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演繹法について
演繹法という論理の方法がありますが、具体的には、どういう考え方のことをいうのでしょうか。たとえを用いて説明していただけないでしょうか。
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演繹法と言うのは、前提の中に既にその論理的な結論が含まれている言葉の羅列を言います。ある意味で、演繹法とは自己反復(トートロジーとも言う)のことです。だから、その前提を分析すると、必然的にその結論が得られる。例えば、「私は男である。だから、女性と比べて尿道が長い」って言うのが演繹です。そもそも、男とは、おチンチンが付いている人のことを言うのですから、これは単なる言葉の反復でもある訳です。 一方、「私は雨女(あめおんな)です。 私が参加する予定の運動会は、今まですべて雨で中止になりました。 ですから、今度参加予定の運動会も必ず当日雨が降って中止になります。」 というのは、「演繹」ではなくて、その反対の「帰納」と言います。「私」と言う言葉をどう分析しても、決して「雨が降る」と言う結論は出て来ません。しかし、経験的にそれが常に起こるとすると、何かこの宇宙には、私と言う存在と雨が降るという現象の間には、演繹的でないが、経験的にそれが正しいという、言わば、この世界の原理があると主張している訳です。これを、「演繹法」に対する180度反対な概念として「帰納法」と呼びます。 演繹法の典型は、「『私は女である』が正しいなら、『女でなければ、私でないも正しい』」という論理の流れです。これを演繹的な結論と言います。この言葉の中で「女」という言葉を「甲」という言葉で置き換えてもその主張は正しくなります。そして、数学で証明出来ることは全て演繹的です。 一方、「私が手に持った石を離したら、下に落ちる」と言う論理は決して演繹的では判りません。我々の住んでいるこの世界では何度繰り返してもそうなりますが、「手を離す」や「石」や「下」や「落ちる」という言葉の分析をどのようにしても、決してその結論が正しい言うことは証明出来ないからです。事実、人工衛星の中で手を離しても石は下に落ちません。 だから、演繹とは、言葉を分析するだけその真偽が判定出来る事に限った論理形態のこです。一方、言葉をどのように取り繕った所で、実際にやって見なくては判らない真偽に関しての判断のことです。そこでその論理的判断ことは演繹的判断とは言わず、帰納的判断と言います。 このことを人類して最初に明確にしたのはドイツの哲学者のカントです。彼は演繹的な真偽の判断を、「分析的な真偽の判断」と呼び、帰納的な真偽の判断を「綜合的な真偽の判断と」と呼んで、人類史において明確にその違いを明らかにした人です。彼によって、数学は分析的な真偽を扱う学問であり、それに対して、自然科学は綜合的な真偽を判断する学問であることが初めて明らかにされたのです。 だから、幾ら数学的な整合性を論じていても、決してこの世界は判らない、と言うことをカントは明らかにしたのです。
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- Ishiwara
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推論の方法に「演繹法」「帰納法」「三段論法」「背理法」などがあります。 演繹と帰納は、互いに逆方向となります。 演繹とは、一般法則を個々の事例に当てはめること。帰納とは、個々の事例を通して一般法則を導くことです。 「将棋の強い人は数学もよくできる」と、勝手に考えた段階では、まだ「仮説」です。調べてみて、そういう事例が非常に多ければ、それを法則と考えることができます。これが「帰納」です。 いったん法則と考えられるようになれば、例えば友人に将棋の強い人がいる場合「たぶん、この人は数学ができるだろう」という推測ができます。これが「演繹」です。 動植物学などの体系は、ほとんど帰納によって成り立ちますガ、一方、数学などは、演繹のみによって成り立っています。数学では、ふつう帰納法は使いません(数学的帰納法という特殊な方法もありますが、ここでも「たぶん」は使いません)。
お礼
何だかわかるようで、わかりませんでしたが、参考になりました。ありがとうございます。
- yamasakaki
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演繹法は一般的原理から論理的推論により結論として個々の事象を導く方法です。 代表的な手法に、大前提・小前提・結論による三段論法があります。 (例) 大前提(一般的原理)「人間は死ぬ」 小前提(事実など)「Aは人間である」 結論(個々の事象)「Aは死ぬ」
お礼
短くて簡単な説明をしていただいてありがとうございました。
- sanori
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こんにちは。 たとえば、 「私は雨女(あめおんな)です。 私が参加する予定の運動会は、今まですべて雨で中止になりました。 ですから、今度参加予定の運動会も必ず当日雨が降って中止になります。」 というのが演繹です。 この演繹は科学的には正しくないですけれどもね。 また、物理や化学など、普遍的に必ず成り立つ科学の法則はあります。 その法則はいつでもどこでも成り立つはずだ。 これは科学的に正しい演繹です。 生活に密着したことでは、たとえば、(通常の室温であれば)冷蔵庫のドアを開けることが多いと、電気をたくさん使う。 それは自分の家だけでなく、他の家でも同じ。 これも演繹です。
お礼
参考になりました。 一番早く答えくれてありがとうございました。
お礼
今日は、カントさんではなく、デカルトの本を借りてきました。 帰納法とは違うんだということを学びました。 ありがとうございます。