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ミクロ経済学の供給曲線と需要曲線の定義
- ミクロ経済学の供給曲線と需要曲線についての意味や定義を教えてください。
- 供給曲線と需要曲線はどのような式で表されるのでしょうか?
- 完全競争市場における価格と供給曲線の関係について教えてください。
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たとえば、物理学では F=MA という運動方程式があり、重力の大きさは F=-GmM/R2 という式で決まり、太陽を原点とする座標系で表すと地球の軌道は楕円になって・・・ というように、基本となる式があってそれによってどういう運動をするかが計算されます。 しかし、経済学のグラフは、これとは全く意味が異なります。 ◆質問1 市場にはいろいろな供給者がいます。 「オレんとこは、少しぐらい価格が安くなってもびくともしないぞ」 という企業もあれば、 「ええ、こんな安くちゃやっていけないよ。もうやめようかな。」 という企業もあり、 「うちの会社は社会に必要なものを作っているんだから、少しぐらい赤字でもやめるわけにはいかんのだ。」 と言って赤字でも頑張る企業もあります。 こういった企業がいる結果、市場全体としては、価格が高くなると、供給者が供給しようとする量が増え、価格が安くなると、供給者が供給しようとする量が減ります。この価格と供給量の関係をグラフにしたものが供給曲線です。 多くの、それぞれが自分の都合で作る量を増やしたり減らしたりする供給者がいる結果、ある量が供給される、というだけですから、決まった公式などはありません。 需要曲線も同じです。 高くても欲しいという消費者もいれば、そんなに高いんならいらない、という消費者もいます。その結果、ある価格になった時の市場全体の需要量が決まり、これを価格と需要量とを軸にしたグラフにしたものが需要曲線です。ですから、これも当然、決まった公式などあるはずがありません。 慣例として、縦軸は価格、横軸は供給量または需要量とすることになっています。 ◆質問2 価格と供給量の関係を調べて、ある商品の価格が1000円の時に市場全体で供給量はどれだけか、1001円の時の供給量はどれだけか、1002円の時は、1003円の時は、というように調べてグラフ用紙にプロットして出来上がるのが供給曲線です。 「価格P=平均収入AR=限界収入MR=限界費用MC」 という式はグラフではありませんよね。ですから供給曲線ではありません。 上にも書きましたが、市場にはいろいろな供給者がいます。安くてもいいから売ろうとする人もいれば高くなきゃ売りたくないという人もいます。 もし供給業者が、自社の利益を最大にするために最も合理的な方法を取ろうとしたら、どういう供給量で販売するでしょうか? 完全競争市場は、商品の差別化が存在せず、価格のみで勝負をする市場です。売り上げを増やすためには、他者より安く売る以外に方法がない、というのが完全競争市場の前提条件です。しかし、価格を下げすぎると、利幅が少なくなりますから、売り上げは増えても利益は少なくなってしまいます。どのくらいの価格で何個売ったら利益が最大になるでしょう? この条件が 「価格P=限界費用MC」 という式です。 生産量が少ないうちは、生産量を増やすと数の経済性が働き、高率が良くなってゆきます。ですからたくさん作った方が儲かります。しかし、生産量が増えすぎると数の不経済が生じるようになり、たくさん作ると利益が減るようになります。その境目で利益が最大になります。それが上の条件です。価格P=限界費用MC となるような生産量の時に利益が最大になるわけです。