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電磁気学で分からない箇所について
- 砂川重信『理論電磁気学』を読んでいるが、分からない箇所がある。
- p(x)は物体内の原子あるいは分子の分極によって生じた電気双極子の分布を表している。
- 観測点からみた相対位置ベクトルの点の電気双極子を積分することで、分極ベクトルP(x)を求める。
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#1です。 >・・・(1.5)で定義されたpの概念を使うなら(1.6)~では積分よりもむしろ和で考える事になるという理解でよろしいでしょうか?密度の概念が現れたのは積分を使う事で(1.7)すなわち(1.9)を導く事が出来るから、という意図が読み取れるように思われます。 自分は想像しすぎましたが^^、結局同じ意見です。以下、補足の後半に対して・・・。 問題の式には、式番号すらありませんから、この前の行間読み(深読みしすぎ?)に従い、「分極ベクトル(双極子モーメント密度)は、こんな感じで定義するのさ」くらいの、軽い式なのだろうと思っていましたが、 (だからrの符号なんかどうでも良いと・・・。また、誤植ではないかとすら疑っていましたが・・・) たぶん#3さんが正解だと思います。 自分も相互相関関数くらいは知っていたのに、こんなところに畳み込みが出てくるとは、思いもしませんでした・・・~~;;。これが本当に「こんな感じ」程度の式に、何気なく出てきたものだとしたら、やっぱり砂川先生には、頭が下がります。またこれが、伝統的に電磁気学の常識なのだとしたら、やっぱり電磁気学は敷居が高くて、奥も深いですよね・・・。
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ANo.3です.ちょっと訂正します. > ∫[δV] n(x-r) d^3 r = N δV > > で割り算することで,「位置xの巨視的な近傍 δV における電気双極子密度による加重平均」になるようにしています. の積分式は ∫[δV] n(x) d^3x = N δV にすべきですね.すみません.
この n(x) は「原子あるいは分子の密度分布」とありますが,「位置xの巨視的な近傍における単位体積当たりの原子・分子の個数」のことで,領域 δV 内ではあまり激しく変化しません(というか,ほとんど変化しません). で,積分 P(x) = ∫[δV] n(x-r) p(r) d^3r/(N δV) (エヌ・バーが表現できないので,代わりに N を使いました.) ですが,画像工学における「移動平均フィルタによる画像のぼかし処理」みたいなことをしています.r は領域 δV 内における位置を表していますが,p(r) は微視的な電気双極子密度の分布であり,δV 内で激しく変化します.ところが n は δV 内ではそんなに激しく変化せず,その n とコンボリューション(畳み込み積分)することで, ∫[δV] n(x-r) p(r) d^3r という x によってあまり激しく変化しない関数を作り出しています.ただ,この積分そのものは概ね「δV 全体の電気双極子密度の総和」になってしまいますので, ∫[δV] n(x-r) d^3 r = N δV で割り算することで,「位置xの巨視的な近傍 δV における電気双極子密度による加重平均」になるようにしています. 繰り返しになりますが,この式の意味は「巨視的な密度分布 n(x) によって p(r) をぼかす」ということで,こういう「ぼかし操作」のことを「粗視化」といいます.
- mikeyan
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本をもっていないので、前後のことはよくわかりませんが、 p(x)は1原子、あるいは1分子の電気双極子であり、 1原子よりも少し大きな領域(δV)でみると、その領域ではいくつかの原子が分布ムラをもって存在し、 (x-r)という位置における数密度はn(x-r)で、それらがつくる双極子はn(x-r)p(r)です。 これをδV領域で積分すると∫n(x-r)p(r)d^3r となりますが、 これはδVの中にあるすべての原子がつくる双極子となり、 単位体積内の1原子あたりの平均的な双極子は、nδVで割って P(x) = ∫n(x-r)p(r)d^3r / nδV となる ということではないでしょうか?
