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2財選択の最大効用化
経済を専攻する学生です。 基本だと思うのですが、きちんと理解できていないと思うので教えてください。 消費者が、ある所得制約のもとで2財を選択するとき、その総効用が最大化する均衡購入量についてはどのように説明すればいいのでしょうか。また、さらに1財のみの価格が低下した場合、2財の均衡購入量がどのように変化するかを説明しなさい。 わかりやすく説明していただけると助かります。 よろしくお願いいたします。
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- jackyjackyjacky
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無差別曲線理論と価格効果に関する説明でしょうか。 基本だからこそ、しっかりと理解するのはなかなか難しい部分だと思います。 図表なしでの説明は困難ですので、テキストの図表を眺めつつ読んで下さると幸いです。 >消費者が、ある所得制約のもとで2財を選択するとき、その総効用が最大化する均衡購入量について 無差別曲線理論について説明します。 無差別曲線理論とは、無差別曲線と予算制約を用いて家計の消費行動を説明する理論です。 ここで、無差別曲線とは、「効用が等しい1財と2財の組み合わせ」の集合です。つまり、無差別曲線上の点(1財と2財の組み合わせ)は、すべて効用が等しいわけです。 ここで、無差別曲線はいくつかの仮定を置くことに注意が必要です。 第一に、不飽和の仮定を置きます。つまり、1財、2財ともに常にgoodsと仮定することで、無差別曲線は右下がりとなり、右上に位置するものほど効用は大きくなります。goodsとは、限界効用(消費量が1単位増加した場合の効用)がプラスである財でしたね、反対はbadsです。 第二に、限界代替率逓減の仮定を置くことで、原点に凸な曲線になります。限界代替率とは、1財が増加したときにもとの効用に戻るために減らす2財の量です。 1財をビール、2財を枝豆だと考えてください。ビール4杯と枝豆4皿と同じ効用を、ビール5杯と枝豆3皿で感じるとします。このとき、増加したビール1杯に対する減少した枝豆1皿が限界代替率です。しかし、ビールをたくさん飲むとビールに飽きて、枝豆がたくさん欲しく感じるようになります。ビールを1杯増やしたら、もとの効用に戻るためには1皿以上の枝豆を減らさなくてはならないでしょう。これを、限界代替率が逓減するといいます。 あと2つほど仮定がありますが、そちらは長くなるのでテキストに譲ります。 予算制約線とは、予算をちょうど使い切る1財と2財の組み合わせの集合です。 予算制約線と縦軸・横軸に囲まれた三角形が、家計にとって予算内で選択可能な領域(入手可能領域)です。 家計はこの入手可能領域で効用を最大化しようとします。したがって、もっとも右上の無差別曲線を選ぼうとするので、予算制約線と無差別曲線の接点を選ぶことになります。これが、最適消費点です。 >さらに1財のみの価格が低下した場合、2財の均衡購入量がどのように変化するか 価格効果を代替効果・所得効果に絡めて説明できれば大丈夫だと思います。ギッフェン財も重要です。 スルツキーは、ある財の価格が下落した場合の消費への影響を代替効果と所得効果に分けました(したがって、スルツキー分解と呼びます)。 代替効果とは、2財の価格が不変で、1財の価格だけ下がれば、1財は相対的に安くなるので、1財の消費が増える効果です。 所得効果とは、価格の下落にともなって実質所得が増加する(1財が安くなった分お金を使わなくなるから)ことによる消費への影響です。 所得効果は、2財が上級財ならば消費は増加し、中立財ならば消費は変わらず、下級財ならば消費が減少します。 この代替効果と所得効果を合わせたものを価格効果(全部効果)と呼びます。この価格効果がマイナスな財をとくに「ギッフェン財」といいます。つまり、ギッフェン財とは、下級財であるため所得効果がマイナスで、かつ所得効果が代替効果よりも大きいことから、却って消費量が減少する財といえます。 この所得効果と代替効果もグラフを動かしながらだと理解しやすいので、テキストの説明の補足にしていただければと思います。