呼ぶことも出来ます。日本の律令制度はこの中国の法規範を移入する形で統治システムに組み込まれました。 現存する史料としては奈良時代の701年に制定されたとされる「大宝律令」をほぼ同一内容とされる「養老律令」があり、その公式注釈書である「令義解」と民間の法制家の間で流布していた解釈を集積した「令集解」があります。この律令の中で第19節の「衣服令」第7条には「服色条」として服色とそれに関する序列規定が見られます。紫=皇帝を表すことから最高位を示すこととなったとされています。 中国での桃は「西王母の桃」などとして民間では不老長寿の代名詞の様に扱われているとの話を耳にした事もあります。民間信仰と法規範の間での優越性から鑑みて「紫」が至高の地位を示すことは自然であろうと考えられます。
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地位名はご存知かと思います。KomiyaYuiさんには蛇足と思いますが、大德 小德 大仁 小仁 大禮 小禮 大信 小信 大義 小義 大智 小智 です。徳・仁・禮・信・義・智の6つの階級にそれぞれ大小をつけたのが冠位です。 さて色ですが、徳=紫、仁=青、禮=赤、信=黄、義=白、智=黒で、大は濃い色、小は薄い色です。位階相当の色として、五行思想に基づいた五常の徳目(仁・礼・信・義・智)の青・赤・黄・白・黒が宛てられたたというのが定説です。徳は、五常の徳目を統率する意味があることから、漢代以降、帝王の色として尊ばれた「紫」を充てたわけです。。 五行思想の中には、「五臓」もあり、「肝・心・脾・肺・腎」です。これがKomiyaYuiさんのおっしゃっている事です。こういった五~は五行思想では「五臓」「五徳」も含め35種類もあります。これらの色分けには違いはありません。全部「青・赤・黄・白・黒」の順です。冠位十二階は五行思想の「五徳」(仁・禮・信・義・智)が基本であり、色分けは五行思想の色分けに則って分けているので、KomiyaYuiさんの言う事は間違いでは無いのです。本来なら冠位十階ですが、聖徳太子さん、五行思想に基づいて地位と色を決めたは良いですが、これでは五行思想そのまんまだから、五徳の徳を入れちゃいましょう、そして「五徳」のタイトルだから一番偉くしましょう、色も帝王の色とされている「紫」にしましょう、倭国としてのオリジナル性を出しましょう、という風にでもなったのでしょう。あくまでも推測ですけどもね。
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有り難う御座います。 五臓色体表の色の項目が相生相剋関係に基づいて、鍼の打ちやすさに影響を与えている、という仕組みが鍼灸師達の間で研究されていますが、特定の処置の際に「紫」が奏効させ得る、という報告が上がっておりますので、「紫色」への価値判断の起源を知りたくなって、この質問を纏めました。
- Landw
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どの本で読んだか覚えていないのですが、 その時代の染料で「一番貴重な物だったから」という意味合いが大きいはずです。 その時代の紫色は、貝から採れる貝紫、紫草の根の紫根(シコン)で染めた物が特に高価で貴重でした。 江戸時代などでは一般人が紫根で染めた紫色の物を身に着ける事は禁じられ、「ニセムラサキ」といわれる色の物を代用品として楽しんだ様です。 ※ニセムラサキは主に蘇芳や茜、藍と紅花の重ね染めなどで染めていた様です。 文献と言うほどではありませんが、 山崎青樹先生、山崎和樹先生、吉岡幸男先生の執筆された本を読んでみるのも良いかと思います。 少しでも参考になれば・・・
補足
有り難う御座います。 経済的な価値判断の反映という見方にも妥当性が有りますね。
補足
桃色の問題にも注目して頂き、有り難う御座います。