前回の#9です。すいません、本書を読み直して、前回の#9では、半分自分の解釈が入ってる事に気づきました。また用語が違う事にも気づきました。 前回の#9で小文字のpは、電気双極子モーメントでした。大文字Pは、分極ベクトルと言うべきでした。で、自分の解釈ですが、次のようになります。 前回の65ページ(だと思います)を何とか乗り切った後(と思ってるだけかも、ですが)、66ページの冒頭(2行目)に、 〇・・・このような微小な電気双極子が体積密度p(x)で・・・ という記述があります。ここで「エッ?」って思いました。 65ページの定義からすると、電気双極子モーメントは、いわば点電荷のようなもので、密度ではないはずです。しかし続く(1.6)~(1.9)の展開の意味はわかるので、そのまま読み続け、質問リンクの問題の式に出会います。そこであなたと全く同じ事を思いました。r'(本書のr)を、xからの相対座標と思えば、r'の符号の±は、どっちでもいいでしょうが・・・。 自分なりの行間読みではこうです。「微小な電気双極子が体積密度p(x)で」は、「微小な電気双極子が体積密度p(x)で分布するとみなしても良いので」です。つまり(1.6)~(1.9)のpは、電気双極子モーメント「密度」という訳です。大事なのは物理的意味と説明であって、そんなところで単位の違いをいちいちほざくな!、という態度に見えました。実際100年くらい前のローレンツの論文などを見ると、こういう今から見ればいい加減な(?)記述がなきにしも非ずですし、砂川先生はそういう開発者達と同じような感覚を共有していたのではないのかな?、と勝手に想像しました。 ただし砂川先生が、論文でそういう事をやったとは思えません。これはあくまで学生に、当時の雰囲気を伝えるためでしょう。 しかしどこかで、電気双極子モーメント「密度」の定義を与える必要はあります。それが問題の式です。問題の式では、再び電気双極子モーメントは点電荷のような扱いになっているため、当然「個数」が出てきます。 〇・・・δVは微小体積・・・nは原子あるいは分子の密度分布,nバーは平均密度である. です。 以上をまとめると、問題の式が(1.6)の前に出てきて、(1.6)以下は、大文字P(密度)に関する話と思えば良いのでは?、というのが自分の意見です。そう考えると、(1.6)~(1.10)が、きれいにつながります。 あくまで、自分なりの行間読みですが・・・。
補足
回答ありがとうございます。前回の質問は今回の内容と関連しているので、前回の内容の理解はまだ不十分ですが質問させていただきました。おかげさまで前回の質問から今回の質問の内容に至る流れの中でいくつかの誤解が無くなりました。 電気双極子モーメントとその密度に関してですが、つまり、(1.5)で定義されたpの概念を使うなら(1.6)~では積分よりもむしろ和で考える事になるという理解でよろしいでしょうか?密度の概念が現れたのは積分を使う事で(1.7)すなわち(1.9)を導く事が出来るから、という意図が読み取れるように思われます。(1.5)のpの方が画像の式のイメージはしやすいし、密度nが現れるのも納得できます。 この考えからすると、疑問なのはnとpの引数です。いままでpの引数であるrは微視的に見たときの原子(分子)の位置ベクトルに相当するものだと考えていました。xは観測点(領域)δVの位置ベクトルでしょうからx-rは原子から見た観測点の相対位置ベクトルということになります。それを引数にもつという事はnは空間全体で定義される量ではなくδVの中だけで定義される(あるいはδVの取り方、すなわちxごとに定義される)量なのでしょうか?この場合n(x-r)ではなくn(r-x)とする方が自然なので引っかかりますが。 >r'(本書のr)を、xからの相対座標と思えば、r'の符号の±は、どっちでもいいでしょうが・・・。 というのは、そうではなくpの引数rが観測点から見た原子の相対位置ベクトルという事でしょうか?この場合はxごとにp(r)の関数形が変わることになると思います。しかし、こうするとnの引数はn(x+r)とすべきではないですか?それ以前に、そもそも(1.9)で電荷密度との関係がある以上、やはりpの引数は原子の位置ベクトルと考えなければならないと思います。 人の文章を読むのがあまり得意ではないので誤解しているのかも知れませんが、P(x),n(x-r),p(r)は何を引数としているのか?xとrは物理的にどのような意味を持ったベクトルなのか?を教えて下さい。