帰納法
住友商事はアメリカで銅不正取引を行っていた。(事実)
大和銀行ニューヨーク支店はアメリカ国債の不正取引を行っていた。(事実)
ミツトヨは禁止されている製品を不正に北朝鮮へ輸出していた。(事実)
東京電力は原子力発電所のデータを長年改ざんしていた。(事実)
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したがって、日本人はみな不正を行う(だろう)。(推測的結論)
※つまり、帰納法は個別の事例や観察例から真実を"類推"する方法。しかし、上記のような例では、不正を行っていない日本企業が見つかっていけば、その結論の確からしさはどんどん減っていく。
※科学分野では、本来であれば必要のない方法。しかし、しばしば帰納法によらなければ先にすすめないこともある。その場合は確からしさの精度の問題となる。ただし、「確からしさ」<100%。また、個人によって状況によって結論は異なるかもしれない。真理を導き出す方法ではなく、説得力を高める方法ともいえる。
こんな例もあります。
最近、夫は私に冷たくなったようだ(観察1)
最近、夫の帰りが遅くなった。帰ってこない日もある(観察2)
最近、車の中に私のではない女の髪の毛があった(観察3)
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夫は、浮気をしているらしい
演繹法
聖書に書かれていることは絶対正しい。(前提1)
聖書には、「神は自分のかたちに人を創造された」と書いてある。(前提2)
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したがって、神の姿は人と同じである。(結論)
※つまり、演繹法は、確かだと認められる前提(1~n)から絶対的に正しい結論を導く方法。しかし、上記前提1のように前提の確からしさが認められなければ、結論も認められない。
こういう例もあります。
ストライク三つで打者はアウト(ルール)
今の球は三つ目のストライクだった(観察事項)
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この打者はアウト