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生物の寿命と産子数について
今、生物の寿命と産子数に関係があるかどうか調べているのですが、良い資料が見つかりません。 単純なイメージとして、短命の生物は産子数が多く、長寿の生物は産子数が少ないような印象があるのですが、この2つにはきちんとした相関関係があるのでしょうか? 寿命と産子数の関係について考察した本や論文などがありましたら、教えていただけるとありがたいです。 宜しくお願いします。
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- kumagerasu
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こんばんは。そういう対比を言い表すキーワードとして、「K淘汰」「r淘汰」という用語があります。これはその生物が適応戦略(生活史戦略)がどのようなものかを表すものです。 ごくかみ砕いて言うと、安定な環境では自分も長生きして、少ない数の子供を大切に育てるほうが一生のうちに多くの子供を育てられる(その結果、自分の体も大きく長生きしたほうがよい、K淘汰)のに対し、不安定だったり変化が多い環境では、早死にすることも考えて、多少無駄ができてもよいので、短時間のうちに沢山子供を作るほうが一生のうちに多くの子供を育てられて得だ(その結果、自分も早熟で体も小さいほうがよい、r淘汰)ということでしょう。 今、手元にある事典でK淘汰を引くと「K淘汰は、安定した生息場所で、個体群の平衡状態が維持される場合、あるいはそういう状態にある種に対して作用する密度依存的な淘汰のことをいう。K淘汰のもとでは、大卵少産、晩熟、世代期間の延長、大型化、競争能力の増大などの形質の進化が予想される。」とあります(山岸哲ほか監修, 2004.「鳥類学事典」昭和堂)。逆にr淘汰は、「多産、早熟、世代時間の短縮、体サイズの小型化」などに特徴づけられるわけです。 このことは、生態学の教科書を見られれば載っているものと思いますが、たとえば私のてもとには、エリック・ピアンカ, 1980. 「進化生態学」(蒼樹書房)なんていう本があり、それには上記のような説明が書いてあります。
- 雪中庵(@psytex)
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長寿命であれば、それだけ生涯産子回数も多いだろうから、 産子数が少ない要因の1つではあるかも知れません。 (親と同じ数の子供を成熟させればゼロ成長) しかし、他にも捕食者による淘汰や厳しい環境による死亡 (これは平均余命にも影響します)や、交配における選択 など、複数の「産子数決定要因」があります。
お礼
回答ありがとうございます! うっ!ご指摘の、「生涯産子回数」のことがすっかり頭から抜け落ちていました・・・質問した時は、単純に、「寿命の短い生物→一度に生む子の数が多い(要するに排卵数が多い)、寿命の長い生物→一度に生む子の数が少ない(排卵数が少ない)」という構図が頭に出来上がっており、生涯に何匹子供を産むかというトータル数がすっかり抜け落ちていました、すみません;; 産子数決定要因について、こちらでも調べてみようと思います。ありがとうございました!
- suiran2
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寿命と産卵数の相関はないでしょう。魚類では、シラウオのような1000程度からマンボウのように何億までありますが、一般的に産卵数と親魚の体重は相関します。ですから寿命と産卵数はむしろ逆の相関があるかも知れませんね。相関を調べるには同じ生活型、例えば卵胎生を含めずに生みっぱなしの魚類等で比較する必要があると思います。何かの参考になさって下さい。
お礼
回答くださりありがとうございます! 魚類においては、寿命と産卵数の間に相関はないのですね;; 産卵数と親魚の体重には相関があるのですね・・・! やはり単純に寿命と産卵数のみのパラメーターで、関係を見出すのは難しいようで・・・生活型などを考慮する必要があるとのこと、大変勉強になりました、ありがとうございます。
お礼
丁寧なご回答ありがとうございます! k淘汰、r淘汰の概念がとても分かりやすく、勉強になりました。 生物は一般的に体が大きくなるほどに長寿だと言われていますが、r淘汰において、短時間で多数の子供を得るには、早熟な必要があり、結果として親の体が小さくなる、という部分にとても納得しました。 本も教えてくださってありがとうございます!生態学に関しては全く専門外で、どんな本を読めばいいのかも分からなかったので、とても助かります。 早速図書館で探してみますね。 ありがとうございました!